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日米の株式市場は、8月初旬の急落から急速に回復を見せており、
日経平均株価は200日移動平均線が強力なサポートラインに転換!
日米の株式市場は8月初旬に底打ちした後、急速に回復し、足元で堅調に推移しています。
8月26日のNYダウは続伸し、前週末比65.44ドル(0.16%)高の4万1240.52ドルと、7月17日の4万1198.08ドル以来となる最高値を更新しました。一方、エヌビディア(NVDA)が28日に2024年5〜7月期の決算を発表することもあり、ナスダック総合株価指数は反落し、同152.03ポイント(0.85%)安の1万7725.76ポイントでした。
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一方、日本株に関しては、8月5日が「セリングクライマックス」であり、当面の底値をつけました。日経平均株価については、8月5日につけた年初来安値3万1156.12円を起点にした大規模なリバウンドが発生中です。
ちなみに、8月16日の終値は3万8062.67円と、200日移動平均線(16日時点で3万7020.27円)を上回りました。これにより「レジサポ転換(レジスタンスとして機能していたラインがブレイク後にサポートラインに変化する現象)」が実現しました。
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8月26日、日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、終値は前週末比254.05円(0.66%)安の3万8110.22円でした。日米の金利差縮小が意識され、円を買ってドルを売る動きが出たため、外国為替市場でドル/円相場が一時、1ドル=143円台半ばと約3週間ぶりの円高・ドル安水準をつけたことが、輸出関連株への売り材料となって日経平均株価を押し下げました。しかし、翌27日は前日比178円(0.47%)高の3万8288.62円と反発しています。
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投機筋が大幅な売り越しから買い越しに転換したことで、
これ以上の「円キャリートレードの巻き直し」は起こらない見通し
8月26日に日米の金利差縮小が意識された主因は、FRBのパウエル議長が8月23日、米国のワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで講演し、「金融政策を調整するときが来た」と述べて、9月のFOMCで利下げに踏み切る考えを示したことです。
FRBは2022年3月から11回の利上げを行い、高い金利水準を維持してきましたが、パウエル議長は今回の講演で、インフレとの闘いが終わりに近づきつつあることを示唆したのです。ただし、議長は利下げの幅やペースについては、今後のデータ次第などとして具体的な言及を避けました。
このような状況下、米国の商品先物取引委員会(CFTC)が8月23日発表した投機筋(非商業部門)の持ち高動向によると、投機筋は20日時点で円を2万3585枚買い越しました。前週の2万3104枚に続いて2週連続の買い越しとなります。
投機筋は7月2日時点で、円の売り越し額としては史上2番目の規模となる18万4223枚を売り越していましたが、日銀が7月31日に追加利上げを決めたことをきっかけに円の買い戻しが加速しました。つまり、投機筋は大幅に円を売り越していたにもかかわらず、日銀が追加利上げを決めて1カ月も経たないうちに2週連続で円を買い越すまでにポジションが転換したのです。投機筋の買い越しへの転換は「円キャリートレードの巻き戻し」を鮮明に示唆しています。
「円キャリートレードの巻き戻し」は、8月初旬までの「急激な円高・株安」を引き起こしましたが、買い越しに転じた現時点ではこれ以上「円キャリートレードの巻き戻し」が起こることがないため、ドル/円相場は少なくとも現在の水準を保つ可能性が高いと見ています。これは日経平均株価の上値圧迫要因と考えます。
円高の悪影響を受けにくい「内需系銘柄」の銘柄が優勢となったことで、
「内需系銘柄」の多いグロース市場への買いが優勢に!
テクニカル的には、日経平均株価に関しては75日移動平均線(8月27日時点で3万8643.54円)がレジスタンス(上値抵抗線)として機能しているように感じます。一方、16日に「レジサポ転換」が実現したことで、200日移動平均線(27日現在3万7266.75円)が強力なサポート(下値支持線)として機能することでしょう。
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よって、当面の日経平均株価の想定レンジは200日移動平均線と75日移動平均線の間と見ています。そして、上値か下値のどちらかをブレイクした方向に「トレンド」が出ると考えますが、残念ながら、現時点ではどちらをブレイクするかはわかりません。
一方、8月26日の東証グロース市場250指数は4日続伸し、終値は前週末比8.51ポイント(1.27%)高の680.31ポイントと、7月19日の675.73ポイント以来およそ1カ月ぶりの高値水準にまで上昇しました。
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グロース市場が堅調な主な理由は、円高の悪影響を受けにくい内需系銘柄の多い新興市場への買いが優勢となったことです。よって、外国為替市場で円高傾向が続く間は、プライム市場でもスタンダード市場でもグロース市場でも、内需系銘柄が買われる見通しです。
信用買い残が一気に減ったことで「信用買い方の反対売買」への
心配がなくなり、「高配当の内需系大型株」が狙い目に!
それにしても、8月5日までの暴落で、信用買い残の整理が一気に進みました。9日時点の信用買い残は、2日時点と比べて9086億円(19%)減の3兆9634億円と、前週比の減少率としては東日本大震災直後の2011年3月以来、約13年ぶりの大きさでした。そして、16日時点の信用買い残は3兆8535億円と、9日時点と比べてさらに1099億円減りました。信用買い残の減少は3週連続で、2月以来の低水準です。
当然のことながら、将来の売り予約である信用買い残の減少は、需給面でのポジティブ材料です。
今後に関しては、「円キャリートレードの巻き戻し」および「信用買い方の反対売買」を心配する必要がないため、相場の急落リスクは極めて低いと見ています。投資戦略としては、9月の中間期末が近いため「高配当の内需系大型株」を狙うことをおすすめします。
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