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ソフトバンクの孫社長が「人間の1万倍以上の知能を持ち、
人の感情をも理解するAIが10年以内に登場する」と予言
ソフトバンクグループ(9984)の孫正義社長は10月3日、同社の法人向けイベント「SoftBank World 2024」において、人間相当の思考回路を持ち、知的作業の理解や学習、実行ができる人工知能「AGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)」が今後2~3年以内に実現できると予測しました。また、AGIの1万倍の知能を持つ「ASI(Artificial Super Intelligence:人工超知能)」が登場し、そのASIがさらに進化することで、10年以内には人間の持つ思いやりや倫理観まで理解できる「超知性」が実現すると述べました。
また、そうした未来予測のもと、孫社長はソフトバンクグループもAI事業に注力することに言及。「競争の中では一番優れたものにこそ価値がある」と述べ、ソフトバンクグループとして大規模で高性能な生成AIの開発に取り組むなど、AIをグループの事業戦略の中核に位置づけていくことを改めて示しました。
「従来のAI」が事前に準備されたデータの範囲内で答えを導き出すのに対し、「生成AI」は蓄積した膨大なデータをもとに人間の創造過程を模倣して、事前に学習させた範囲のことであれば人間のような創造的な回答を生み出すことが可能です。ここ数年で大きな進化を遂げている生成AIには、今まで以上に広い分野での活躍が期待されています。
例えば、落語家の桂文枝さんは、10月2日に開催されたGoogle主催のイベントで、生成AI「Gemini(ジェミニ)」と対話しながら作り上げた創作落語を披露しました。「Gemini」は、米国のアルファベット(GOOG)傘下のグーグルが開発した生成AIで、桂文枝さんは「『Gemini』を弟子にする」という設定で対話を繰り返すことで、1カ月半かけてまったく新しい創作落語の台本を作成。その台本は桂文枝さんが演じて命を吹き込むことで上質な落語へと進化し、舞台は見事に成功を収めたとのことです。
「Hedra」やCaptions」など、米国ではAI関連の
スタートアップ企業が次々に参入し、開発競争が激化!
生成AIの開発競争は激化の一途を辿っています。米国のIT大手のメタ・プラットフォームズ(META)は10月4日、入力した文章や写真から動画を作成する新しい生成AI「Movie Gen」を発表。動画生成AIの開発で先行するOpenAIやグーグルに対抗する狙いがあるようです。
また、動画生成AIをめぐっては、米国のエヌビディア(NVDA)、グーグル、メタ・プラットフォームズの元社員によって設立された「Hedra」や、マイクロソフト(MSFT)出身のエンジニアが創業した「Captions」といった新興スタートアップ企業が次々と参入しており、今後、ますます競争が激しくなることが見込まれます。
こうした状況を踏まえ、今回は2024年10月時点の最新の「生成AI」関連銘柄に注目しました。具体的な銘柄としては、個人投資家主体の売買を想定し、東証グロースに上場する銘柄を中心に取り上げました。
【※以前の「生成AI」関連の解説記事はこちら!】
⇒【日本株】「チャットGPT」の人気化で注目を集める「生成AI」関連銘柄を解説! 文章・画像などを自動生成するAIを手掛けるベンチャー企業への投資が急増!
【L is B(145A)】
「direct×生成AIボット導入支援サービス」を提供
L is B(145A)は現場向けビジネスチャット「direct」を活用し、生成AIボットの開発・導入から活用までをワンストップでサポートする「direct×生成AIボット導入支援サービス」を提供。生成AIの導入を検討する顧客に対し、業務課題をヒアリングし、生成AIボットのカスタマイズ開発から効果検証、改善提案、納品までを総合的にサポートします。株価は8月5日につけた安値618円をボトムに緩やかなリバウンドが継続。上値抵抗線として意識される75日移動平均線を上放れてくるようだと、さらなる上昇が期待できます。
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【ヘッドウォータース(4011)】
マイクロソフトのAIに関する上位パートナー認定資格を取得
ヘッドウォータース(4011)は、各種AIを用いたソリューションを提供しています。8月20日に、マイクロソフト(MSFT)の上位パートナー認定資格「Microsoft AzureのAIおよびMachine Learning」の上位認定資格を取得したことを発表しました。また、6月20日に情報戦略テクノロジー(155A)と共同で、大手企業向けに「生成AIを活用したDX内製化支援サービス」を提供することを発表。さらに8月23日には、内田洋行(8057)のグループ会社であるウチダスペクトラムと共同で、生成AIを活用した企業競争力強化の支援サービスを提供すると発表しています。株価は下落トレンドが続いていましたが、足元で25日移動平均線を下値支持線に、上値抵抗線として意識される75日移動平均線を捉えてきており、上昇トレンドへの転換が期待されます。
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【サイエンスアーツ(4412)】
生成AIが音声で小売店の販売スタッフなどのデスクレスワーカーを支援
サイエンスアーツ(4412)は2月26日、デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(バディコム)」が、マイクロソフトの提供する「Azure OpenAI Service」と連携することを発表。企業が保有する社内マニュアルなどのデータを生成AIに読み込ませることで、パソコンやスマホなどをすぐに利用することができない小売店の販売スタッフなどに対して、必要な回答を生成し、合成音声によって伝えることが可能となります。株価は乱高下する場面も見られましたが、おおむね200日移動平均線が上値抵抗線として意識される一方、下値は530円辺りでの底堅さが見られます。今後、終値で200日移動平均線を上回ってくるようだと、そこからの上昇が期待されそうです。
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【グラッドキューブ(9561)】
AIの基礎知識から業務改善方法まで学べるリスキリングプログラムを提供
グラッドキューブ(9561)は、デジタルマーケティング支援サービスのほか、AIを活用したスポーツメディアプラットフォーム「SPAIA」を展開しています。また、2024年4月よりリスキリングプログラム「リスナビ」の追加カリキュラムとして、「生成AIを活用した業務改善を実現するリスキリングプログラム」を提供。AIの基礎知識から、生成AIとDXを活用した業務改革の具体的な方法まで、オンライン動画を視聴して体系的に学ぶことができます。株価は、9月3日につけた1113円をピークに調整を見せていますが、高値圏での底堅さが意識されており、日柄調整(株価上昇後、売買が拮抗した状態が続くこと)が一巡してからの再上昇が期待されます。
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【pluszero(5132)】
製造業全体の品質と生産性の向上を実現するAIサービスを開発
pluszero(5132)は、AIや自然言語処理など各種テクノロジーを用いたソリューションを提供。自動車・輸送機業界向けに3次元CADを手掛けるアビスト(6087)と共同で、生成AI技術とpluszeroが特許を保有している「人間のように意味を理解できる新技術AEI」を組み合わせ、製造業全体の品質と生産性の向上を実現するサービスの開発を行っています。株価は、9月26日に2595円まで買われた後、足元で調整を見せており、リバウンド狙いのスタンスで。
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【Laboro.AI(5586)】
オーダーメイドによるAIソリューション「カスタムAI」を開発
Laboro.AI(5586)は、オーダーメイドによるAIソリューション「カスタムAI」を開発・提供。また、長期的なAI活用のビジョンの検討や、導入に向けたロードマップの策定といった事前のアドバイザリーを独自の視点から実施しています。3月22日には、博報堂DYホールディングス(2433)が進める生成AIで生活者発想を支援するサービスプロトタイプの開発にあたり、外部パートナーとして連携したことを発表しました。株価は、9月2日につけた1317円を戻り高値に調整が続いていますが、急伸前の8月下旬の水準まで下げてきたので、仕切り直しからの株価上昇に期待したいところです。
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以上、今回は「生成AI」関連銘柄を発掘しました。
【※以前の「生成AI」関連の解説記事はこちら!】
⇒【日本株】「チャットGPT」の人気化で注目を集める「生成AI」関連銘柄を解説! 文章・画像などを自動生成するAIを手掛けるベンチャー企業への投資が急増!
なお、最近では日本でもAI関連の事業を展開するIPO(新規上場)株が増えています。10月11日にIPO(新規上場)するAIベンチャーのオルツ(260A)は、AIクローン技術でつくり出すパーソナルAIの開発を実施。オープンモデルの生成AIを開発するStability AIと共同で、音声、画像、映像における生成AIの新たなユースケースの確立に向けた研究を加速させています。
また、10月28日にIPOするHmcomm(265A)は、音分野に強いAIベンチャー。生成AI活用コンサルティングでは、データ環境の整備・構築、データ分析人材の派遣、オリジナルのAI開発などにより、事業課題を解決します。
さらに、10月29日に上場するSapeet(269A)は、東京大学発AIベンチャーで、AIと3Dに関する技術に強みを持ち、生成AIモジュールを集客や営業・接客の場面で活用できるようにするサービスなどを提供しています。
このように、10月だけで生成AIに関連する企業が次々とIPOするので、併せて注目しておきたいところです。
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