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今週の日経平均株価は、米国の利下げ観測の高まりなどを
材料に上昇し、約2カ月ぶりに4万円の大台を回復!
今週(12月9〜13日)の日経平均株価は上昇し、最終的に先週末と比べて379.27円(0.97%)高い3万9470.44円で終えました。
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前週末12月6日の米国市場では、11月の米・雇用統計を受け、12月17〜18日に開催される米・連邦公開市場委員回(FOMC)での利下げ観測が高まったことで、ハイテク株を中心に買われました。また、為替市場で円相場が円安に振れて推移したことも材料視され、週明け9日の東京市場は反発して始まりました。
翌12月10日の日経平均株価は、中国当局が「独禁法違反の疑いでエヌビディア(NVDA)の調査を開始した」と伝わったことが重荷となって下落する場面も見られましたが、9日に「中国政府は2025年に金融緩和と財政支出の拡大を進める方針」と報道されたことを受け、最終的に200円を超える上昇となりました。
12月11日は、米・消費者物価指数(CPI)の発表を控えて値動きの少ない状況でした。その後、日本時間で11日の夜、米CPIの結果が予想通りだったことで米国では利下げ観測が強まり、翌12日の日経平均株価は上昇。一時4万0091.55円と約2カ月ぶりに4万円の大台を回復しました。
週末12月13日は、前日に米・卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことでインフレ懸念が再燃して米国市場が下落した影響から、5日ぶりに反落となりました。
来週の日経平均株価は、週の後半に米FOMC通過後の
「アク抜け」を狙った押し目買いが強まる展開に期待
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万9200 ~ 4万200円
来週(12月16〜20日)の日経平均株価は、堅調な相場展開に期待したいところです。週前半は、17〜18日に開催される米FOMCの結果待ちになりそうですが、追加利下げ観測がコンセンサスとなるなか、FOMC通過後のアク抜け(悪材料の出尽くし)を狙った押し目買い意欲も高そうです。
なお、12月18〜19日に開催される日銀の金融政策決定会合では、利上げを急がないとの見方から政策金利は据え置きが予想されています。
また、国内では、自民、公明、国民民主の3党が所得税の非課税枠「年収103万円の壁」に関して2025年から引き上げることで合意しました。2024年度補正予算案に賛成するのと引き換えに譲歩した形ですが、政治不安が解消された点は評価されます。
ちなみに、日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す代表的な指標でなる「大企業・製造業」の業況判断指数(DI)は「14」で、2四半期ぶりに改善しています。
FOMC通過後は、海外投資家の多くがクリスマス休暇に入ります。ただ、今年はトランプ次期政権に対する期待感から上昇トレンドが続く可能性もあり、東京市場も米国株高が支援材料になるでしょう。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
トプコンが+63.70%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはトプコン(7732)でした。12月10日に「非公開化に向けて入札プロセスに入っていることが分かった」と一部で報じられたことが材料視され、ストップ高を交えての上昇となりました。報道によると、買い手候補には米国の投資会社のKKRや欧州系投資ファンドのEQT、政府系ファンドの産業革新投資機構などが挙がっているとのことです。
値上がり率2位のピクセルカンパニーズ(2743)は12月11日、シンガポールのスーパーコンピューティングサービスプロバイダーであるOWS社と、日本国内でのデータセンタープロジェクトの推進を図るための協創パートナーシップ協定を締結したと発表。これが材料視されて上昇しました。
値上がり率3位のGFA(8783)も12月11日、シンガポールのOWS社と、AI特化型データセンター事業の構築を目指して協創パートナーシップ協定を締結。これが好感されました。
一方、今週の値下がり率ランキング1位の日本電解(5759)は11月27日、民事再生手続き開始の申し立てを行うと発表。東京証券取引所は同日、日本電解の上場廃止を決定し、整理銘柄に指定すると明らかにしました。整理銘柄指定期間は11月27日~12月27日となります。
値下がり率2位はアウトルックコンサルティング(5596)でした。マネーフォワード(3994)は11月13日に、完全子会社であるマネーフォワードクラウド経営管理コンサルティングが実施するアウトルックコンサルティングの公開買い付け(TOB)を発表。TOB価格にサヤ寄せする形で急伸しましたが、12月11日を買い付けが終了したことで、その後は急落しました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +63.70 | トプコン(東P・7732) |
2 | +45.45 | ピクセルカンパニーズ(東S・2743) |
3 | +41.67 | GFA(東S・8783) |
4 | +39.89 | さくらさくプラス(東G・7097) |
5 | +37.10 | フィスコ(東G・3807) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −36.49 | 日本電解(東G・5759) |
2 | −30.93 | アウトルックコンサルティング(東G・5596) |
3 | −21.76 | 幸楽苑(東P・7554) |
4 | −19.39 | ジェイフロンティア(東G・2934) |
5 | −19.20 | ROXX(東G・241A) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 1,098,479,000 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
2 | 658,441,900 | NTT(東P・9432) |
3 | 477,478,400 | 大黒屋ホールディングス(東S・6993) |
4 | 475,965,000 | ランド(東S・8918) |
5 | 353,632,100 | 三菱重工業(東P・7011) |
【来週の主要イベント】
米FOMC、日銀金融政策決定会合、マイクロン・テクノロジー決算、
キオクシア、リスキルなど4社のIPO(新規上場)などに注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<12月16日(月)>
◆決算:アセンテック(3565)、パーク24(4666)
◆10月機械受注
◆中11月小売売上高
◆中11月鉱工業生産
◆ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁発言
◆独12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆独12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆欧12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆英12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆英12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米12月ニューヨーク連銀製造業景気指数
◆米12月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値
◆米12月総合購買担当者景気指数(PMI)速報値
<12月17日(火)>
◆黒田グループ(287A)東証スタンダード上場
◆リスキル(291A)東証グロース上場
◆米連邦公開市場委員会(FOMC)
◆独12月IFO企業景況感指数
◆独12月ZEW景況感調査(期待指数)
◆欧12月ZEW景況感調査
◆米11月小売売上高
◆米11月鉱工業生産
<12月18日(水)>
◆キオクシアホールディングス(285A)東証プライム上場
◆日銀金融政策決定会合
◆英11月消費者物価指数(CPI)
◆欧11月消費者物価指数(HICP)改定値
◆米11月住宅着工件数
◆米11月建設許可件数
◆米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表
◆米パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見
◆決算:マイクロン・テクノロジー(MU)
<12月19日(木)>
◆Synspective(290A)東証グロース
◆dely(299A)東証グロース
◆日銀金融政策決定会合、終政策金利発表
◆植田日銀総裁会見
◆米11月景気先行指標総合指数
◆決算:ナイキ(NKE)
<12月20日(金)>
◆決算:日本オラクル(4716)、西松屋チェーン(7545)
◆11月全国消費者物価指数(CPI)
◆英11月小売売上高
◆11月生産者物価指数(PPI)
◆米11月個人所得
◆米11月個人消費支出(PCEデフレーター)
◆米12月ミシガン大学消費者態度指数 確報値
【来週の注目銘柄】
「ANYCOLOR」「日東電工」「キッコーマン」の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
ANYCOLOR(2024年12月13日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
情報・通信 | 東P・5032 | 2654円 | 15.5倍 | 9.45倍 |
好決算発表後のリバウンドで一気に75日・200日移動平均線を突破 多くのVTuberが所属する「にじさんじプロジェクト」を運営。12月11日に発表した2024年5~10月期決算は、税引き利益が前年同期比4%増の46億円、売上高が12%増の173億円でした。株価は、決算発表後に堅調な業績を評価する買いが入り、急ピッチのリバウンドを見せています。連日の強い上昇によって75日・200日移動平均線を上放れており、短期的には過熱感が警戒されますが、2月5日につけた年初来高値3850円が視野に入っており、押し目買いを狙いたいところでしょう。 |
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日東電工(2024年12月13日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
化学 | 東P・6988 | 2479.5円 | 13.3倍 | 1.72倍 |
生成AIの普及を背景にデータセンター向け製品の需要が拡大 偏光フィルムなど光学フィルムのトップメーカーです。2024年4~9月期の連結業績は、純利益が前年同期比81%増の799億円でした。生成AIの普及を背景に、データセンター向けの回路材料やタブレット端末向けの光学フィルムの需要が拡大しています。株価は10月以降、2360円が下値支持線として意識されていましたが、足元のリバウンドで一時200日移動平均線を捉える場面も見られました。同線突破からのさらなる上昇が期待されます。 |
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キッコーマン(2024年12月13日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
業 | 東P・2801 | 1741.5円 | 26.8倍 | 3.35倍 |
2025年3月期の営業利益の予想を上方修正 醤油のトップメーカー。海外における食料品製造・販売事業が好調で、11月6日には2025年3月期の営業利益の予想を708億円から746億円に上方修正しました。なお、国内で価格改定後に見られた売上数量の減少は、昨年の下期から回復傾向にあります。さらに「フライパンひとつで料理が完成」といった時短商品を積極的に投入していることも注目されます。株価は、12月2日につけた1618円を直近安値にリバウンドの勢い強めています。今後は200日移動平均線の突破、さらには3月28日につけた年初来高値2014円を意識した展開に期待したいところです。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
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