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日経平均株価は、2月16日の高値3万714.52円を天井にした調整局面が続いています。ピークアウト後の注目すべき「戻り高値」は、3月18日の高値3万485.00円と4月6日の高値3万208.89円でした。一方で「押し目」は、3月5日の安値28308.57円と3月24日の安値2万8379.06円、そして4月21日の2万8419.84円です。
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天井の高値と2つの「戻り高値」の平均値は3万469.47円、3つの「押し目」の平均値は2万8369.16円です。つまり、日経平均株価は2月16日以降、概ね2万8400円~3万500円のボックス相場を継続しています。
足元の日経平均株価に関しては、4月20日に、3月下旬の下落局面で下値支持線として機能した75日移動平均線を終値で割り込み、翌21日には一時2万8419.84円まで下落しました。この2万8419.84円を目先の底値にして、22日にはあっさり75日移動平均線を回復したものの、23日には再び75日移動平均線を割り込んで取引を終え、26日、27日ともに割り込んだままでした。また、20日に割り込んでしまった25日移動平均線については、そのまま27日まで下回り続けています。
2万8400円を明確に下回ると「下落トレンド」が発生するが、
現在のように米国株が強い間は日本株が大きく崩れるリスクは低い
日経平均株価がテクニカル的に調整を一巡させるためには、少なくとも25日移動平均線と75日移動平均線の両方を終値で上回ることが必要です。そして、25日移動平均線自体が明確に上向くようならば、売り方の買い戻しが加速することでしょう。そのケースでは前述したボックス相場の上限である3万500円付近までの戻りが見込めます。
一方、ボックス相場の下限の2万8400円を明確に下回るようだと「ボックス相場終了」となり、「下落トレンド」が発生すると見ています。
ただし、日経平均株価が「下落トレンド」に転換する際には、先に米国株が急落するばずだと見ています。しかしながら、4月26日のNYダウは前週末比61.92ドル安の3万3981.57ドルと反落したものの、ナスダック総合株価指数は続伸し、同121.968ポイント高の1万4138.776ポイントと2カ月半ぶりに過去最高値を更新しました。またS&P500種株価指数も続伸し、同7.45ポイント高の4187.62ポイントとほぼ1週間ぶりに過去最高値で取引を終えました。
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これだけ米国株が強いと、日経平均株価が大きく崩れる可能性は現時点では非常に低いと見てよいでしょう。
ただし、相場の一寸先は闇です。米国株を取り巻く環境が劇的に悪化して日経平均株価が大きく崩れても大丈夫なように、厳格な資金管理を心がけましょう。
そうは言っても、現時点の私の相場観としては、ゴールデンウィーク前までの日経平均株価については「概ね2万8400円~3万500円のボックス相場」を継続する確率がザックリ8割、「ボックス下限ブレイクから下落トレンドの発生」の確率が1割、「ボックス上限ブレイクから上昇トレンドの発生」の確率が1割です。
バイデン政権が提案するインフラ投資計画が
米国経済をさらに押し上げることに期待
なお、米国の株式相場に関しては、現時点で「死角」は見当たりません。なぜならば、米企業の業績が好調で、米国のマクロ経済の状況も良好だからです。さらに、FRBの金融政策スタンスに関して、「テーパリング」の表明を6月から9月のFOMCに先送りする可能性が高いとの見方が強まるなど、金融緩和の長期化が見込まれています。
まず、企業業績に関しては、調査会社のリフィニティブの4月23日の集計によると、主要500社のうち123社が発表を終え、そのうち85.4%の企業で1株あたり利益が市場予想を上回りました。これは、データが存在する1994年以降で最高の比率ということです。
喜ばしいことに、新型コロナウイルスのワクチン接種の普及により、米国の新規感染者数は著しく減っています。米国の疾病対策センター(CDC)によると、4月25日の1日あたりの新規感染者数は1月のピーク時の5分の1の水準で、米国の人口の4割強にあたる1億4千万人以上が少なくともワクチンを1回接種したのことです。このワクチン接種が普及するスピードの速さは、米国の経済正常化への強烈な追い風です。
このワクチン普及に加えて、3月12日に追加経済対策が成立し、家計への現金給付などが決まったことが景気回復を加速させています。さらに、バイデン政権が検討中の教育や医療・介護分野のインフラ投資計画「アメリカン・ファミリープラン」がさらに米国経済を押し上げる見通しです。
4月28日のバイデン大統領の施政方針演説にあわせ、計画の概要も公表するもようです。3月に発表したインフラ投資などを含めると、総額で4兆ドル規模に達すると見られており、これに関連する法案が今年の夏頃にも成立すると見られています。
今後、米国でキャピタルゲイン課税が実現しても
米国経済に対する悪影響は非常に少ない!?
ちなみに、このインフラ投資の財源は、富裕層や企業への増税です。具体的には、個人所得税の最高税率を現在の37%から39.6%に引き上げ、同時に年収100万ドル以上の富裕層のキャピタルゲイン課税の税率を現行の20%から39.6%へとほぼ2倍に高めると伝わっています。
当然のことながら、市場で最も関心が高いのは、キャピタルゲイン課税の税率です。流石に、39.6%まで引き上げられたら嫌気されることでしょう。ですが、ゴールドマンサックス(GS)やUSBグローバル・ウェルス・マネジメントは、引き上げの基本シナリオを28%と見ているそうです。この28%程度のレベルで着地するなら、市場が動揺することはなさそうです。
なお、投資情報誌のバロンズによれば、「米国株のたった25%は、キャピタルゲイン税を払う必要のある投資家に所有されています。残りの75%はキャピタルゲイン税を払う必要のない年金制度、その他の退職金口座、基金、外国人投資家によって保有されている」そうです。
また、米国家経済会議(NEC)のブライアン・ディーズ委員長は4月26日、今回の増税案は米国の納税者の0.3%に当たる約50万世帯にしか影響を及ぼさないとの見通しを示しました。
これらのことから、今回の増税が実現したとしても、米国株式市場の水準を大幅に押し下げたり、米国経済を悪化させたりする可能性は非常に低いと言えそうです。
ただし、日本株に関しては、今週からゴールデンウィークに突入します。また、2021年3月期の決算発表について、今年は大型連休後に発表する企業が多いため、多くの投資家は、ゴールデンウィークが明けるまで日本株を積極的に買うことはないでしょう。
以上のことから、決算発表が一巡する連休明けまでは、様子見スタンスを継続することをおすすめします。
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