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今週の日経平均株価は、一時4万円の大台を回復したものの
その後は米国の経済指標や次期トランプ政権への不安感の影響で下落
今週(1月6〜10日)の日経平均株価は下落し、最終的に2024年の大納会(12月30日)の終値3万9894.54円より704.14円(1.77%)安い3万9190.40円で終えました。
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名実ともに2025年相場がスタートした1月6日の大発会は、一時4万円に迫る場面も見られましたが買いが続かず、利益確定の売りに押される形から587.49円安の3万9307.05円で取引を終えました。日銀が1月の金融政策決定会合で利上げを実施するとの思惑から国内の長期金利が上昇したことが重荷となったほか、次期トランプ政権の政策に対する不安感なども売りに向かわせました。
1月7日は、前日6日の米国市場でエヌビディア(NVDA)やマイクロン・テクノロジー(MU)などの半導体株が買われた流れを引き継ぎ、東京市場でも東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)などが買われ、日経平均株価は一時4万288.80円まで上昇しました。
しかし、米国時間の1月7日に発表された12月の米ISM非製造業景況指数が予想を上回る結果だったことから「米・連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化する」との観測が強まり、翌8日の日本市場では株価の重荷となりました。
1月9日は「トランプ次期米大統領が新たな関税プログラムを導入するため、国家非常事態宣言を検討している」との報道が警戒視され、日経平均株価は続落。
週末の1月10日は、前日9日の米国市場がカーター元米大統領の服喪の日で休場となり、海外投資家の資金流入が限られたことに加え、米国時間の10日に12月の米・雇用統計の発表が控えていることから持ち高調整の動きが優勢となり、一時は3万9166.05円まで下げる場面も見られました。
来週の日経平均株価は、1月10日発表の米・雇用統計や
米PPI・CPI、米国の大手金融の決算の影響を受けやすい相場環境に
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万8900 ~ 4万円
来週(1月14〜17日)の日経平均株価は、10日発表の米国の雇用統計の結果を受けた米国市場の流れを引き継ぐ形で始まるでしょう。その後も14日に12月の米・卸売物価指数(PPI)、15日に米・消費者米物価指数(CPI)の発表が予定されており、これらの結果を受けた「FRBによる追加利下げペースに対する観測」が相場に影響を与えそうです。
また、来週はシティグループ(C)やゴールドマン・サックス・グループ(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)、モルガン・スタンレー(MS)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)といった大手金融の決算発表が予定されています。そのため、週を通じて米国市場の動向が注目されます。さらに、翌週1月20日にトランプ次期米大統領の就任式を控えていることも、積極的な売買を手控えさせそうです。
テクニカル面を見ると、日経平均株価は1月10日の下落により、これまで下値支持線として機能していた25日移動平均線を割り込みました。方向性としては75日移動平均線が位置する3万8910円辺りまでの下落が意識される可能性もあり、投資家心理を神経質にさせそうです。ただし、直近の調整は市場参加者が限られるなかでの持ち高調整と考えられるため、押し目狙いの買いも意識されやすいでしょう。
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【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
テクニスコが+85.49%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはテクニスコ(2962)。半導体株への物色が強まるなか、ストップ高を交えて上昇しました。MBOにより独立はしていますが過去にはディスコ(6146)子会社だったこともあり、ディスコの強い上昇が支援材料になった面もありそうです。
値上がり率2位のファンデリー(3137)は、1月6日に「ファン株主2万人構想」に向けてファンコミュニティ構築の取り組みを開始すると発表。株主試食会イベントや株主優待制度の開始、株主アンケートの実施、管理栄養士による健康セミナー(株主懇親会)などを通して流通株式比率の増加に取り組むようです。
値上がり率3位のレナサイエンス(4889)は1月6日、悪性黒色腫治療薬「RS5614」の第3相医師主導治験について、東北大学病院の治験審査委員会から実施が承認されたと発表したことが材料視されました。
一方、今週の値下がり率ランキングの1位はブランディングテクノロジー(7067)でした。2024年末には日本アジア投資と資本業務提携したとの発表を手掛かりに急騰しましたが、年明け以降は換金売りの流れが強まりました。
値下がり率2位のフォルシア(304A)は、2024年12月26日にIPO(新規上場)し、30日には5400円まで買われましたが、年明け以降は利益確定の売りが優勢になりました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +85.49 | テクニスコ(東S・2962) |
2 | +66.36 | ファンデリー(東G・3137) |
3 | +55.56 | レナサイエンス(東G・4889) |
4 | +50.63 | BTM(東G・5247) |
5 | +46.60 | EduLab(東G・4427) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −42.00 | ブランディングテクノロジー(東G・7067) |
2 | −33.89 | フォルシア(東G・304A) |
3 | −26.70 | 京極運輸商事(東S・9073) |
4 | −25.78 | 宮越ホールディングス(東P・6620) |
5 | −22.54 | オルトプラス(東S・3672) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 778,287,700 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
2 | 707,087,900 | NTT(東P・9432) |
3 | 499,889,900 | 大黒屋ホールディングス(東S・6993) |
4 | 319,195,100 | 日産自動車(東P・7201) |
5 | 309,895,500 | ソフトバンク(東P・9434) |
【来週の主要イベント】
米国のPPI・CPI、小売売上高、NY連銀景況指数、
ゴールドマンサックスやJPモルガンなど米国の大手金融の決算に注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<1月13日(月)>
◆成人の日
◆中12月貿易収支
◆印12月消費者物価指数(CPI)
◆米12月月次財政収支
<1月14日(火)>
◆決算:東宝(9602)、Sansan(4443)、パソナグループ(2168)
◆11月国際収支/経常収支/貿易収支
◆12月景気ウオッチャー調査
◆米12月卸売物価指数(PPI)
<1月15日(水)>
◆決算:トゥエンティーフォーセブン(7074)
◆英12月消費者物価指数(CPI)
◆英12月小売物価指数(RPI)
◆欧11月鉱工業生産
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米1月ニューヨーク連銀製造業景気指数
◆米12月消費者物価指数(CPI)
◆決算:シティグループ(C)、ゴールドマン・サックス・グループ(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)
<1月16日(木)>
◆12月国内企業物価指数
◆独12月消費者物価指数(CPI)改定値
◆英11月月次国内総生産(GDP)
◆欧11月貿易収支
◆米12月小売売上高
◆米1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数
◆決算:モルガン・スタンレー(MS)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)
<1月17日(金)>
◆阪神・淡路大震災から30年
◆中10-12月期四半期国内総生産(GDP)
◆中12月小売売上高
◆英12月小売売上高
◆欧12月消費者物価指数(HICP)改定値
◆米12月住宅着工件数
◆米12月建設許可件数
◆米12月鉱工業生産
◆決算:ステート・ストリート(STT)
【来週の注目銘柄】
「メック」「スカイマーク」「三井金属鉱業」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
メック(2025年1月10日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
化学 | 東P・4971 | 3660円 | 19.0倍 | 2.59倍 |
先端パッケージ基板向け製品の需要が堅調に推移 工業用の化学薬品メーカーです。半導体パッケージ基板の銅表面処理剤など、電子基板・部品を製造する際に用いる金属表面処理薬品を手掛けています。生成AI向けなど先端パッケージ基板向け製品の需要が堅調に推移しているほか、パソコンやサーバー向けパッケージ基板やチップレットパッケージ基板の密着向上剤が伸びています。また、画像解析により、生産現場での異常検知やプロセス改善、工場DX、危険検知などを支援する画像認識AIソリューション「Pictel」を手掛けています。株価は、下向きで推移する13週移動平均線に上値を抑えられる形での下落が続いていましたが、1月に入って13週移動平均線を上抜け、26週移動平均線を捉えてきました。2024年5月の高値4740円をピークとした下落トレンドからの転換が期待されます。 |
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スカイマーク(2025年1月10日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
空運業 | 東G・9204 | 626円 | 8.9倍 | 1.69倍 |
双日が議決権ベースで5%の株式取得を発表 国内23路線・12都市に就航し、1日当たり約150便を運航する航空会社です。燃料費や航空機材のリース料、整備費などの大半は外貨支払いとなることから、円高は業績にプラスに、円安はマイナスに影響します。1月6日、双日(2768)がスカイマークの主要株主であるUDSエアライン投資事業有限責任組合から議決権ベースで5%の株式を取得すると発表。双日は自動車や航空機、インフラ、エネルギー、金属資源など幅広い分野においてグローバルに展開しており、今後の動向が注目されます。株価は、下向きで推移する13週移動平均線に上値を抑えられる形での下落が継続していましたが、双日の同社株取得を受けてリバウンドし、13週移動平均線を突破。上昇トレンドへの転換に期待したいところです。 |
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三井金属鉱業(2025年1月10日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
非鉄金属 | 東P・5706 | 4524円 | 5.5倍 | 0.83倍 |
データセンター向けを中心に銅箔の好調な需要が継続 金属製錬、電子材料製造、自動車部品製造を主要事業とする大手非鉄金属メーカーです。銅箔が、データセンターなど情報通信インフラ向けを中心に長期的な需要増加が見込まれます。今後の成長は大半がメモリー向けと予測されていますが、その他にも車載モジュール向けやウェアラブル機器向けプロセッサーへの採用拡大も期待できます。また、高周波通信インフラ向け銅箔についても、生成AIの普及によりデータ通信量が増加し、高速化のニーズが高まるなか、今後の需要増が見込めます。株価は、2024年9月27日につけた戻り高値5156円をピークに調整が続いていましたが、足元でリバウンドの動きを見せ、13週・26週・52週移動平均線を突破。さらなる上昇を狙いたいところでしょう。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒【米国株】2025年の「S&P500」の値動きを予想!「トランプリスクで年前半は低迷も、企業収益の上昇などを背景に年末に向けて最高値を更新」がメインシナリオ
⇒「BIM」関連銘柄を紹介! 国も普及を進める「BIM」は建築や土木工事の設計・施工・維持管理を効率化して、人手不足や時間外労働なども解決する要注目のIT技術
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