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5月3日に発表された米・雇用統計が低調だったことで
米・長期金利が低下して、米国株が上昇基調に!
米国の株式市場が堅調に推移しています。5月6日のNYダウは4日続伸し、前週末比176.59ドル(0.45%)高の3万8852.27ドル、また、ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同192.92ポイント(1.19%)高の1万6349.25ポイントでした。
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米国株が上昇している主な要因は、5月3日に発表された4月の米・雇用統計が低調だったことを受けて「FRBの利下げ開始が一段と先送りになる」との観測が後退し、米・長期金利が低下していることです。
5月6日のNY債券市場で長期債相場が4日続伸し、米国10年債利回りは前週末比0.03%低い4.48%で取引を終えました。
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5月6日は、NY連銀のウィリアムズ総裁とリッチモンド連銀のバーキン総裁の発言が債券と株式の買い材料となりました。ウィリアムズ総裁は、具体的な日程については明確な見通しを示さなかったものの「私たちは最終的には利下げをするだろう」と述べました。一方、バーキン総裁は「現行の景気抑制的な金利水準が需要を抑制できると、私は楽観している」「金利上昇の本格的な影響はこれから表れる」などと述べました。
4月の米・雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で17万5000人増と、市場予想の24万人増を大幅に下回りました。また、平均時給は前月比の上昇率が0.2%と市場予想の0.3%以下となり、失業率は前月に比べ0.1ポイント高い3.9%となりました。
この4月の米・雇用統計の結果を受け、市場では、コロナ禍後の米国の労働市場の過熱感が和らいでいるとの見方が強まっています。2023年から急増した移民の流入が、人手不足を和らげていると見られます。米国の議会予算局(CBO)は、2024年も通常の3倍となる300万人超の移民が米国内に入ると予測しているため、米国では、雇用情勢が減速傾向を保っていく可能性が高そうです。
ドル円相場は為替介入以降、激しい値動きが続いているが、
米・長期金利の低下傾向もあって円安は一服する見通し
このような状況下、5月3日のNY外国為替市場で円が対ドルで上昇し、一時1ドル=151円台と、4月10日以来の円高・ドル安水準をつけました。低調な雇用統計の結果を受けて、米国10年債利回りが低下し、一時4.4%台と4月10日以来の低水準をつけたことがきっかけとなったようです。
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市場では、4月29日と5月1日に日本政府・日銀が円買い為替介入に動いたと観測されています。そのため、海外投機筋の仕掛け的な円売りと、日本政府・日銀の円買い為替介入の激しい攻防となっており、ドル・円相場はボラタイル(値動きの激しい)な動きを続けています。
ただし、足元で米・長期金利が低下傾向であり、金利面からドルを買い上がる理由がなくなりました。このため、円安は一服する見通しです。そして、ドル・円相場のボラティリティも徐々に低下し、落ち着いた値動きになっていくと見ています。
ちなみに、神田真人財務官は5月7日「過度な変動、無秩序な動きには適切な対応を続ける」「(為替介入の有無については)コメントすることは普通ではない」「マーケットが健全に機能していれば政府が介入する必要はない」「日銀を含む各国の中央銀行とは緊密に意思疎通を図っている」などと、財務省内で記者団の取材に対して述べました。
これらの神田真人財務官の発言から、今後、投機筋が対ドルで過度な変動を伴う円安誘導を行った場合、日本政府が米国政府と協力し、それを阻止する可能性が高いと見てよさそうです。よって、当面は4月29日につけた1ドル=160円22銭を超える円安にはならないと考えます。
GW明けの日経平均株価は米国株の影響で上昇したが、
値動きが激しくなりがちな決算銘柄には要注意!
日本がゴールデンウィーク中、米国の株式市場が強い動きだったことで、連休明けとなる5月7日の日経平均株価は大幅高でスタートし、最終的に前日比599.03円(1.57%)高の3万8835.10円で終えました。
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ただし、日本に関しては、5月15日まで決算ラッシュとなります。具体的には、9日に271件、10日に701件、13日に457件、14日に594件、そして15日に578件の決算が発表される予定です。このため、15日までは「決算発表直後の急騰・急落を狙う決算プレイ」を中心に個別株の物色が鮮明になる見通しです。
特に最近は、アルゴリズム取引(コンピューターによる自動かつ超高速な取引)が存在感を増したことで、株価の値動きが一段と激しくなっているように感じます。腕に覚えのある方はともかく、投資初心者はくれぐれも「決算プレイ」で短期的な収益を獲得しようとしないでください。初心者がそこに飛び込むと、短時間で致命的な損失を出す可能性が非常に高いからです。
決算発表直後に激しく動いた株価は、多くの場合、数日後にボラティリティが低下し、値動きが落ち着いてきます。エントリーはそのタイミングまでじっくり待ちましょう。
日経平均株価は3万6733~4万1087円のボックス相場で推移し、
ボックスの下限を割り込む可能性は非常に低い!
日経平均株価に関しては、3月22日の4万1087.75円でピークアウトして、4月19日の3万6733.06円でボトムアウトしたというのがメインシナリオです。つまり、当面の間は「3万6733.06~4万1087.75円のボックス相場」を想定しています。
このボックスの中間値は3万8910.41円です。この中間値から上に離れれば離れるほど売り圧力が強まり、逆に、下に離れれば離れるほど買い圧力が強まっていくと見ています。
なお、現時点において、ボックスの下限である3万6733.06円から下に抜けて底割れするリスクは非常に低いと見ています。その主因は、米国経済が信じられないくらい強いからです。米国経済が強いならドル円相場が強烈に円高に振れる可能性が低く、円安基調は維持される見通しです。そして、その円安がわが国の輸出企業の収益改善に寄与し、インバウンド消費を喚起し、輸入物価の上昇を通じてわが国経済の脱デフレ化を促進することが期待できます。
つまり現在は、日本経済のインフレ化に向けて、あとは実質賃金の上昇が実現することを待つだけの状態なのです。このような良好な状況のため、日本株の押し目は積極的に買うべきと考えています。
ちなみに、日銀短観(3月調査)を見ると、事業計画の前提となっている想定為替レート(全規模・全産業)は、2024年度が1ドル=141円42銭(上期141円60銭、下期141円25銭)、1ユーロ=151円86銭(上期151円99銭、下期151円73銭)です。よって、今後、想定為替レートを下回るような円高にならない限り、日経平均株価が底割れする可能性は極めて低いと見てよいでしょう。
決算ラッシュ最終日の5/15まで、決算発表後に
「窓空け」や「長大陽線」を見せた銘柄が狙い目!
最後に、決算ラッシュ最終日の5月15日までの日本株の投資戦略としては、「決算プレイ」は避けることは当然として、決算発表後にチャート上で「窓」を空けて上昇したり、「長大陽線(上ヒゲと下ヒゲのなく、上下に長い陽線)」となった銘柄をメインの分析対象にしましょう。なぜならば「窓空け」や「長大陽線」は、市場が高く評価した証の可能性が高いからです。
そして、それら市場が高評価した銘柄のうち、あなたが決算内容を十分に吟味した上で「この銘柄にぜひ投資したい」と思える銘柄の株価が落ち着くタイミングを待ちましょう。そして、予想通り落ち着いてきたら、押し目を丁寧に拾っていくことをおすすめします。
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