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今週の日経平均株価は上昇。日銀金融政策決定会合やFOMCは
無難に通過したものの、トランプ関税の不透明感が重荷に！
今週（3月17〜21日）の日経平均株価は上昇し、最終的に先週末と比べて623.96円（1.68％）高い3万7677.06円で終えました。
日経平均株価チャート／日足・3カ月（出典：SBI証券公式サイト）※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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米国では、3月14日に連邦政府の当面の資金を確保する新たな「つなぎ予算」が議会上院で可決され、政府機関の一部閉鎖は回避されました。また、16日には、ロシア・ウクライナ情勢に関して米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談が行われるとの見通しが伝わり、地政学リスクが後退。これらが評価されたことも影響し、週明け17日の日経平均株価は大幅に続伸して始まりました。テクニカル的には、この上昇によって2月以降、上値を抑えていたボリンジャーバンドの-1σを突破し、上昇トレンドへの転換が期待される形になりました。
日経平均株価チャート・ボリンジャーバンド／日足・3カ月（出典：SBI証券公式サイト）※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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翌3月18日の日経平均株価は、前日の米国市場の上昇や円安が材料視されて上昇。25日移動平均線を捉える水準まで買われ、一時3万8000円を回復する場面も見られました。米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏の投資会社が日本の大手商社株を買い増したことが判明し、海外投資家による日本株再評価への期待感も高まったことも追い風となりました。
ただし、3月18〜19日に日銀の金融政策決定会合と米国の連邦公開市場委員会（FOMC）を控え、25日移動平均線の突破を狙った買いは強まりにくく、その後は同線付近での推移が続きました。
3月19日、日銀金融政策決定会合とFOMCでは、どちらも予想通り政策金利が据え置かれました。翌20日は祝日で日本市場は休場。週末の21日は、日米の重要な金融イベントの通過による上昇の動きも見られましたが、トランプ大統領の関税政策に対する不透明感が根強く、積極的な上値追いの動きは限られました。
来週の日経平均株価は、足元の上昇で達成感が意識されやすいものの、
25日移動平均線を突破してきた場合、売り方の買い戻しの動きに期待！
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万7000 ～ 3万8500円
来週（3月24〜28日）の日経平均株価は、引き続きトランプ関税に対する警戒感から積極的な売買は手控えられそうです。
ただ、3月11日につけた3万5987.13円を目先の底値にリバウンドが続いています。ボリンジャーバンドの-3σ水準から切り返し、-2σ、-1σを突破して25日移動平均線まで一気に回復したことでいったんは達成感が意識されやすいなか、押し目を狙った買いも見られそうです。また、25日移動平均線を明確に上抜けてきた場合、売り方の買い戻しの動きが強まりそうです。
物色の流れとしては「防衛」関連株への資金流入が継続すると見られるほか、3月期末となるため配当や株主優待を狙った売買が膨らみやすいでしょう。
【※「防衛」関連銘柄の詳細記事はこちら！】
⇒ウクライナ情勢の悪化で注目される｢防衛｣関連銘柄を紹介！ 2月の北京五輪開催中に、ロシアがウクライナに侵攻した場合、｢防衛｣関連株が急騰する可能性も！
【※配当・優待の関連記事はこちら！】
⇒｢3月に権利が確定する株｣の配当利回りランキング！ 利回り6.5％の｢エフ・シー・シー｣、同6.2％の｢矢作建設工業｣や｢商船三井｣など、高配当株50銘柄を紹介！
⇒【3月の株主優待の内容&利回りを調査(2025年版)】ANA、日清オイリオ、力の源などの人気優待のほか、優待新設銘柄、利回り5％超のQUOカード優待も紹介
一方で、ハイテク株の一角が弱い値動きを見せており、特に指数インパクトの大きいアドバンテスト（6857）や東京エレクトロン（8035）の動向には注意が必要です。
また、来週はミライロ（335A）など6社のIPO（新規上場）が予定されているので、個人投資家主体の“値幅取り狙い”の取引が活発になりそうです。
【※IPOの関連記事はこちら！】
⇒IPOスケジュール一覧［2025年］IPOの申込日や主幹事証券、注目度などの最新情報を随時更新中！
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
アウンコンサルティングが＋114.89％で値上がり率トップ！
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキングのトップはアウンコンサルティング（2459）でした。3月17日に、顧客の海外販路の開拓・拡大支援を強化するため、中国のアリババグループ（BABA）の日本法人とビジネスマッチング契約を締結したことを発表。これが好感され、ストップ高を交えての上昇になりました。
値上がり率2位のエス・サイエンス（5721）は3月17日、財務基盤の強化と成長機会の創出を目的に、新たに暗号資産投資事業を開始すると発表したことが材料視されました。
値上がり率3位のペルセウスプロテオミクス（4882）は3月18日、真性多血症患者を対象とした抗体「PPMXT003」の第1相試験について、治験総括報告書が完成したと発表したことが材料視されました。
一方、今週の値下がり率ランキングの1位はインスペック（6656）でした。3月14日、2025年4月期の単独最終損益について従来の8000万円の黒字から1億5000万円の赤字へ予想を引き下げたことが嫌気されました。
値下がり率2位のジィ・シィ企画（4073）は3月10日、トランザクション・メディア・ネットワークス（5258）との資本業務提携を深化させることに合意したとの発表が材料視され、ストップ高を交えて上昇。しかし、18日に1325円まで買われた後は下落に転じ、換金売りの流れとなりました。
| ■今週の値上がり率 トップ5 | ||
| 順位 | 先週末比（％） | 銘柄名（市場・コード）※クリックで最新株価・チャートへ |
| 1 | ＋114.89 | アウンコンサルティング（東S・2459） |
| 2 | ＋114.29 | エス・サイエンス（東S・5721） |
| 3 | ＋49.86 | ペルセウスプロテオミクス（東G・4882） |
| 4 | ＋48.01 | ディーエムエス（東S・9782） |
| 5 | ＋41.25 | ライトワークス（東G・4267） |
| ■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
| 順位 | 先週末比（％） | 銘柄名（市場・コード）※クリックで最新株価・チャートへ |
| 1 | −23.86 | インスペック（東S・6656） |
| 2 | −23.54 | ジィ・シィ企画（東G・4073） |
| 3 | −23.23 | ギフトホールディングス （東P・9279） |
| 4 | −20.98 | 学びエイド（東G・184A） |
| 5 | −20.35 | REVOLUTION（東S・8894） |
| ■今週の出来高 トップ5 | ||
| 順位 | 出来高（株） | 銘柄名（市場・コード）※クリックで最新株価・チャートへ |
| 1 | 604,323,600 | NTT（東P・9432） |
| 2 | 465,775,700 | 三菱重工業（東P・7011） |
| 3 | 349,759,800 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ（東P・8306） |
| 4 | 305,515,500 | 東電力ホールディングス（東P・9501） |
| 5 | 305,332,200 | ジャパンディスプレイ（東P・6740） |
【来週の主要イベント】
米国・欧州・ドイツのPMI、米国の個人消費支出（PCE）、
日銀金融政策決定会合の議事要旨、ミライロなど6社のIPOに注目！
来週は以下のようなイベントが予定されています。
＜3月24日（月）＞
◆ミライロ（335A）東証グロース上場
◆独3月製造業購買担当者景気指数（PMI）速報値
◆独3月サービス部門購買担当者景気指数（PMI）速報値
◆欧3月製造業購買担当者景気指数（PMI）速報値
◆欧3月サービス部門購買担当者景気指数（PMI）速報値
◆米3月製造業購買担当者景気指数（PMI）速報値
◆米3月サービス部門購買担当者景気指数（PMI）速報値
◆米3月総合購買担当者景気指数（PMI）速報値
＜3月25日（火）＞
◆ビジュアル・プロセッシング・ジャパン（334A）東証グロース上場
◆日銀金融政策決定会合議事要旨
◆独3月IFO企業景況感指数
◆米1月ケース・シラー米住宅価格指数
◆米2月新築住宅販売件数
◆米3月消費者信頼感指数（コンファレンス・ボード）
◆米3月リッチモンド連銀製造業指数
＜3月26日（水）＞
◆2月企業向けサービス価格指数
◆英2月消費者物価指数（CPI）
◆英2月小売物価指数（RPI）
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米2月耐久財受注
＜3月27日（木）＞
◆ダイナミックマッププラットフォーム（336A）東証グロース上場
◆ZenmuTech（338A）東証グロース上場
◆米10-12月期四半期実質国内総生産（GDP）確定値
◆米新規失業保険申請件数
＜3月28日（金）＞
◆プログレス・テクノロジーズ グループ（339A）東証グロース上場
◆トヨコー（341A）東証グロース上場
◆3月東京都区部消費者物価指数（CPI）
◆英10-12月期四半期国内総生産（GDP）改定値
◆英2月小売売上高
◆英1月貿易収支
◆独3月失業率
◆欧3月消費者信頼感
◆米2月個人所得
◆米2月個人消費支出（PCE）
◆米3月ミシガン大学消費者態度指数確報値
【来週の注目銘柄】
「クリエイト・レストランツ・ホールディングス」
「日鉄ソリューションズ」「ジェイテクト」の3銘柄をピックアップ！
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
| クリエイト・レストランツ・ホールディングス（2025年3月21日時点） | ||||
| 業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
| 小売業 | 東P・3387 | 1343円 | 46.3倍 | 7.19倍 |
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店舗の設計施工管理を内製化してコストを削減 3月19日に子会社のSFPホールディングス（3198）と共同で合弁会社「FastWorks」を設立し、これまでグループ各社で行っていた店舗の設計施工管理を新会社に一元化すると発表しました。資材価格や人件費などが上昇するなか、取引先を集約しての価格交渉力を高め、コストを削減する計画です。株価は、2月7日につけた高値1370円をピークに調整を見せていましたが、上向きで推移する13週移動平均線が下値支持線として機能しており、リバウンドが期待されます。 |
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| 日鉄ソリューションズ（2025年3月21日時点） | ||||
| 業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
| 情報・通信 | 東P・2327 | 4080円 | 28.1倍 | 2.93倍 |
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良好なIT需要を背景に各セグメントともに業績好調 2025年3月期・第3四半期の業績は、良好なIT需要を背景に、売上収益が前年同期比9.2％増の2402億9400万円、営業利益が同27％増の295億8700万円でした。各セグメントがいずれも好調で、ビジネスソリューション部門では日本製鉄（5401）向けが高い水準で安定。また、金融分野の全般、産業分野の自動車・自動車部品向けや電気・情報機器向け、さらに食品・飲料分野が堅調でした。株価は、2024年11月の高値と2月の高値が「ダブルトップ（二点天井）」を形成後に調整していましたが、13週・26週移動平均線付近での攻防を経て、足元で両線を上回ってきました。 |
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| ジェイテクト（2025年3月21日時点） | ||||
| 業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
| 機械 | 東P・6473 | 1173.5円 | 74.6倍 | 0.46倍 |
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グローバルでの構造改革が全地域で計画通りに進捗 ベアリング（軸受）を主力製品とし、グローバルに事業を展開する精密機器メーカーです。グローバルでの生産再編を進めており、減損損失および事業再編損を計上したことで、2025年3月期・第3四半期の業績は最終損益が82億5100万円の赤字（前年同期は76億8200万円の黒字）でした。構造改革については全地域で計画通りに進捗しており、米国、欧州、中国の構造改革費用を織り込んでいます。株価は、2024年8月5日につけた安値844.3円をボトムに上昇が続いており、1月下旬以降、一時26週移動平均線を下回る場面もありましたが、おおむね52週移動平均線が下値支持線として機能しています。週足の一目均衡表では雲上限での攻防を見せており、同水準を上抜けてくるようだと、上昇の勢いが一段と強まりそうです。 |
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【※今週のピックアップ記事！】
⇒｢3月に権利が確定する株｣の配当利回りランキング！ 利回り6.5％の｢エフ・シー・シー｣、同6.2％の｢矢作建設工業｣や｢商船三井｣など、高配当株50銘柄を紹介！
⇒日経平均株価の｢2025年4月中旬まで｣の値動き予測！ トランプ関税により米国でインフレや景気後退のリスクが高まり、日本株も軟調な展開になる可能性あり！
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