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「コロナ・ショック」で業績が悪化する業種、好転する業種をアナリストが指摘! 今注目されている業種「小売」と「外食」の今後の展望も解説!
発売中のダイヤモンド・ザイ5月号は「【緊急大特集】どうなる日本株」を掲載! 新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中の株式市場が大パニックに見舞われていることはご存じのとおり。そこで、ダイヤモンド・ザイでは、アナリストなどの相場のプロ68人に、今後の株価の推移や実体経済の動向、新型コロナウイルスによる打撃が大きい業種・小さい業種などについて解説してもらってる。先行きが見通せず、投資の方針を決めかねて途方に暮れている人には参考になるはずだ。
今回は特集の中から、アナリストなどの相場のプロ68人に聞いた「業種別『コロナ・ショック』の影響度」をピックアップ!「コロナ・ショック」による打撃が大きい業種、それほど影響を受けない業種、逆に業績が好転しそうな業種をわかりやすく紹介している。さらに、注目業種の「小売」「外食」への影響度について掘り下げた記事も抜粋するので、投資の参考にしてほしい!
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アナリストが業種別に「コロナ・ショック」の影響度を診断!
“どしゃぶり”予想となったのはインバウンド・中国関連!
まずは、以下のグラフを見てほしい。このグラフは、アナリストなどの相場のプロ68人に、業種ごとの新型コロナウイルスの影響度を「天気予報」形式で診断してもらったものだ。「雨(業績に大打撃)」「くもり(さほど影響なし)」「晴れ(需要増で好影響)」の3段階で評価されている。
多くのプロが「雨」(悪影響)を予想したのが、「ホテル」や「航空」「化粧品」など、インバウンド(訪日外国人客)の恩恵を受けてきた分野だ。東京オリンピックに向けて盛り上がっていただけに、株価の落ち込みも激しい。小売の中では、特にインバウンドの売上が大きい「百貨店」の業績悪化を懸念する声が目立った。
一方で「さほど影響がない」業種として挙げられたのが、「不動産」や「建設」と「電力」「ガス」などの公益関連だった。Jリートや太陽光発電に投資する「インフラファンド」も、「分配金利回りが高く、むしろ相対的に魅力が高まった」との声が聞かれた。
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また、5G関連や情報通信の関連業種も「影響なし」と考えるプロが多くいた。証券ジャパンの大谷正之さんは、「新型コロナウイルスとは関係なく、5G投資やIoT(モノとモノをつなぐインターネット)化によって、『半導体』や『電子部品』への需要の拡大は続く」と見ている。
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なお、好影響を受けそうな分野では「医療」や「医薬品」関連がダントツだった。アナリストからは、「マスクや衛生用品を生産するメーカーは1~3月期の業績が強めに出そう」「新型コロナウイルスの検査装置を扱う栄研化学(4549)に注目」といったコメントが目立っている。
ただし、マスク関連の小型株は株価がすでに急騰。「株価の動きは一過性で、今から手を出さないほうがいい」(マーケットコメンテーターの岡村友哉さん)との意見も出ている。また、在宅ワークを支援するテレワーク関連は、今回をきっかけに普及が進み、長期的にも有望と見る向きが多かった。
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2月下旬以降、日経平均株価は急落し、混乱相場が続いている。フィスコの小林大純さんによると、このようなときは「影響が少ないと見られる一部の銘柄に資金が集中しがち」だ。さらに、市場エコノミストの神谷尚志さんは、「すでに悪影響が大きい業種はかなり売られ、好影響が見込まれる銘柄は買われて割高になっている」と分析している。
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「小売」業種の「百貨店」や「アパレル」は大ダメージ!
「ドラッグストア」はインバウンドが減少するも、プラス要素あり
ここからは、注目業種の「小売」と「外食」について、掘り下げて解説していこう。ひと口に「小売」や「外食」などと言っても、業態はさまざまだ。そこで、ここからはいくつかのジャンルに分けて紹介する。
まずは「小売」から。小売の代表格である「百貨店」は、苦戦が予想されている。中国の武漢市が封鎖された翌日から、中国の長期休暇である春節が始まったこともタイミングが悪かった。
「春節は百貨店にとって重要な商戦期。もともと消費税の増税で消費の勢いが鈍っていたため、春節でインバウンド消費が振るわなかったことは、三越伊勢丹ホールディングス(3099)や高島屋(8233)などの百貨店にとって痛手です。2月中旬までの全国の百貨店の売上は、昨年の同時期と比べて1割以上減っています」(岩井コスモ証券の川崎朝映さん)
中国だけでなく、世界各国が人の移動を制限したことも、百貨店にとってはマイナスだ。
「感染のピークが過ぎて、人の行き来が戻ることがまず大事です。さらに、購買意欲の復活も待たなければならず、百貨店での消費が戻るまでには時間がかかるでしょう」(岩井コスモ証券の有沢正一さん)
続いて、「アパレル」も小売業種の一種だが、影響はどうか。ファーストリテイリング(9983)は中国にユニクロを750店舗(※2019年12月末時点)、良品計画(7453)は無印良品を256店舗(※2019年2月期時点)展開しているが、2月の初旬時点でそれぞれ半数以上の店舗を休業に。両社とも、3月下旬時点で感染の拡大が深刻化している欧州や米国にも多数の店舗を展開しており、ダメージは計り知れない。
流通業界に詳しいマーケティングアナリストの渡辺広明さんは、休業によるダメージを指摘する一方で、「アパレルの生産拠点は中国に多く、欠品による機会損失も心配です」と、商品供給面での影響も懸念する。
その一方で、岩井コスモ証券の有沢正一さんは「一時的な業績悪化が見られても、これまで築いてきたブランド力が回復を後押しする」と前向きな見方だ。「特に注目しているのは、消費者目線の商品開発が上手いワークマン(7564)。国内向けなので新型コロナウイルスの影響も小さいと見ています」
今何かと注目されている「ドラッグストア」も小売業の一種。大手ドラッグストアチェーンの場合、“マスク特需”などのプラス要素はあるものの、店舗によっては売上の激減も予想される。
岩井コスモ証券の有沢正一さんは、「店舗の立地により、売上がインバウンド中心か、内需中心かに分かれている。インバウンドが減少しても、会社全体で見たときのダメージは大きくはないでしょう」と、ドラッグストアの店舗の分散効果を指摘。業績は少しマイナスになる程度と、ダメージは軽微の見通しだ。
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「外食」業種は「海外展開企業」と「居酒屋」への影響大!
ファーストフードは早期の回復に期待感!
続いて、「外食」業界についても、いくつかのジャンル別で、コロナ・ショックの影響度合いについて見ていこう。
まずは、大手外食チェーンのうち、海外展開に積極的な「海外出店企業」について。新型コロナウイルスの感染拡大により、真っ先に影響を受けることになったのは、中国で店舗を多く展開している銘柄だ。
たとえば、ファミリーレストランのサイゼリヤ(7581)は、中国の上海や広州、北京で計300店舗以上を運営。前期は同地域で、営業利益全体の3割近く(約27億円)を稼いでいたが、感染の拡大を受け、店舗の休業に追い込まれていた。
「2020年1月26日から2月9日までの休業分だけでも、売上が約10億円、営業利益で3億~5億円ほど減る計算です」(いちよし経済研究所の鮫島誠一郎さん)
その後も多くの店舗で休業が続き、一部を除いて営業を再開したのは、2月の最終週だ。休業期間が長引いたうえに、消費の停滞が続く場合は、さらに影響が拡大するだろう。
同様に、牛丼の「すき家」を運営するゼンショーホールディングス(7550)も、中国で300店舗以上を運営している。サイゼリヤもゼンショーホールディングスも、中国での展開は直営店舗で進めており、「フランチャイズであれば影響は比較的小さくなるが、直営で展開する場合は、中国での売上減少がそのまま業績に影響しやすい」(SBI証券の田中俊さん)とのことだ。
もちろん、中国だけでなく米国や欧州に展開している外食チェーンも打撃を受けることは間違いない。
外食の中心的な存在である「ファーストフード」業界はどうか。2月中旬までは新型コロナウイルスの感染拡大による影響は見られなかったが、政府から「不要不急」の外出自粛やイベントの中止・延期の要請が出された2月下旬から、状況は一変した。ファストフードは人通りの多い場所への出店が多く、人出の影響を受けやすいためだ。
「日本マクドナルドホールディングス(2702)のように、コラボイベントで客数を増やした企業には、自粛がマイナスに働きそう。ただ、人通りが戻れば、ファストフードは回復しやすい」(岩井コスモ証券の有沢正一さん)
国内の感染が加速度を増すような事態にならなければ、回復も早いだろう。
ファストフードとは違い、当初から感染拡大の影響が大きいと見られていたのが、夜の飲食の舞台となる「居酒屋」だ。屋形船の感染例(複数人の密室での会食)が話題になり、自粛の対象になってしまったのが痛かった。3~4月の歓送迎会や花見といった、例年なら「稼ぎ時」となるイベントも自粛が続く見通しで、業績の大幅な悪化は免れないだろう。
さて、ここまで「小売」と「外食」の状況について分析した記事を抜粋してきた。ダイヤモンド・ザイ5月号では、そのほかにも注目業種の状況分析・今後の展望などについて解説しているので、誌面も併せてチェックしてほしい!
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