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世界保健機関(WHO)は4月13日、新型コロナウイルスから回復した感染者に免疫がついているかは不明との見解を示しました。まだ「不明」という段階ではありますが、もし「免疫ができない」のであれば、一時話題となった「集団の中で一定以上の割合の人が感染して免疫を持つと、それ以上は感染が広がりにくくなる」という「集団免疫」の考え方が机上の空論だったことになります。さらに、一度感染拡大が収まった国や地域でも油断はできず、再度の感染拡大を強く警戒する必要があるということを意味します。
イタリアや米国では、新型コロナウイルスの免疫の有無を調べる「抗体検査」が本格化しているようですが、ここで良い結果が出ることを祈るしかありません。
各国政府は、経済的打撃を最小化させるために各種の規制をできるだけ早く解除したいと考えていいますが、もし抗体検査で望ましい結果が得られなければ、規制解除がさらに後にずれ込み、経済的打撃が拡大し続ける可能性も十分ありえます。
外出自粛でネット通販利用者が急増するのにともない、
「宅配ボックス」の需要拡大に注目が集まる!
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、生活必需品などをはじめとした日用品の購入や、ゲーム、書籍などの「巣ごもり消費」などで、世界中でネット通販の利用者が急増しています。
例えば、米国のアマゾン・ドット・コム(AMZN)は、増加する注文に配達が追いつかずに一部で配達遅延が生じたことから、3月中旬に約10万人を新たに採用。さらに4月13日にも、北米の物流施設や小売店などで7万5000人を追加で採用し、物流部門を強化すると発表しました。利用者数の急増により一部のサービスで注文制限を余儀なくされている苦しい現状を、人員の増加でなんとか改善したいという狙いです。
米国ほど外出自粛規制が厳しくない日本でも、ネット通販の急増により、宅配便などの配達員の仕事量が増加していることは間違いないでしょう。
そんな状況を踏まえ、今回は「外出自粛の長期化の可能性」「ネット通販需要の拡大」「感染への警戒感の高まり」という3つの観点から、「宅配ボックス(宅配ロッカー)」の関連銘柄に注目したいと思います。
直接接触することなく荷物の受け渡しができる「宅配ボックス」は、
配達側と受け取り側の双方にとってメリットが大きい
以前から、ネット通販の広がりにより配送業の現場における人員の不足が常態化し、業務の効率化が急務となっていたことから、その対策の一つである「宅配ボックス」は注目を集めていました。最近は、そうした業務の効率化に加え、新型コロナウイルスの感染対策としての役割も期待されています。
実際、ヤマト運輸は4月に入ってから、東京都や千葉県、山形県において、配達ドライバーが新型コロナウイルスに感染していたことを発表しました。外出を控えてリモートワークで働いている人に比べ、各所を移動して回っている配達員の方々の感染リスクが相対的に高いことは否めません。
新型コロナウイルスの感染対策の観点からも、直接接触することなく荷物の受け渡しができる「宅配ボックス」は、配達側と受け取り側の双方にとってメリットが大きいと言えます。
配達時に不在の場合に荷物を玄関や車庫に置く「置き配」を使い人も増えているようですが、やはり「荷物が雨に濡れた」「へこんでいた」「置き方が悪かった」「盗難にあった」といったクレームも多数あるようです。
家族以外の人との接触することを避けつつ、安全に宅配を受け取ることができる「宅配ロッカー」の需要は、今後ますます高まっていくでしょう。
なお、銘柄選定にあたっては、短期スパンでの売買を想定し、株価の値動きが少ない銘柄や値嵩株を除外しました。また、短期の売買ということで、業績などのファンダメンタル面は考慮しませんでした。
【アルファ(3434)】
自前のスイカやパスモを解錠用のカギとして使える
アルファ(3434)は、自動車向けを中心としたロック(カギ)メーカー。セキュリティ技術を応用して住宅・産業用にも事業領域を広げており、住宅用電気錠や住宅用メカ錠、宅配ボックス、コインロッカーなども手掛けています。その中の一つ、電池式宅配ボックス「ed-CUBE(イーディーキューブ)」は、使用者が登録した暗証番号や ICカードで荷物の取り出しを行うので、従来のダイヤル式よりセキュリティが格段に高くなります。さらに、自前のスイカやパスモを登録し、解錠用のICカードとして利用することもできます。
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【ダイケン(5900)】
宅配ボックスを設置することで自社の賃貸物件を差別化
ダイケン(5900)は、外装・内装建材などを扱う企業です。ビル、集合住宅、戸建住宅と事業範囲は広く、そのうちの一つとして「宅配ロッカー」を手掛けています。不動産賃貸事業も展開しており、宅配ボックスをはじめとした自社の設備機器を設置することで、他の物件と差別化し、入居率の向上を図れる点は強みでしょう。
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【三和ホールディングス(5929)】
「宅配ロッカー」とマンションドアを一体化
三和ホールディングス(5929)は、シャッターを中心とした大手建材メーカー。グループ会社の三和シヤッターが、新製品「トレドール るす楽(らく)」を3月9日より発売しました。これは、マンションドアに「宅配ロッカー」を合体させた製品で、不在時でも配達物を受け取ることができるのはもちろん、ドアを開けずに内側の扉から荷物を取り出せるのが便利。大型の荷物の受け取りにも対応しており、採用拡大に向けた企業側の拡販に期待がかかります。
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【グローリー(6457)】
宅配便の受取用ロッカー「LEBシリーズ」を展開
グローリー(6457)は、貨幣処理機の大手ですが、宅配荷物の受取用ロッカー「LEBシリーズ」も手掛けています。以前から駅などで用いられるコインロッカーを展開しており、「宅配ロッカー」はそこからの派生商品という位置づけです。そのため、事業規模的に「宅配ロッカー」が業績に寄与する割合は低いのですが、「宅配ロッカー」関連銘柄の一角として値上がりした実績があるため、今回も押さえておきたい銘柄です。
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【ヤマトホールディングス(9064)】
業界初のセルフ型店舗「クロネコスタンド」をオープン!
ヤマトホールディングス(9064)は、グループ傘下のヤマト運輸が昨年5月、24時間365日、好きなタイミングで荷物の受け取りや発送ができるセルフ型店舗「クロネコスタンド」をオープンしました。他にも、ネオポストシッピング社との共同出資によりPackcity Japan社を設立し、オープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を展開しています。宅配会社のヤマトホールディングスにとっては、「クロネコスタンド」や「PUDOステーション」の拡大による業務の効率化は重要事項であり、今後の展開に注目が集まります。
前回のコラムで注目した「食品容器」関連も一時は株式市場で人気化しましたが、新型コロナウイルスを中心とするテーマ銘柄については、依然として「循環的な物色」が継続しています。「循環的な物色」とは、注目される投資テーマなどが次々と替わっていく状況のことで、「新型コロナウイルス」に関連する銘柄としては、「マスク」⇒「臨床検査」⇒「検査試薬」⇒「テレワーク」⇒「食品」⇒「ゲーム」⇒「医療機器」など人気のテーマが短期間に入れ替わり、その後、再び「マスク」関連銘柄の人気化するといった形で、注目される銘柄がぐるぐると変遷しています。
長い期間、「新型コロナウイルス」が市場における話題の中心に位置しているため、投資家にも買い疲れ感が出てきたようです。しかし冒頭で説明した通り、外出自粛の長期化が予想される状況下、当面はこのまま「新型コロナウイルス」関連銘柄へ買いが集まると思われます。
ただ、「新型コロナウイルス」を中心とした関連(派生)テーマは数が多く、新サービスや新技術など新たな話題が出ると資金がそちらに素早くシフトする傾向にあり、短期でコロコロと需給状況が入れ替わりやすいという点は覚えておきましょう。新たなテーマには資金が集中しやすい半面、さらなる新しいテーマが出てきたときの下落も速いので、狙う際にも深追いは禁物です
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