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トランプ大統領の就任式や日銀の金融政策決定会合を経て
日経平均株価は上昇し、一時は「4万円」の大台を回復!
今週(1月20〜24日)の日経平均株価は上昇。週末の24日には一時4万279.79円まで買われ、最終的に先週末と比べて1480.52円(3.85%)高い3万9931.98円で終えました。
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前週末の1月17日に、大統領就任前のトランプ氏と中国の習近平国家主席が電話会談を実施。米中摩擦に対する警戒感が和らいだことが好感され、週明け20日の日経平均株価は上昇しました。
1月20日の米国市場はキング牧師の生誕日で休場だったことから市場参加者は限られていましたが、トランプ氏の大統領就任後、予告されていた中国に特化した関税導入が見送られたほか、すべての国に対する10~20%の一律関税も発動しなかったことが安心感につながり、翌21日の日経平均株価は続伸しました。
さらに、米国時間の1月21日にトランプ大統領が「ソフトバンクグループ(9984)とオープンAI、オラクル(ORCL)の3社が中心となり、今後4年間で米国内のデータセンターなど人工知能(AI)関連のインフラ整備に5000億ドル(約77兆円)を投資する」と発表。これが刺激材料となり、翌22日はソフトバンクグループが大きく買われたほか、ハイテク株が上昇し、日経平均株価を押し上げました。
その後、週の後半は、日銀の金融政策決定会合の結果を見極めたいムードから慎重になる場面もありましたが、追加利上げが織り込まれていたこともあって、結果判明後の「アク抜け(悪材料の出尽くしによる下げ止まりや上昇)」期待からの買いが優勢となり、1月23日には一時4万円台を回復。
翌1月24日は先回り的な動きから前場に4万254.64円まで買われ、後場に金融政策決定会合の結果が判明した直後には、一時4万279.79円まで上げ幅を広げました。その後は、植田日銀総裁の会見内容を見極めたいとする思惑から利益確定の動きとなりましたが、日経平均株価は4万円近辺での底堅さが目立ちました。
来週の日経平均株価は、今週の上昇による過熱感には要警戒だが、
トランプ政権の政策を手掛かりとした押し目買いに期待!
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万9000 ~ 4万1000円
来週(1月27〜31日)の日経平均株価は、短期的な過熱感から利益確定の動きが入りやすいものの、基本的にはトランプ政権の政策内容を手掛かりとした押し目買い意欲の強い相場展開になりそうです。一般的に、大統領就任から100日間は「ハネムーン期間」としてネガティブな報道が手控えられるため、AI関連などプラス面を評価した物色が継続しそうです。
また、来週は1月28~29日に開催される米・連邦公開市場委員会(FOMC)に関心が集まりやすいでしょう。次回FOMCでは利下げが見送られると広く予想されていますが、トランプ大統領は「自身の方が金融政策をよく理解している」と主張し、FRBに金利引き下げを求めています。実際に利下げが実施されるようだと、トランプ氏の発言に対して市場は一段と敏感に反応することになりそうです。
日経平均株価については、今週の上昇によりテクニカル面での過熱感が警戒されています。利益確定の売りが入りやすいとも考えら、押し目買いを狙いたいところでしょう。
そのほか、1月23日に決算を発表したディスコ(6146)とニデック(6594)が24日に弱い値動きを見せましたが、今後、決算発表が本格化してくることから決算内容を見極めたいムードが高まりやすいです。
個別銘柄に関しては、決算を手掛かりとした日替わり的な物色に向かいやすいことに加え、トランプ大統領の言動で値上がりする「トランプトレード」に期待したいところです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
ReYuu Japanが+90.30%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはReYuu Japan(9425)でした。明確な手掛かり材料は確認できませんでしたが、これまで300円前後で流動性の低い相場が続いていたなか、今週に入って出来高が急増し、ストップ高を交えての上昇となりました。値動きの軽さから、短期的な値幅取り狙いの資金が集中したと考えられます。
値上がり率2位はレナサイエンス(4889)。1月22日に、ノースウエスタン大学長寿研究所の日本研究室を、東北大学レナサイエンスオープンイノベーションラボ(TREx)内に設立することを同研究所と合意したと発表したことが好感されました。
値上がり率3位のギグワークス(2375)も明確な材料は確認できませんでしたが、投機筋がトランプ関連の穴株として推奨したようです。株価は、2023年9月の250円辺りから同年10月半ばに1149円まで急伸しましたが、その後は長期に渡って下落が続いて上昇分を帳消しにしており、改めて仕切り直しのタイミングになったと見られます。
一方、今週の値下がり率ランキング1位のWill Smart(175A)は、先週急騰した反動から、今週に入って換金売りの流れになったようです。
値下がり率2位はグロースエクスパートナーズ(244A)ですが、こちらも先週の強い上昇に対する反動安の動きと考えられます。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +90.30 | ReYuu Japan(東S・9425) |
2 | +70.21 | レナサイエンス(東G・4889) |
3 | +63.68 | ギグワークス(東G・2375) |
4 | +63.12 | フィスコ(東G・3807) |
5 | +53.98 | テックポイント・インク JDR(東G・6697) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −25.54 | Will Smart(東G・175A) |
2 | −24.37 | グロースエクスパートナーズ(東G・244A) |
3 | −21.61 | AHCグループ(東G・7083) |
4 | −19.65 | Heartseed(東G・219A) |
5 | −16.88 | デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(東G・4576) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 948,055,800 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
2 | 639,122,700 | NTT(東P・9432) |
3 | 496,476,800 | 大黒屋ホールディングス(東S・6993) |
4 | 329,883,100 | ランド(東S・8918) |
5 | 265,464,700 | ソフトバンク(東P・9434) |
【来週の主要イベント】
米FOMCと欧ECB理事会、米・個人消費支出、米国のマイクロソフトと
テスラ決算、国内のアドバンテストとレーザーテックの決算に注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<1月27日(月)>
◆決算:コーエーテクモホールディングス(3635)、ファナック(6954)、日東電工(6988)
◆11月景気先行指数/一致指数改定値
◆中1月製造業購買担当者景気指数(PMI)
◆独1月IFO企業景況感指数
◆米12月新築住宅販売件数
◆決算:スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)
<1月28日(火)>
◆決算:日清製粉グループ本社(2002)
◆12月企業向けサービス価格指数
◆米12月耐久財受注
◆米11月ケース・シラー米住宅価格指数
◆米1月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
◆米1月リッチモンド連銀製造業指数
◆米連邦公開市場委員会(FOMC)
◆決算:ボーイング(BA)、ロッキード・マーチン(LMT)
<1月29日(水)>
◆決算:信越化学工業(4063)、サイバーエージェント(4751)、アドバンテスト(6857)
◆日銀金融政策決定会合 議事要旨
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米連邦公開市場委員会(FOMC)、政策金利発表
◆パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例会見
◆決算:IBM(IBM)、ラムリサーチ(LRCX)、マイクロソフト(MSFT)、テスラ(TSLA)
<1月30日(木)>
◆決算:オリエンタルランド(4661)、富士電機(6504)、キヤノン(7751)
◆独10-12月期国内総生産(GDP)速報値
◆英12月消費者信用残高
◆欧10-12月期四半期域内総生産(GDP)速報値
◆欧州中央銀行(ECB)政策金利
◆ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例会見
◆10-12月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値
<1月31日(金)>
◆決算:富士通(6702)、レーザーテック(6920)、商船三井(9104)
◆12月有効求人倍率
◆12月百貨店・スーパー販売額
◆12月鉱工業生産
◆独1月失業率
◆独1月消費者物価指数(CPI)速報値
◆米10-12月期四半期単位労働コスト速報値
◆米12月個人消費支出(PCE)
◆米1月シカゴ購買部協会景気指数
◆決算:インテル(INTC)、KLAコーポレーション(KLAC)
【来週の注目銘柄】
「TOWA」「デンカ」「カネカ」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
TOWA(2025年1月24日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
機械 | 東P・6315 | 2115円 | 17.9倍 | 2.69倍 |
生成AI向けの新しい半導体モールディング装置を開発 超精密金型をコア技術とし、半導体製造用の精密金型や半導体製造装置、ファインプラスチック成形品などを手掛けています。また、先端パッケージの技術に強みを持っており、2023年9月には、生成AI向けの高機能半導体の生産に対応した新しい半導体モールディング装置「YPM1250-EPQ」を開発。半導体のさらなる高機能化・高性能化によってチップの微細化が進んでいることに加え、トランプ政権による約77兆円という巨額のAI投資計画の影響もあって要注目です。株価は、2024年5月の高値4853円(分割考慮済み)をピークに下落が続いていましたが、12月19日の安値1390円をボトムにリバウンドに転じ、今週に入って13週移動平均線を突破。52週移動平均線(1月24日時点で2657.0円)が目先のターゲットになりそうです。 |
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デンカ(2025年1月24日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
化学 | 東P・4061 | 2186円 | 20.9倍 | 0.59倍 |
半導体・電子部品向け高機能フィルムの需要が回復傾向に 電子材料をはじめとした高付加価値のファインケミカル製品や半導体材料、放熱材料、電池材料などを製造。また、インフルエンザワクチンなども展開しています。電子・先端プロダクツ部門では、球状アルミナや球状シリカ、高機能フィルムに対して半導体・電子部品向けの需要が緩やかに回復を見せています。株価は、中・長期的には52週移動平均線に上値を抑えられる形で下落トレンドが続いています。しかし、11月11日につけた安値1993円をボトムに緩やかなリバウンドを見せており、足元で13週・26週移動平均線を突破。52週移動平均線突破から上昇トレンドへの転換を期待したいところです。 |
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カネカ(2025年1月24日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
化学 | 東P・4118 | 3731円 | 9.5倍 | 0.51倍 |
生分解性バイオポリマー「Green Planet」がスターバックスのストローの素材に採用 塩ビ樹脂で国内大手の一角です。2024年12月6日、海水中でも微生物などの働きで分解される生分解性バイオポリマー「Green Planet」が、国内のスターバックスのストローの素材に採用されたことを発表。また、次世代太陽光発電として注目されるペロブスカイト太陽電池技術を開発しています。株価は2024年8月初旬の暴落以降、ボトム圏での推移が続いていますが、足元のリバウンドで13週移動平均線を下値支持線に変え、26週移動平均線を突破。今後は52週移動平均線突破からの一段の上昇が期待できます。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
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