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日経平均株価が再び“4万円突破”した今は、プライム市場の「輸出関連株」「インバウンド関連株」「金融株」「海運などの低PER・低PBR・高配当のバリュー株」が狙い目!

2024年7月2日公開(2024年7月2日更新)
藤井 英敏
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2024年度は製造業、非製造業ともに増収・経常減益だが、
時間の経過とともに経常減益の幅は縮小する見通し

 7月1日に、日銀短観(2024年6月調査)が発表されました。それによると、大企業・製造業の景況判断DIは「プラス13」と前回3月の調査から2ポイント上昇し、2四半期ぶりに改善。一方、非製造業は「プラス33」と前回より1ポイント下がり、16期ぶりに悪化しました。また、非製造業のなかでは、小売業の景況判断DIが「19ポイント」と、前回の「プラス31」から12ポイントも悪化したことが注目されています。ただし小売業でも、旺盛なインバウンド需要を取り込めている百貨店などの業績は好調でした。

 さらに、今年度(2024年度)の大企業の売上高の見通しについては、製造業が前年度比プラス2.5%、非製造業が同プラス2.5%と、ともに前年比で売上高が増加する見通しです。しかしながら、経常利益については、製造業が同マイナス8.8%、非製造業が同マイナス8.5%と、ともに減少する見通しとなっています。つまり、製造業、非製造業ともに増収・経常減益となる見通しです。

 ただし、事業計画の前提となる2024年度の想定為替レート(全規模・全産業)の平均は1ドル=144円77銭(上期144円96銭、下期144円59銭)で、足元のドル/円相場は1ドル=161円近辺で推移しています。このため、輸出関連企業の収益の上振れは十分に期待できる状況であり、2024年度に関しては、時間の経過とともに経常利益の減益幅は縮小していくでしょう。

TOPIXが1989年12月につけた史上最高値に迫る一方、
東証グロース市場指数は目を覆いたくなる惨状に

 ところで、内閣府は7月1日、建設関連統計の訂正を受けて改定したGDPの2次速報を発表しました。改定では、6月に発表した2次速報のうち、民間住宅投資、設備投資、公共投資の3項目を見直しました。その結果、2024年1~3月期の実質GDP(2次速報値)は、直前の四半期(2023年10~12月期)より0.7%減少しました。年換算は2.9%減で、これまでの1.8%減から下方修正となりました。GDPの構成項目では、個人消費の不振が目立っています。なお、2024年1~3月期まで、実質で4四半期連続の減少とリーマン・ショック時以来の低迷となっています。

 日銀短観の6月調査とGDPの2次速報で判明した現在の日本の経済状況をまとめると「急速な円安が輸出企業を中心に業績を押し上げることへの期待はあるものの、円安による物価高で個人消費が弱含んでおり、円安の負の側面が目立っている」と言えるでしょう。

 実際、7月1日の日経平均株価は、取引開始直後の9時18分に359.61円高の3万9942.69円まで上昇しましたが、4万円大台手前で伸び悩み、結局は失速して前週末比47.98円(0.12%)高の3万9631.06円で取引を終えました。

 しかしながら、翌7月2日には値動きが一変。朝方こそ利益確定の売りが出て、9時10分に前日比173.44円安の3万9457.62円をつけたものの、その後買いが優勢となり、結局、終わってみれば大幅に3日続伸し、前日比443.63円(1.12%)高の4万74.69円と4万円の大台を回復しました。終値での4万円台は3月29日以来、およそ3カ月ぶりのことです。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 7月2日に関しては、大型のバリュー株が買われると同時に、海外短期筋から株価指数先物への買いが活発に入ったことが日経平均株価を押し上げました。確かに「円安のマイナスの面(輸入物価上昇による企業のコストアップ、家計の圧迫材料など)」が日経平均株価の上値抑制要因となっていますが、「プラスの面(輸出企業の収益への追い風、インバウンド需要拡大効果など)」もあるため、投資家心理が強気に傾くと2日のような力強い動きにもなるということなのでしょう。

 一方、7月2日のTOPIXは3日続伸し、終値は前日比32.34ポイント(1.15%)高の2856.62ポイントと連日で年初来高値を更新し、1990年1月以来、34年半ぶりの高値をつけました。1989年12月に記録した史上最高値(日中2886.50ポイント、終値2884.80ポイント)に迫っています。

■TOPIXチャート/日足・3カ月
TOPIXチャート/日足・3カ月TOPIXチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 TOPIXを押し上げたのは、円安を背景に輸出企業の業績改善期待が高まっていることに加え、国内長期金利の上昇傾向で銀行や保険といった金融株が買われたことです。日銀が7月30~31日に開く金融政策決定会合で、市場の想定以上に国債買い入れを減額する計画が示された場合、国内金利の上昇が加速する可能性があり、これが金融株の買い材料になっています。

 ちなみに、東証33業種のなかでは、海運業が7月1日に前日比3.82%上昇、2日に同3.69%上昇と、連日で上昇率がトップとなりました。中東情勢の緊迫化の影響で、国際指標である中国コンテナ船運賃指数(CCFI)が6月28日時点で前週比5.1%上昇したことが海運株の買い材料になっています。

 海運会社は、業績が上振れした場合に増配など積極的な株主還元を行うことに定評があります。また、業績が海運市況(運賃動向)の影響を受けやすく業績の変動率が大きい(業績が安定しない)ため、「万年低PER」となっているバリュー株の代表格のひとつです。

 結論として、当面の東京株式市場では、円安メリットの「輸出関連株」「インバウンド関連株」「金利上昇メリットの金融株」、そして「海運などの低PER・低PBR・高配当利回りのバリュー株」を狙うことをおすすめします。

 そして、内外の機関投資家の買いが見込める「東証プライム市場上場の大型株」に絞りましょう。スタンダード市場やグロース市場の中小型株は避けるべきだと考えます。特に、現在のグロース市場は「ハイリスク・ノーリターンの市場」と考えられるため、決して近づかないでください。

 例えば、7月2日の東証グロース市場指数は前日比3.73ポイント(0.45%)安の834.22ポイントでした。年初来高値は2024年3月7日の986.46ポイントです。TOPIXが約34年半ぶりの高値をつけているにもかかわらず、目を覆いたくなるくらいのダメさ加減です。

■東証グロース市場指数/日足・3カ月
東証グロース市場指数/日足・3カ月東証グロース市場指数/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 グロース市場への参加基準としては、最低でも東証グロース市場指数が200日移動平均線(7月2日時点で878.79ポイント)を超えてくること」が必要と見ています。

最大の懸念材料だったフランスの政治リスクが一段落し、
欧州金融市場の混乱は回避される可能性が高い

 とはいえ、日本株を取り巻く外部環境は比較的良好です。

 足元で最大の懸念材料だったフランス総選挙の結果が「極右の国民連合(RN)が単独過半数に届かない見通し」と伝わり、7月1日のフランスの代表的な株価指数の仏CAC40が前日比1.09%高となるなど、欧州金融市場ではいったんリスク回避ムードが和らいでいます。

■仏CAC40チャート/日足・3カ月
仏CAC40チャート/日足・3カ月仏CAC40チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ただし、フランスの下院の選挙は2回投票制です。多くの選挙区では初回投票で当選者が確定せず、結果は7月7日の2回目の決選投票に持ち越されます。このため、フランスの政局混迷は今しばらく続く見通しです。

 その一方で、今回の選挙前までの株価下落で、欧州金融市場は最悪の事態を織り込み済みとも見ています。よって、決選投票の結果、極右もしくは極左が過半数を獲得するようなネガティブサプライズが発生しない限り、フランス発の欧州金融市場の混乱は回避される可能性が高いと考えています。

7月4日に独立記念日の休場、5日に雇用統計の発表を控え、
米国市場は売買が少なく様子見ムードの強い一週間に

 一方、日本の株式市場により大きな影響を与える米国株式市場ですが、7月1日のNYダウは前週末比50.66ドル(0.13%)高の3万9169.52ドル、ナスダック総合株価指数は同146.70ポイント(0.83%)高の1万7879.30ポイントと堅調でした。

■NYダウチャート/日足・3カ月​
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月
ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 今週、米国の株式市場は7月3日が独立記念日前日で半休場(取引時間が日本時間で翌2:00まで短縮)、4日が独立記念日で休場となっており、さらに週末5日には6月の米・雇用統計の発表が予定されています。このため休暇を取る投資家も多く、様子見ムードが強い1週間になりそうです。よって、今週の米国株式市場は「閑散に売りなし(売買代金が低調なとき、株式を売るのは得策ではない)」の格言が当てはまるような状況だと思っています。

 以上、前述したように、日本株への投資環境は比較的良好です。「プライム市場上場の大型バリュー株の押し目買い・噴き値売り」を徹底すれば、十分に収益の獲得が可能な相場と考えます。ぜひとも、2024年夏相場も上手く乗り切ってください。心より、応援しています。
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