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米国経済が堅調でインフレも沈静化していることから、
米国の株式市場が大崩れするリスクは極めて低い
米国の株式市場が堅調に推移しています。週明け10月21日のナスダック総合株価指数は4日続伸し、同50.45ポイント(0.27%)高の1万8540.01ポイントと、7月10日の1万8647.45ポイント以来、約3カ月ぶりの高値で取引を終えました。一方、NYダウは前週末比344.31ドル(0.79%)安の4万2931.60ドルと下落したものの、これは4営業日ぶりの反落でした。
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NYダウの下げに関しては、前週まで6週連続で上昇し、前週末の10月18日まで連日で最高値を更新していたため、その反動が出ただけのことと見ています。つまり、足元の米国の株式市場は、非常に強い動きを続けていると認識しています。
なお、10月21日のNYダウが反落した別の要因としては、米国の長期金利の上昇が挙げられます。この日の米国10年債利回りは、前週末比0.11%高い4.19%で終えました。これは、7月下旬以来、約3カ月ぶりの高水準です。
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足元の米国経済が堅調なことから「FRBは利下げを急がない」との観測が強まっており、長期債への売り圧力が強い状況となっているのです。また、11月5日投開票の米国大統領選挙・連邦議会選挙で共和党(トランプ氏)が勝利すれば、積極的な財政政策による国債増発で、長期債の需給が悪化するとの懸念も強まっています。
ただし、先ほど述べたように米国の経済は堅調で、インフレも沈静化しています。具体的に見ていくと、10月4日に発表された9月の米・雇用統計の内容は、米国の労働市場が急速に冷え込んでいるとの懸念を払拭させる強いものでした。また、17日に発表された9月の米・小売売上高は市場予想を上回り、個人消費の底堅さが確認できました。
一方、10月10日に発表された9月の米CPI(消費者物価指数)は前年同月比2.4%上昇と、8月の2.5%上昇からは鈍化し、上昇率は2021年2月以来、3年7カ月ぶりの低さでした。また、11日に発表された9月の米PPI(生産者物価指数)は、前年比1.8%の上昇と、7カ月ぶりの小幅な伸びにとどまっています。
以上のことから、米国の株式市場が大崩れするリスクは極めて低いと見ています。
「衆院選で与党は過半数を維持できるか微妙な情勢」
との報道から、株式市場では売り圧力が強まる
一方、日本株は冴えない動きを続けています。
10月22日の日経平均株価は続落し、終値は前日比542.64円(1.39%)安の3万8411.96円でした。日足のローソク足は10日連続の「陰線」となり、米国株とは対照的に非常に弱い値動きとなっています。
日本の株式市場がパッとしない主な要因は「国内の政治リスクの高まり」です。
10月20日の21時51分に、朝日新聞デジタルは19〜20日に実施した世論調査と同紙の取材を踏まえた選挙戦の情勢を「与党は過半数を維持できるか微妙な情勢」と報じました。また21日16時17分には、産経新聞社がFNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した19〜20日の調査にそれまでの取材結果を加味し、「自民党は大きく議席を減らす見通しで、連立政権を組む公明党と合わせても過半数(233議席)を割り込む可能性がある」と配信しました。
このような選挙情勢に関する報道を受け、国内政治の先行き不透明感を嫌った売り圧力が強まっているのです。
ただし、私は、仮に与党が過半数を割り込んでも、日本維新の会や国民民主党などが自民党中心の連立政権に合流することで、国内政治は安定すると見ています。このため、選挙結果がどうなろうとも投開票日の10月27日を通過すれば、日本株は「アク抜け(悪材料の出尽くしによる下げ止まり)」すると考えています。
信用買い残が積み上がり、チャートが悪化している小型株は、
今後、追証絡みの投げ売りが出る可能性が高いので要注意
日経平均株価については、10月22日の終値が3万8411.96円と5日移動平均線(22日時点で3万8887.96円)を下回っており、また、5日移動平均線自体も下向きです。このため超短期の調整局面が継続中と認識しています。
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一方、25日移動平均線(22日時点で3万8442.55円)は下回っているものの、25日移動平均線自体は上向きです。よって、短期のトレンドは上向きであり、現状の超短期の調整局面は「押し目買いの好機」と見ています。ただし、今後、25日移動平均線自体が下向きに転じたら「弱気」に転じる必要があります。
一方、東証グロース市場250指数の10月22日の終値は614.90ポイントと、5日移動平均線(22日時点で626.11ポイント)を下回り、5日移動平均線自体も8日連続で下降しています。また、25日移動平均線(同646.16ポイント)を下回っており、25日移動平均線自体も10月2日以降、14日連続で下降中です。よって、超短期でも短期でも、トレンドは「下向き」と認識しています。
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東証グロース市場は、東証プライム市場に比べて個人投資家の関与率が高いことが知られています。また、グロース銘柄を売買する個人は、信用取引を積極的に使います。ですが、信用評価損益率は10月11日時点でマイナス9.02%と、前週のマイナス8.65%からマイナス幅が0.37ポイント拡大し、2週連続で悪化しています。信用取引を積極的に活用してアクティブに売買する個人の手の内は、相当悪化していると見ておく必要があります。
このため、国内外の機関投資家の買いが見込みづらい小型株のうち、信用買い残が積み上がり、チャートが悪化(株価が25日移動平均線を下回るなど)した銘柄は、今後、追証絡みの投げ売りが出る可能性が高いため、決して保有し続けてはならないと考えます。
結論として、グロース銘柄は可能な限り避けて、プライム市場上場銘柄うち、時価総額上位の優良株(好業績、低PER、低PBR、高ROE、高配当利回りなどの条件を満たす銘柄)の押し目を丁寧に拾う戦略を強くおすすめします。
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