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ドル/円は協調介入への警戒感が高まって一気に5円近くも円高に!
直前に流れた日米当局による「レートチェック」観測で円が急騰
外国為替市場で急速に円高が進み、日経平均株価が調整色を強めています。1月23日のNY円相場は4営業日ぶりに大幅反発し、前日比2円65銭円高・ドル安の1ドル=155円70〜80銭で取引を終了。一時は155円60銭近辺と、2025年12月下旬以来1カ月ぶりの円高水準をつけました。
米ドル/円チャート/15分足・3日(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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急激な円高のきっかけは、日米当局による「レートチェック」観測が流れたことです。レートチェックとは、為替介入の実務を担う中央銀行などが民間銀行などの市場参加者に対して取引を前提に価格を照会することです。折り合いがつかなければ「ナッシング・ダン(取引不成立)」となり、実際の売買に踏み切れば「介入実施」となります。つまり、レートチェックは為替介入の準備段階として意識される、典型的な当局の行動なのです。
日銀は1月23日の金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決めました。これは市場の予想通りの決定です。会合後の記者会見で植田和男総裁は、追加利上げに積極的な姿勢を示しませんでした。これは金利面からの円売り材料なので、ドル/円相場は1ドル=159円台前半まで円安が進みました。
しかしながら、同日の17時前にドル/円相場は一時的に157円台前半まで急騰しました。この急騰は、記者会見直後に「日銀がレートチェックを行ったのではないか?」との噂が市場に流れたからです。
さらに、その後「ロンドンの金融仲介業者が、米国の財務省の指示でFRBがレートチェックをしていると明かした」などのニュースが伝わり、米国当局による為替介入への警戒感から円の買い戻しが一段と加速しました。
円高は、わが国の輸出企業にとって悪材料です。このため、1月24日の日経225先物の夜間取引終値は800円(1.48%)安の5万2900円と、大幅安となりました。そして週明け26日の日経平均株価は、終値で前週末比961.62円(1.79%)安の5万2885.25円でした。 なお、翌1月27日の日経平均株価は反発し、前日比448.29円(%)高の5万3333.54円で終えました。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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財政悪化への懸念や日銀の早期利上げが見込めないことから、
これ以上の円高進行を過度に心配する必要はない!
1月20日の新発10年物国債利回りが一時2.380%まで上昇し、1999年2月以来、27年ぶりの高水準をつけました。
日本10年債利回りチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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国内長期金利の上昇に歯止めがかかっていない状況に関して、日銀の植田総裁は1月23日の記者会見で「例外的な状況では、機動的にオペ(公開市場操作)を実施することもある」と述べました。日銀が長期金利の上昇に対して対応する用意があることを確認できたことは、債券市場のみならず、株式市場にもポジティブな材料です。
日本では、衆議院が1月23日の本会議で解散して以降、事実上の選挙戦が始まっており、与野党各党が選挙に向けて消費税減税を掲げています。そのため、選挙結果にかかわらず財政悪化が進むとの懸念が強まり、長期債が売られると同時に円安・ドル高圧力がかかっていました。
ですが、1月23日以降の日米当局の動きから、日本単独でなく、米国との協調介入の可能性が高まりました。つまり、安易に円を売れない状況に変化したのです。
ちなみに1月27〜28日のFOMCでは、政策金利の据え置きが見込まれており、日米の金利差は当面の間は変化しないでしょう。そうなると、金利面からドル/円相場のボラティリティは低下し、値動きは落ち着いていくことでしょう。ドル/円相場が落ち着けば、わが国の輸出関連企業にも売り方の買い戻しや押し目買いが入ってくるはずです。
なお、財政悪化懸念が燻っていることや日銀が早期利上げに踏み切る可能性が低いことから、円が対主要通貨で一方的に買われていく状況ではありません。よって、足元の円高進行を過度に警戒する必要はないと思っています。
日銀が発表した「経済・物価情勢の展望」によると、
急速なインフレは落ち着き、日本経済は緩やかな成長が継続!
それはさておき、日銀は1月23日、「経済・物価情勢の展望(2026年1月)」を発表しました。これによると、日銀は先行きの日本経済に関して、政府の経済対策や緩和的な金融環境などに支えられて所得から支出への前向きな循環メカニズムが徐々に強まることから、緩やかな成長を続けると考えているようです。
具体的に見ていくと、まず物価の先行きについては、政府による物価高対策の効果もあり、2026年前半には消費者物価(除く生鮮食品)が前年比で+2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくとしています。
企業収益は全体として高水準が続き、その後は内外需要の増加から増益基調が明確になっていくと予測。また、設備投資は、人手不足に対応する省力化・デジタル関連投資や研究開発投資を含め、増加傾向が続くとのことです。
そして、2026年の春季労使交渉は、2025年に続き、幅広い企業でしっかりとした賃上げが実施され、名目賃金も高めの伸びが続くと見込んでいます。
株式市場関係者の見方と日銀の経済・物価情勢の展望は、ほぼ一致していると私は考えています。つまり、日本経済の緩やかな成長が続くなか、インフレはゆるやかに進行する。そのような環境下で企業収益は高水準を保ち、設備投資も積極的に実施。そして、賃金上昇の追い風を受けて、個人消費も底堅く推移するということです。結論として、日本株の下値は非常に堅いと見てよさそうです。
自民党が政権公約として掲げる「17の戦略分野」と
「レアアースなどの重要鉱物」への積極的な投資に期待
このような良好な投資環境のもとで、2月8日投開票の衆院総選挙が行われます。
自由民主党は、1月21日に「総選挙に向けた政権公約」を発表しました。経済に関しては、高市内閣が進める「17の戦略分野」へ集中的に投資するほか、レアアースなどの重要鉱物について鉱山開発・精錬事業への支援や国家備蓄などによる安定供給の確保、さらには先端的な重要技術の実用化・保護を図るため、シンクタンクや対日外国投資委員会(日本版CFIUS)の創設に向けた法整備を進めるとしています。
また、飲食料品を2年間限定で消費税の対象外とすることについては、社会保障と税の一体改革を議論する「国民会議」で財源やスケジュールの検討を加速するとしました。
消費税減税に関しては、財源問題があるのでそう簡単には実現しないかもしれません。ですが「検討を加速」なので、実現しなくとも「公約違反」にはならないでしょう。
それよりも、投資家として期待するべきポイントは「17の戦略分野」への集中的な投資や、レアアースなどの重要鉱物の確保を目指す「鉱山開発・精錬事業への支援」だと思います。もし、自民党が今回の選挙で躍進すれば、「高市トレード」が加速するでしょう。
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