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欧米で、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが鈍っているとの見方が強まっています。
きっかけは、4月5日、ニューヨーク州のクオモ知事が「新型コロナによる1日あたりの死者数が初めて減った」と述べたことでした。そして、4月6日、クオモ知事は「死者数の増加は平たんになった」とも述べています。米国で感染者数が突出して多いニューヨークで新型コロナによる死者数の増加ペースが鈍ったことは、市場にとって久しぶりの朗報でした。
また、イタリアやスペインでも1日あたりの死者数が減少しつつあるようです。これも株式市場にとって追い風です。
こうしたコロナ情勢の改善期待を背景に、4月6日のNYダウは急反発し、前週末比1627.46ドル(7.73%)高の2万2679.99ドルでした。感染拡大に歯止めがかかり、経済活動が再開に向かうとの期待感が高まったため、売り方が慌てて買い戻したのでしょう。
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東京や大阪など7都府県を対象に「緊急事態宣言」の発令へ!
また、政府の経済対策の財政出動は「39兆円」に上ることが判明
一方、日本では、安倍晋三首相が4月7日午前、緊急事態宣言の発令に向けて専門家で構成する「基本的対処方針等諮問委員会」に条件を満たすか見解を求め、そこで、発令の条件を満たすと判断されれば、安倍首相が同日中に初の緊急事態宣言の発令に踏み切る見通しです。
また、安倍首相は4月7日午前、新型コロナウイルスの感染拡大に対処する政府の経済対策の財政出動が39兆円に上ることを明らかにしました。
なお、これに先立ち、首相は4月6日、「国内総生産(GDP)の2割にあたる事業規模108兆円の経済対策を実施する」、「(緊急事態宣言の)対象地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県で、1カ月程度の期間を目安とする」、「日本では緊急事態宣言を出しても海外のような都市封鎖はしない」などと述べています。
米国株の大幅高と安倍首相の表明した大型経済対策、
そして円高の影響で、日経平均株価は週明けから堅調に推移!
東京株式市場は、週明けの4月6日から好調です。週末に新型コロナ感染拡大の鈍化期待が高まっていたことから、6日の日経平均株価は前週末比756.11円高の1万8576.30円でした。
4月6日は、ロシアとサウジアラビアの原油減産合意が「非常に近い」と米CNBCが報じたことも好材料視されました。ただし原油に関しては、サウジアラビアとロシアは減産の条件として、米シェール企業が協調減産に加わることを求めているため、調整は難航するとの見方が強まっているようです。
そして、4月7日前場の日経平均株価は前日比232.23円(1.25%)高の1万8808.53円で、一時は1万9162.52円まで買われる場面がありました。前日の米国株の大幅高と、安倍首相の表明した大型経済対策、そして円安が好感された結果です。円相場に関しては、株高を受けて、世界で運用リスクをとる動きが広がっているため、安全資産の円が売られているようです。
当面の日経平均株価は、決算発表のピークとなる5月中旬まで
1万6358.19~1万9564.38円のボックス相場に
米国の主要企業の四半期決算の発表が、来週から本格化します。
また、東証は、2020年3月期決算の決算発表日の集計結果(4月2日時点)をまとめました。決算発表が最も多いのは5月14日で、全体の17.2%に相当する402社が予定しています。また、4月中の発表予定は全体の13.5%にあたる317社です。
このような日米の決算発表予定を考慮すると、今後、日米株式市場は企業業績を見極めたいというムードを強める見通しです。
日経平均株価については、3月19日の1万6358.19円で一番底をつけました。その後の戻り高値は3月25日の1万9564.38円です。当面の日経平均株価は、1万6358.19~1万9564.38円のレンジ内でのボックス相場を、決算発表のピークとなる5月中旬まで続けるというのがメインシナリオです。
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なお、日米共に大規模経済対策が講じられていること、また、新型コロナ感染拡大に歯止めが掛かりつつあることを考慮すれば、当面、1万6358.19円を割り込むことはなさそうです。
また、1万6358.19円付近では、日銀による大規模なETF買いや、GPIFによる押し目買いといった、政策当局による積極的、かつ直接的な市場介入が予想されます。このため、日経平均株価の1万7000円割れ水準では、極端な「官製相場」となって死守・防衛されることでしょう。逆に、想定以上に新型コロナウイルスの感染が鈍化すれば、1万9564.38円を上抜ける可能性が高まると考えます。
ですが、4月7日の緊急事態宣言発動後、日本国内での人の行き来が滞り、一段と経済活動が悪化することが予想されるため、上値をガンガン買っていく相場にはすぐには転換できないと見ています。つまり、目先は「戻り」を試すものの、その後、「反落」するというのがメインシナリオです。
もう少し、具体的にいえば、6月の先物・オプションのメジャーSQ(6月12日)あたりをメドに「戻り相場」が続き、SQ通過後、調整局面に入り、3月19日の「一番底」に対する「二番底」を形成するという感じです。「二番底」は7月~8月の「夏枯れ相場」のタイミングと見ています。
株式市場は、最悪期こそ脱したものの依然として不安定。
デイトレを中心に「日銭をコツコツ稼ぐ」ことを心がけよう!
もちろん、この相場想定は現時点でのものです。感染状況次第では、シナリオ変更は大胆、かつ迅速に行う必要があります。
皆さんもお分かりにように、AIアルゴや、リスクパリティ型のファンドが全盛の今、ボラティリティ上昇時は、想定外の値幅をともなった急落が通常運転で発生します。このため、想定が間違っていたと感じたら、即座にシナリオを変更し、ただちに株式市場から撤収しないといけません。撤収が遅れると、買い方は致命的なダメージを被ることになるからです。
当面の株式市場は2~3月の最悪期は脱したとはいえ、依然として不安定です。基本的には、デイトレを中心に「日銭をコツコツ稼ぐ」、「オーバーナイトのポジションは通常時よりも少なめにする」など、リスクを抑えた運用を心掛けましょう。
なお、安心してロングポジションを持ち越していいのは、日経平均株価が「パーフェクトオーダー(短期移動平均線、中期移動平均線、長期移動平均線の3本が順番通りに並んでいる状態)」になってからです。それまでは、難易度の高い相場が続くことを覚悟しましょう。
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