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日経平均株価が最高値から約4800円も急落した主な要因は、
米国市場で起きたハイテク株から中小型株への「ローテーション」
7月30日の日経平均株価は前日比で57.32円(0.15%)高い3万8525.95円でしたが、振り返ると、7月17日から26日まで日経平均株価が8日続落するなど、7月後半の日本株は大きく荒れました。数字で見ると、8営業日での終値ベースの下落幅は3607.67円、下落率は8.74%でした。ザラ場ベースでは、7月11日は史上最高値の4万2426.77円でしたが、その後の安値は26日の3万7611.19円で、下落幅は4815.58円、下落率は11.35%と二桁に達しました。
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日経平均株価が急落した主な要因は、米国の株式市場で、アルファベット(GOOG)、アマゾン(AMZN)、アップル(AAPL)、メタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)、エヌビディア(NVDA)、テスラ(TSLA)のいわゆる「マグニフィセント7(壮大な7銘柄)」に代表される大型ハイテク株から、相対的に出遅れていた中小型株への大規模ローテーション(資金乗り換え)が起きたことです。その結果、米国でハイテク株が派手に下落し、その余波が日本のハイテク株に及びました。
「ローテーション」が起きた背景は、6月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比の伸び率で3.0%と3カ月連続で縮小し、前月比でマイナス0.1%と予想外に下落するなど、米国のインフレが鈍化して、FRBの金融政策が金融緩和に完全に転換するとの見方が強まったことです。
具体的に言うと、市場では「FRBは今回の7月30〜31日開催のFOMCでは利下げを見送るものの、次回のFOMC(9月17~18日開催)で利下げを開始する」との見方が強まっています。この結果、投資家は一極集中で過熱気味に買い上がっていた大型ハイテク株を利食い売りに出しつつ、割安に放置されていた中小型株を買うという動きを加速させたのです。
米国のハイテク株売りの影響で、ディスコやソフトバンクGなど
指数寄与度の高いハイテク株が急落して日経平均株価を押し下げる結果に
米国株のローテーションの影響は日本株にもおよびました。例えば、日本の半導体関連の代表格であるディスコ(6146)は、7月11日に終値で6万8540円を記録したものの、その後は日経平均株価と同じく8日続落し、26日の終値は4万6100円まで急落しました。。8日間の下げ幅は1万7360円、下落率は27.36%にも達しました。同様に、AI関連の代表格であるソフトバンクグループ(9984)も8日続落し、8日間の下げ幅は2251円、下落幅は19.70%でした。
このように、指数寄与度の比較的高い半導体・AI(ハイテク)関連が短期間で急落したことが、7月後半の日経平均株価の急落を引き起こしたのです。
これまで人気だったハイテク株が急落したことで、信用取引を積極的に活用している個人投資家の手の内も急激に悪化したと推察されます。
ちなみに、7月19日時点の信用買い残(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)は4兆9254億円と、2006年6月以来およそ18年ぶりの高水準にまで積み上がっています。12日の申し込み時点と比べて1371億円増え、2週連続で増加しました。日経平均株価がピークを打った7月11日を含む週も、その後の急落過程でも買い残が増加しているのです。
そんな状況のなか、7月26日の週に日経平均株価は下げピッチを加速させました。おそらく、26日の週後半にかけ、相当数の追証が発生したと見ています。同時に、追証絡みの買い建玉および代用有価証券の現金化が加速したと推察しています。
日経平均株価は7月26日でいったん底を打ち、7月31日の
日銀金融政策決定会合の後、短期的なリバウンドが発生する見通し
なお、週明け7月29日の日経平均株価は前週末比801.22円(2.13%)高の3万8468.63円でした。これは前週末26日の米国株高が追い風となった結果です。
7月26日のNYダウは前日比654.27ドル(1.64%)高の4万589.34ドル、ナスダック総合指数は前日比176.16ポイント(1.03%)高の1万7357.88ポイントでした。26日は、6月の個人消費支出(PCE)デフレーター(価格指数)が前年同月比2.5%の上昇と前月の2.6%上昇から鈍化し、FRBが目指す2%に近づいたたことが好感されました。
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それはさておき、7月29日の日経平均株価が9営業日ぶりに大幅反発したことで、個人投資家からの追証絡みの換金売りは26日で一巡した可能性が高いと見ています。このため、日経平均株価に関しては、短期的には底を打ち、戻りを試す局面に入ったと考えています。
ただし、日銀は7月30〜31日に金融政策決定会合を開きます。今回の会合に関して市場が注目していることは、「国債買い入れ減額計画の具体策の内容」と「追加利上げに踏み切るか否か」です。
まず「国債買い入れ減額計画の具体策」については、日銀は今月、国債の買い手となる金融機関と意見交換を行っているため、ドラスティックな計画とはならず、サプライズが発生するリスクは低いと見ています。一方、利上げの有無については、市場は利上げの確率を五分五分と見ています。つまり「蓋を開けてみないとわからない」状態です。このため、日銀が結果発表を行う7月31日の昼頃までは、多くの投資家は様子見を決め込む見通しです。
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現時点においての私の相場観は「日経平均株価は7月11日の4万2426.77円が当面の天井となった。ただし、7月26日の3万7611.19円が底値となり、日銀の結果発表後、(その決定内容がどうであれ)イベントリスクの大幅低下を背景に短期的なリバウンドが発生する可能性が高い。戻りメドはミニマムで75日移動平均線(7月30日時点で3万9030.09円)、マックスで25日移動平均線(同4万37.10円)。ただし、3万7611.19円を割り込むか、25日移動平均線が上昇に転換したら、このシナリオは崩壊(白紙撤回)する」です。
結論として「短期は強気、中期は弱気」となります。よって、戻り売りを基本戦略として、守り重視の運用をおすすめします。
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