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現行のF2戦闘機の後継となる最新鋭の「第6世代戦闘機」を
日本、イギリス、イタリアの3カ国で共同開発することを決定!
政府は、2018年12月に公表した「中期防衛力整備計画(2019年度~2023年度)」において、「(次期戦闘機は関しては)国際協力を視野に、我が国主導の開発に早期に着手する」と述べ、F2戦闘機の後継となる次期戦闘機の国産化が決定したことを明らかにしました。
その方針のもと、政府は2022年12月、次期戦闘機をイギリス、イタリアと共同で開発する「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP:ジーキャップ)」を公表しました。
日英伊の3カ国でコストやリスクを分担しながら共同開発される次期戦闘機は、F-22やF-35などの「第5世代戦闘機」を超える「第6世代戦闘機」で、高度なステルス性やセンサー、ネットワーク機能を搭載。さらに、戦闘支援を行う無人機を随伴し、偵察や攻撃に活用するようです。計画では2030年に初号機を製造し、F2戦闘機の退役・減勢が始まる2035年頃から導入が開始される予定となっています。
「次期戦闘機」の第三国への輸出解禁が決定したことで、
今後の3カ国間の協議で日本側の意見が通りやすくなる状況に
3カ国での共同開発にあたり、課題となっていたのが「次期戦闘機」の第三国への輸出問題です。
日本は、1967年に政府が表明した「武器輸出三原則」以来、殺傷力のある防衛装備品の輸出を事実上禁止してきました。2014年、安倍内閣が「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」を決定し、防衛装備品の輸出規制を緩和しましたが、他国と共同開発した防衛装備品に関しては規定がなく、第三国への輸出は認められていませんでした。
次期戦闘機を第三国へ輸出できるようになれば、生産数が増加し、それだけコストを下げることができるため、共同開発を行うイギリスとイタリアからは輸出を解禁するよう求められていました。もし、日本だけ輸出ができないということになれば、開発における作業分担交渉などで日本が不利益を被る可能性があります。
そうした状況を踏まえ、自民、公明両党は、2024年3月15日の政調会長会談において、国際共同開発した武器の完成品輸出について、次期戦闘機に限り、輸出先を絞るなどの歯止めを設けて輸出を容認することで合意しました。このルール改正により、今後本格化する開発企業間の協議でも、日本側の意見が反映されやすくなることが期待されます。
そこで今回は「次期戦闘機」関連の銘柄に注目しました。
次期戦闘機の共同設計に参加する日本企業の中核となるのが三菱重工業(7011)で、その他に、IHI(7013)がエンジン、川崎崎重工業(7012)とSUBARU(7270)が機体、三菱電機(6503)が電子線装備を制御するミッションシステム、NEC(6701)と富士通(6702)、東芝がレーダーなどの電子機器の開発にそれぞれ参加するようです。
しかし、これらの防衛大手の企業については改めて解説する必要性は低いと考え、今回は防衛装備品の生産に関わる業界団体である日本防衛装備工業会(JADI)に加盟している企業のなかから、「次期戦闘機」関連として取り上げられる可能性が高い企業をピックアップ。さらに、株価やチャート形状などのテクニカル面や流動性を考慮して銘柄を選定しました。
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【イーグル工業(6486)】
航空エンジン用のシール(密封装置)を幅広く手掛ける
イーグル工業(6486)は、航空機用エンジン向け製品として、1966年に開発した防衛庁のJ47エンジンのギアボックスシールをはじめ、メインシャフトシールなど各種エンジンシールやF-15、P-3Cなどの機体用シールなどを手掛けています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが続いており、足元で2023年9月の高値1854円を回復。さらなる高値更新となれば、次は2017年11月につけた高値2304円がターゲットとして意識されそうです。
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【沖電気工業(6703)】
横河電機からの事業取得により、航空機装備品市場へ新規参入
沖電気工業(6703)は、防衛関連事業で培った技術の民間市場への適用と、民間市場で強みを持つ各種技術の防衛市場への適用を継続的に進めることを成長戦略としています。その一環として、2022年4月に横河電機(6841)の航空機用計器事業を取得。航空機コックピット用のフラットパネルティスプレイなどを手掛ける事業を取得したことで、新たに航空機装備品市場への参入を果たしました。株価は年初からリバウンドが続き、足元で上向きで推移する13週・26週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成。直近で2023年9月につけた高値1188円を回復したことで、次は2019年11月につけた1652円が意識されます。
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【日清紡ホールディングス(3105)】
防衛などの分野でレーダー用電子管と周辺機器を手掛ける
日清紡ホールディングス(3105)は、2022年に新日本無線とリコー電子デバイスの統合により誕生したグループ会社・日清紡マイクロデバイスが、防衛、気象、海上、陸上の各分野でレーダー用電子管と周辺機器を提供しています。株価は、2月9日に1361円まで急伸した後に急落するなど荒い値動きを見せていましたが、26週移動平均線までの調整を経て、直近で13週移動平均線まで回復。ここからのさらなる上昇が期待されます。
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【日本アビオニクス(6946)】
戦闘機用レーダーシステムやミサイル発射管制装置などを手掛ける
日本アビオニクス(6946)は、陸上自衛隊と海上自衛隊、航空自衛隊に防衛装備品を提供しています。戦闘機関連では、これまでにF-15戦闘機用のAPG-63レーダーシステム構成品や、航空機搭載用ミサイル発射管制装置などを手掛けた実績を持ちます。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが継続。13週移動平均線辺りでの押し目を狙いたいところでしょう。
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【バルカー(7995)】
戦闘機用合成ゴムパッキンや航空機向けシールを扱う
バルカー(7995)は産業用シール製品の大手で、工業用ガスケットやフッ素樹脂、高機能ゴムなどを手掛けています。戦闘機関連としては、戦闘機用合成ゴムパッキンや航空機向けシール、電気絶縁用チューブなどを扱っています。株価は、13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドにより、足元で1990年以来となる5000円の大台を回復しました。1990年8月につけた高値7950円が意識されるなか、押し目狙いのスタンスで。
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【東京計器(7721)】
敵のレーダーの種類や方向などを瞬時に測定・分析する警戒装置を展開
東京計器(7721)は、F-15J戦闘機など航空自衛隊向けの電子機器として、飛行中に相手から照射されるレーダーの種類や方向などを瞬時に測定・分析し、状況の認識を支援するレーダー警戒装置などを提供。さらに、海上自衛隊や陸上自衛隊向け電子機器も手掛けています。株価は、上向きで推移する13週移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドが継続。短期的には過熱感が意識されますが、長期的に見るとようやくボトム水準から上放れてきたところであり、押し目狙いのスタンスで注目しておきたい銘柄です。
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以上、今回は「次期戦闘機」関連銘柄を発掘しました。
なお「第6世代戦闘機」の開発により、「防衛」関連銘柄に関しても、これまの火薬・弾薬など火工品を扱う企業から、センサーやネットワーク機能などを手掛ける企業などへ物色の対象が変化してくる可能性があるので、そちらもチェックしておくといいでしょう。
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