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4月3日のNYダウは4日続伸し、前週末比327.00ドル高の3万3601.15ドルと、2月17日以来およそ1カ月半ぶり高値でした。一方、ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、同32.45ポイント安の1万2189.45ポイントでしたが、米国の金融不安が和らぎ、インフレの鈍化が確認できているため、足元の米国株式市場は総じて堅調に推移していると言えるでしょう。
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インフレ鈍化を示す経済指標が相次いだことで、
FRBによる「利上げのゴール」は近い
金融不安に関しては、3月28日開かれた上院銀行委員会の公聴会における米・財務省のネリー・リャン国内金融担当次官の発言によって沈静化しました。具体的には、ネリー・リャン氏は「銀行・金融システム全体の動向を引き続き注意深く監視している。イエレン財務長官が述べたように、われわれは重要な手段を用いて影響波及を防ぐために迅速に行動した。預金の安全性を確保するために必要であれば、これらの手段を再び使用する」と述べました。また、懸念されていた連鎖破綻など悪材料が出なかったことも、市場心理を改善させています。
一方、インフレの鈍化に関しては、3月31日発表された、2月の米・個人消費支出(PCE)物価指数で、変動が大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比4.6%上昇と市場予想の4.7%を下回り、伸び率も前月も4.7%から鈍化しました。このPCEは、FRBが重視する物価指標です。
また、同じく3月31日にミシガン大学が発表した3月の消費者調査(確報値)では、1年後の予想インフレ率が3.6%と速報値の3.8%から下方修正され、2021年4月以来の低水準になりました。
さらに、4月3日に発表された3月のISM製造業総合指数は46.3と、2020年5月以来、2年10カ月ぶりの低水準となりました。この数字は市場予想の47.5を下回り、前月の47.7も下回っています。FRBのこれまでの急激な利上げの効果により、製造業の活動はさらに低下し、今後、生産停止やレイオフの増加が見込まれています。そうなると、今後発表される米・雇用統計では、労働需給の悪化が鮮明となり、賃金上昇も鈍化することでしょう。これは、インフレファイターであるFRBにとって狙い通りの流れだと思います。
このように、インフレの鈍化を示す経済指標の発表が相次いだため、FRBの利上げ長期化への懸念が和らいでいます。実際、CNNが発表している「Fear & Greed Index(恐怖と強欲の指数)」は、4月3日時点で、「GREED(強欲)」と、1週間前の「FEAR(恐怖)」から2段階改善しています。ただし、もう一段改善して「EXTREAM GREED(過度の強欲)」になってきたら、米国株が目先天井をつける可能性が高まるので注意が必要です。
今後、米国株がピークアウトするケースでは、現在、好材料とされている「インフレ鈍化を示す経済指標(低調な指標)」が「景気懸念を強める悪材料」に転じることになると見ています。
なお、4月7日は、グッドフライデーで海外のほとんどの市場が休場となるなか、3月の米・雇用統計が発表されます。市場コンセンサスでは、非農業部門雇用者数で前月比25万人近くの増加が見込まれています。また、平均時給は前年同月比4.3%増と、2021年7月以来最も小幅な伸びになると予想されています。
5月2日〜3日開催のFOMCの前に発表される雇用統計は、この3月分が最後となります。5月の会合に関しては「0.25%利上げ継続」と「金利据え置きで、前回の3月会合で利上げはいったん終了」とで市場での見方が分かれているようです。ですが、いずれにせよ、利上げのゴールは近いと見てよさそうです。
日経平均株価は「5日移動平均線を下回り、
かつ5日移動平均線自体が下降する」までリバウンドが継続
一方、好調な米国株に連れ高する格好で、日経平均株価も堅調に推移しています。
なお、日本独自の株高要因としては、東証が3月31日、PBRが1倍を下回る上場企業などに、株価水準を引き上げるための具体策を開示・実行するよう要請したことが挙げられます。東証はプライムとスタンダードの2市場に上場する約3300社に対し、資本コストや株価を意識した経営に取り組むよう求める通知文を出しました。2市場でPBRが1倍未満の企業は直近の終値ベースで約1800社と全体の5割強を占めるそうです。今回の東証の要請効果により、4月3日の東京株式市場では、資本収益性の向上を期待する買いが、低PBRのバリュー株に入り、日経平均株価などの株価指数を押し上げました。
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日経平均株価に関しては、3月16日の2万6632.92円を起点にした自律反発相場が継続していると見ています。4月4日の終値は2万8287.42円と、5日移動平均線(4日時点で2万8036.75円)を上回り、かつ5日移動平均線自体が3月22日以降10日連続で上昇中のため、「短期的な上昇トレンド」が継続中と見ています。
一方、4月4日時点で25日移動平均線(同2万7726.86円)が、3月28日以降6日連続で上昇中、また75日移動平均線(同2万7226.30円)も3月29日以降5日連続で上昇中のため、「中期的な上昇トレンド」も発生していると見ています。
結論として、今後「日経平均株価が5日移動平均線を下回り、かつ5日移動平均線自体が下降する」までは、現在発生している「リバウンド」は継続すると考えています。
良好な投資環境が続く限り、積極的に「非製造業」
「資源・エネルギー関連」「PBR1倍割れ銘柄」を狙え!
ところで、4月3日に発表された日銀短観(3月調査)によれば、世界経済の減速で「モノ」の動きが鈍り続け、大企業のDI(業況判断指数)は製造業がプラス1と5四半期連続で悪化しました。一方で、コロナ禍の収束に伴う経済再開で、国内サービス業の業況改善が続き、非製造業のDIはプラス20と4四半期連続で改善しています。このため、当面の物色対象は「非製造業」が主役になると見ています。
また「OPECプラス」の一部が4月2日、5月から年末まで自主的に追加減産すると表明したことで、3日のWTI原油先物の期近の5月物は上昇し、一時は81.69ドルと1月下旬以来の高値を付け、最終的に前週末比4.75ドル(6.28%)高の1バレル80.42ドルで取引を終えました。このため、資源・エネルギー関連株も人気化する見通しです。
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そして、前述した通り、東証の要請を受けて低PBRのバリュー株、とりわけ1倍割れ銘柄にも物色の矛先が向かうと思われます。
いずれにせよ、良好な投資環境が続く限り、積極的に市場参加して、収益獲得を目指すことをおすすめします。
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