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日経平均株価は、SQがある6月9日前後に上昇トレンド
終了か!? ただし「5日移動平均線を下回る&5日移動平
均線が下向きになる」までは“順張り継続”がベスト!

2023年5月23日公開(2023年5月23日更新)
藤井 英敏
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 日経平均株価が非常に強い動きを続けています。先週末5月19日の日経平均株価の終値は3万808.35円と、2021年9月14日につけたバブル経済崩壊後の高値である3万670.10円を上回り、1990年9月以来、実に33年ぶりの高水準にまで上昇しました。5月19日時点で、2023年に入ってからの時価総額の増加額を米ドル建てで比較すると、日本が4000億ドル増と中国の約2倍となったそうです。

 そして、週明け5月22日の日経平均株価は8日続伸し、終値は前週末比278.47円(0.90%)高の3万1086.82円と、1990年7月26日の3万1369.75円以来、約33年ぶりの高値をつけました。なお、翌23日は前日比129.05円(0.42%)安の3万957.77円と下落しました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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海外投資家の「買いが減少」あるいか「売りに転換」するまで
現在の日本株の力強い上昇は継続する見通し!

 需給面での日本株上昇の牽引役は、やはり海外投資家です。5月第2週(8〜12日)の投資部門別売買動向を見ると、海外投資家は現物株を5658億円買い越しました。7週連続の買い越しとなり、7週間の買い越し額は累計で2兆8842億円となります。

 また、海外投資家は株価指数先物にも買いを入れており、現物株と先物の合計では、5月第2週まで6週連続で買い越し、その額は累計4兆2724億円にも達しています。海外投資家は、FOMO(Fear of Missing Out:取り残されることへの恐れ)に襲われて、日本株を買い続けているようです。

 一方、個人投資家は、5月第2週に現物株を3054億円売り越しました。売り越しは5週連続で、5週間に累計1兆3726億円を売り越しました。また、国内法人は7週連続で売り越し、7週間で累計1兆5526億円売り越しました。このように、個人投資家と国内法人の売りを海外勢が吸収するという需給関係が続いています。

 今後については、海外投資家の買いが細ったり、売り転換するまでは、日本株の力強い上昇が継続する見通しです

 一般的に、海外投資家は「順張り」を好み、国内投資家、とりわけ個人投資家は「逆張り」を好むとされています。恐らく現在、多くの個人投資家は「相場が下がったら、買いたいと思っているものの一向に下がらないので、現在の上昇を指を食えて眺めているだけ」の、まさに「押し目待ちに押し目なし」の状況と推察されます。ただし、短期的な値動きに一喜一憂しないで、東証プライム市場の優良大型株を長期スタンスで保有し続けている個人投資家のここ最近のパフォーマンスは、非常に良好でしょう。

大型株の動向を示す日経平均株価とは対照的に、
中小型株の動向を示す東証マザーズ指数は低迷が続く

 大型株の動向を示す日経平均株価とは対照的に、中小型株の動向を示す東証マザーズ指数は低迷を続けています

 5月22日の東証マザーズ指数の終値は752.90ポイントでした。東証マザーズ指数は、2022年6月20日の607.33ポイントで底打ちしましたが、2020年10月14日の1368.19ポイントと比較すると、依然として615.29ポイント(44.97%)も下回った水準です。ここ3年間の騰落率で見ても、下のチャートのように日経平均株価が約35%上昇しているのに対して、東証マザーズ指数は約25%も下落しています。

■東証マザーズ指数と日経平均株価の騰落率の比較/週足・3年
東証マザーズ指数と日経平均株価の騰落率の比較/週足・3年東証マザーズ指数と日経平均株価の騰落率の比較(3年前を100として比較)/週足・3年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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 東証マザーズ指数は、信用取引を活発に使用した回転売買を好む、短期スタンスの「アクティブ個人」が感じる「相場の体感温度」を計る体温計と言われています。よって、多くの「アクティブ個人」は、日経平均株価が非常に強い動きを続けているにもかかわらず投資マインドが冷めたままで、かつ投資パフォーマンスも振るわない状況が続いていると推察されます。

 また、私の周りで先物取引を行っている友人の多くは、日経平均株価がここまで強い動きとなることは想定外だったようで、売り建て(ショート)から入り、かつ逆張り的に売り上がってしまった結果、多額の評価損に苦しんでいるようです。

 日経平均株価の2023年3月9日の高値は2万8734.79円、4月4日の高値は2万8287.42円でした。恐らく、多くの売り方は「上値メドは2万8000円程度」と判断して売り上がったのでしょう。しかし、現在の日経平均株価は、2万8000円から約3000円も上の水準で推移しています。

 ちなみに、現在の先物の中心限月は6月限で、その先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出日は6月9日です。当然のことながら、先物市場の需給は「圧倒的に買い方有利、売り方不利」の状況です。このため先物市場では、ピンチが続いて瀕死の売り方をイケイケドンドンの買い方がSQまで攻め続ける可能性が高いと考えます。よって、4月下旬から始まった今回の上昇トレンドの転換点は、SQ算出日の6月9日前後になるのではないかと見ています

 SQ前に日経平均株価が急落し、6月限の先物の売り方が助かるには、何らかの想定外の悪材料が発生して「世界同時株安」が起こることが必要と考えています。逆に言えば、そのような異常事態にならない限り、少なくとも6月限の多くの売り方は、無傷では済まないでしょう。

 もちろん、4月下旬以降の日経平均株価は一本調子で上昇しており、過熱感は否めません。このため、6月9日前後に今回の上昇トレンドの終了を示すなんらかの兆候が出始めたら、それなりの規模の調整が発生することになるとも見ています。

「債務上限引き上げ問題による米国市場の混乱」をきっかけに
日経平均株価が短期的な「スピード調整」に入るリスクも!

 テクニカル的に見ると、5月23日の日経平均株価の終値は3万957.77円と、5日移動平均線(23日現在3万704.09円)、25日移動平均線(同2万9261.63円)、75日移動平均線(同2万8193.88円)、100日移動平均線(同2万7776.78円)、200日移動平均線(同2万7721.24円)をすべて上回っています。また、4月17日から5月23日まで、25日移動平均線は24日連続で上昇しており、中期の上昇トレンドが継続中です。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 今後については日経平均株価が5日移動平均線を下回り、かつ5日移動平均線自体が下向き」になるようだと、それは「短期的な調整入り(スピード調整入り)」のサインとなりますが、そうなるまでは現在の上昇トレンドが継続すると見ています

 調整入りのきっかけとなる可能性が高いと考えられるのは、引き続き「債務上限の引き上げ問題を主因にした米国の金融市場の混乱」です。

 バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長は、現地時間の5月22日午後にホワイトハウスで、米国のデフォルト(債務不履行)回避に向けて債務上限を巡る協議を行いました。協議終了後、マッカーシー議長は「まだ妥結に至っていない」と語ったものの、合意に達するまでバイデン大統領と毎日協議する見通しだと述べたそうです。一方、バイデン大統領は会談後の声明で「デフォルトは選択肢になく、誠意を持って超党派の合意に向かうのが唯一の道であるとの点を、我々はあらためて確認した」としました。

 このように、妥結に向けて双方が歩み寄りを見せているので、デフォルトリスクはやや低下していると見てはいます。

 ただし、本当に双方が妥結し、その後、議会で法案が正式に成立するまでは、予断を許せません。また、仮に法案が成立してデフォルトが回避されたとしても、2011年8月の「米国債ショック」のように、法案成立後の格付け機関による米国債の格付け見直しをきっかけに、市場が動揺するリスクも注意しておく必要があります。

 とはいえ日経平均株価が5日移動平均線を上回り、かつ5日移動平均線自体が上向き」の間は、現在の上昇トレンドに乗り続けるしか選択肢はないと思っています。よって、当面は発生中の上昇トレンドを友達にして、投資収益の最大化を図ることおすすめします。
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