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【米国株IPO】「ドリブン・ブランズ」と「アファーム」
を解説! 急成長を続ける全米最大のオート・サービス
企業と“後払いサービス”のフィンテック企業に注目!

2021年1月11日公開(2021年1月11日更新)
広瀬 隆雄
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クリスマスから新年にかけての“お休み期間”が終わり、
今週から本格的に新規株式公開(IPO)が再開!

 毎年、クリスマスから新年にかけては休暇を取るウォール街関係者が多いので、新規株式公開(IPO)もお休み状態だったのですが、今週からいよいよIPOが本格化します。そこで今日は、今週上場を予定している予定の案件の中から以下の2社を取り上げたいと思います。

・ドリブン・ブランズ(ティッカーシンボル:DRVN)
・アファーム(ティッカーシンボル:AFRM)

【ドリブン・ブランズ(Driven Brands Holdings)】
全米最大のオート・サービス企業で、
過去5年間の売上高は年率+37%で急成長!

 ドリブン・ブランズ(ティッカーシンボル:DRVN)は、全米最大となるオート・サービスの会社です。オート・サービスとは自動車点検修理、洗車などを指します。

 ドリブン・ブランズが、もし四半期決算で「良い決算」をきちんと出し続けることができれば、ゆくゆくはオートゾーン(ティッカーシンボル:AZO)ホームデポ(ティッカーシンボル:HD)のような“大化け株”になる可能性があります

 なぜなら、オート・サービスは市場規模3000億ドルの巨大市場であるばかりでなく、市場そのものが年率+4%で成長しているからです。

 また、自動車の点検修理ならびに洗車サービスを行う企業は零細な個人経営が多く、市場は極めて細分化しています。オート・サービスにブランドの概念が持ち込まれたのは比較的最近であり、その中でドリブン・ブランズが先陣を切ってブランド化を押し進めています。

 その結果、ドリブン・ブランズは「マイネキ(Meineke)」や「メイコ(Maaco)」「テイクファイブ(Take 5)」「アイエムオー(IMO)」など合計10のブランドを14カ国、4100カ所で展開しています。

 非効率な経営をしている個人商店が多いオート・サービス市場に、ドリブン・ブランズはハンバーガー・チェーンやドーナツ・チェーンのようなフランチャイズの経営手法を持ち込みました

 CEOのジョナサン・フィッツパトリックは、バーガーキングのフランチャイジーの統括をやっていた経歴を持つアイルランド人で、徹底した成果主義を貫いています。一方、彼を補佐するティファニー・メイソンCFOとスザンヌ・スミスデータ・アナリティックス部長は、大手ホームセンター・チェーンのロウズ(ティッカーシンボル:LOW)出身です。

 このチームが、過去40回のM&Aを繰り返してドリブン・ブランズのネットワークを大きくしてきました。その関係で、ドリブン・ブランズの過去5年間の売上高は年率+37%と、市場そのものの成長率をはるかに超えるペースで拡大しました。また、同じ期間のEBITDA(利払い税金償却前利益)は、年率+22%で成長しています。

 ドリブン・ブランズの特徴は、営業キャッシュフローが潤沢だということです。加えて、自動車修理のビジネスは不況に強いです。

 ドリブン・ブランズのシステムワイド売上高(=フランチャイジーの売上高を含めた総売上高)は30億ドルで、これまでに5000万台の自動車にサービスを提供してきました。ちなみに、ドリブン・ブランズの店舗のうち83%がフランチャイズで、残りが自社店舗です。

 また、顧客の半分が個人で、残り半分が保険会社などの法人です。法人は、ドリブン・ブランズと商売すれば窓口を一本化して請求書の発行など実務の簡素化ができるため、ドリブン・ブランズと取引することを選好します。

 ドリブン・ブランズの既存店売上比較は、過去12年間、毎年プラスで推移してきました。ドリブン・ブランズは、スケールが大きいので部品などを集中購買できることに加え、握っている顧客データをマーケティングなどに利用できるのが強みです。

 近年では、買収により洗車ビジネスにも参入しました。洗車ビジネスではサブスクリプションが人気で、全体の40%を占めています。

 ドリブン・ブランズの懸念点は、純負債対EBITDAが7.9倍と負債比率が高い事です。

 今回のIPOでは3800万株を17〜20ドルで売り出す予定で、値決め日は1月14日頃です。幹事は、モルガンスタンレー、BofA、ゴールドマンサックス、JPモルガン、バークレイズです。

【アファーム(Affirm Holdings)】
「割賦」による後払いサービスを提供するフィンテック企業!
ネット通販プラットフォームの「ショッピファイ」とも提携

 アファーム(ティッカーシンボル:AFRM)は、サンフランシスコに本社を置く無担保消費者金融企業で、元ペイパル幹部のマックス・レヴチンにより2012年に設立されました。

 従来のクレジットカードは、消費者目線からすると金利がわかりにくく、支払い遅延のペナルティーや隠れたフィー、残高が複利で雪だるま式に大きくなるなど、数々の問題点がありました。

 アファームは、消費者がエクササイズバイクなどのモノを購入したいと考えたとき、クレジットカードとは違って「割賦」で購入することができます。割賦の支払いスケジュールは消費者自身で選ぶことができるうえ、そこに隠れたフィーはなく、複利で雪だるま式に返済負担が大きくなることもありません。また、消費者の支払額の上限を明確に設定しており、支払い遅延や繰上げ返済のペナルティーもありません

 製品を売る側のマーチャンツ(販売業者)からすれば、これまで自社の高額商品を消費者に訴求しようとする際、値引きするくらいしか方法がありませんでしたが、それは商品のイメージを損ねてしまいます。しかし、割賦での購入を選択肢として提示することができれば、値引きをせずに購入を促すことができます。

 また、マーチャンツにユーザーの個人データを提供し、消費者の懐具合や消費性向、過去の購買のヒストリーなどを共有します。そうすることで、消費者に対してピンポイントでプロモーションを行うことができます。

 なお、アファームは、個々の購買レベルでデフォルト・リスク(債務不履行リスク)を測ることで、リスク管理を行っています。

 アファームは、すでに若者たちの間で人気になっており、アファーム・アプリはこれまでに480万回ダウンロードされました。また、ネット通販プラットフォームのショッピファイ(ティッカーシンボル:SHOP)とエクスクルーシブ・パートナー(独占的提携)の契約を結んでいます

 業績を見ると、2020年度(会計年度)のGMV(総取扱高)は46億ドル(前年比+77%)、売上高は5.1億ドル(同+93%)でした。

 現在の顧客数は620万人、これまでに1730万回のトランザクション(取引)をこなし、6500のマーチャンツと商売をしています。リピート・カスタマーは、1年に平均10回の取引をしています。

 アファームは、消費者からはフィーを取らず、マーチャンツからコンバージョン・フィーを取っています。また、バーチャル・カードが使用された場合は、クレジットカードと同様にインターチェンジ・フィーを徴収します。

 また、アファームはウォール街の金融機関に対し、債権の証券化と売却を行っています。

 今回のIPOは発行株数が2460万株、価格レンジが33〜38ドルです。幹事構成は、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、アレン&カンパニーとなっています。

【今週のまとめ】
今週、IPOする予定の企業の中では、
特に「ドリブン・ブランズ」の将来性に期待!

 今週は、ドリブン・ブランズとアファームという注目される2つのIPO企業がトレードを開始します。これらのうち、私が好きなのはドリブン・ブランズです。ドリブン・ブランズは、オートゾーンホームデポが駆け出しの企業だった頃を彷彿とさせ、将来が楽しみな企業です。
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