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米国株はようやく底入れの兆しを見せているものの
株安の原因である米国の長期金利は依然として上昇基調が継続
今回もまずは米国市場の動向から見ていきましょう。
12月下旬になって米国株はようやく落ち着きを取り戻しつつあるようで、12月23日のNYダウは3日続伸し、前週末比66.69ドル(0.16%)高の4万2906.95ドルでした。NYダウは5~18日までの10営業日で、終値ベースで2687.17ドル(5.97%)も下げるなど、調整色を強めていました。しかしながら、クリスマスを前にようやく底入れの兆しを見せています。
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また、12月23日のナスダック総合株価指数は続伸し、同192.29ポイント(0.98%)高の1万9764.89ポイントでした。ナスダック総合株価指数も19日まで3日続落し、やや軟調でしたが、ここにきて堅調さを回復してきました。23日に関してはクアルコム(QCOM)、エヌビディア(NVDA)、ブロードコム(AVGO)など半導体関連が買われ、相場全体を押し上げました。
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ただ、米国の株安の主因である米・長期金利の上昇基調に変化はありません。12月23日の米国10年債利回りは前週末比0.07%高い4.59%でした。
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長期金利が上昇傾向になっている背景は、米国の景気が強く、インフレ再燃リスクが高いからです。FRBは、12月17〜18日に開いたFOMCで政策金利の誘導目標を0.25%引き下げて「4.25〜4.5%」とすることを決めました。しかしながら、政策金利見通し(ドットチャート)では、2025年末の予想中央値が現在の水準から0.25%の利下げ2回分(0.5%)に相当する「3.875%」と、前回9月時点の0.25%の利下げ4回分(1.0%)に相当する「3.375%」から切り上がりました。
そして、パウエル議長はFOMC後の記者会見で「(政策金利は)中立にかなり近づいている」と述べました。このように、引き下げペースに関して、FRBは慎重姿勢を強め、「タカ派姿勢」を鮮明にしています。
FRBが利下げに慎重な「タカ派」の姿勢を見せる一方、
日銀は利上げに慎重な「ハト派」の姿勢が鮮明に!
一方、日本では、日銀が12月19日まで開催していた金融政策決定会合で、政策金利を「0.25%程度」に据え置くと決めました。そして、植田和男総裁は会合後の記者会見で「来年の春季労使交渉に向けたモメンタムなど今後の賃金の動向について、もう少し情報が必要と考えています。また、米国をはじめとする海外経済の先行きは引き続き不透明であり、米国の次期政権の経済政策を巡る不確実性も大きい状況が続いていると判断しています」などと述べました。
この発言を受け、「2025年1月の金融政策決定会合でも、利上げを見送る可能性が高まった」との見方が強まりました。つまり、日銀は「ハト派姿勢」を鮮明にしています。
「タカ派のFRB+ハト派の日銀」という構図になったため、為替市場では日米の金利差拡大の思惑から「ドル買い・円売り」が加速し、足元のドル/円相場は1ドル=157円台と円安水準での推移となっています。
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日経平均株価は少なくとも年内は膠着した展開が続く一方、
グロース市場は「節税売り」が終わる12/27以降の上昇に期待
このような状況下、日経平均株価は3万9000円付近で、方向感なく膠着しています。
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今週の米国株式市場は、12月24日が短縮取引、25日がクリスマスの祝日で休場となります。外国人投資家がクリスマス休暇入りするため、東京株式市場の流動性は低下し、かつ一段と株価指数のトレンドが出にくくなると見ています。
また、年内受け渡し最終日は12月26日で、それまでは個人投資家からの「節税売り(損出し売り)」が駆け込み的に出続ける見込みです。ですが、27日からは来年受け渡しとなるため、個人投資家の関与率が高い銘柄に関しては需給が改善する見通しです。よって、27日以降のグロース市場の動向には期待したいところです。
「主力半導体株」や「金融セクター株」などの冴えない値動きが、
円安にもかかわらず日経平均株価の上値が重い要因に!
円安にもかかわらず日経平均株価の上値が重い主な要因は、値がさ(株価の高い)の半導体の株価が冴えないことです。
値がさハイテク株の代表格である東京エレクトロン(8035)の年初来高値は、4月4日の4万860円で、12月24日の終値は2万3640円です。比較すると下落幅は1万7220円、下落率は42.14%に達しています。また、ディスコ(6146)の年初来高値は7月11日の6万8850円で、12月24日の終値は4万2500円、下落幅は2万6700円、下落率は38.78%です。米国の半導体関連の主役のエヌビディアやブロードコムとは対照的な値動きと言えます。この日本の主力の半導体関連の冴えない値動きが、日経平均株価の上昇の阻害要因となっています。
また、日銀がハト派色を鮮明にしたことで金利上昇期待が後退したため、銀行株中心に金融セクターの上値が重くなっています。
さらに、日銀短観(2024年12月)では、小売りが前回の9月調査からマイナス15ポイント、宿泊・飲食がマイナス12ポイントとなるなど、個人消費に関わる業種で業況判断が大きく悪化したことからわかるように、個人消費が低迷しています。これは物価の上昇に賃金の上昇が追い付いていないことが要因であり、だからこそ日銀は追加利上げを躊躇しているのです。このため、個人消費関連株の上値も買いづらくなっています。
「低迷する内需」と「好調な米経済」という相反する2つの要因が
綱引きするなかで、当面の日経平均株価は「横ばい」が続く見通し
その一方で、米国はFRBが利下げに慎重にならざるを得ないくらい景気の腰が強いです。また、トランプ次期大統領の経済政策次第では、米国の景気が一段と強くなり、インフレが再燃するリスクも大きい状況です。こうした強い経済を背景に、米国株が大きく崩れるリスクは非常に低いと見ています。当然これは、日本株への強力なサポート材料と言えるでしょう。
このように「低迷する内需」と「好調な米経済」が綱引きする結果、当面の日経平均株価は上にも下にも動かずに「横ばい」が続く見通しです。株価指数が「トレンドレスの横這い」想定なら「逆張り戦略」が有効と考えます。
よって、少なくとも年内は「押し目買い・噴き値売り」でコツコツと収益を積み上げることに専念することをおすすめします。
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