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日本株は、コロナ・ショックによる底値からはそれなりに戻しました。日経平均株価については、3月19日の1万6358.19円から3月25日には1万9564.38円まで戻っています。また、4月3日から4月8日まで4連騰して、終値ベースで1534.52円(8.61%)の上昇を実現しました。
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現時点では、3月19日の1万6358.19円が「一番底」、3月25日の1万9564.38円が「ネックライン」、4月3日の1万7646.50円が「二番底」というチャートになっています。また、4月14日の前場終値は1万9402.32円で、25日移動平均線(14日前引け現在1万8440.94円)を上回っています。短期の需給もよさそうです。
日本株を取り巻く状況が改善し、
底値を脱した「4つの理由」とは?
日本株を取り巻く状況が改善した理由は、以下の通り大きく4つあります。
(1)米国、特にニューヨークでの新型コロナウイルスの感染拡大のピークアウト期待が高まったこと
(2)4月7日の緊急事態宣言の発令で、当面の悪材料出尽くし感が強まったこと
(3)大規模経済対策が策定されたこと
(4)産油国による協調減産で、原油価格下落に歯止めが掛かることへの期待が高まったこと
例えば、4月6日の日経平均株価は、前週末比756.11円高の18576.30円でした。この日の上昇は、ニューヨーク州での新型コロナウイルスでの死者数が前の日から減少したと伝わったことや、ロシアとサウジアラビアの原油減産合意が「非常に近い」と米国のCNBCが報じたことなどが好感された結果です。
なお、OPEC加盟国とロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」は4月12日、5月から日量970万バレルの協調減産で合意しました。
また、4月7日、安倍首相は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言を発令しました。感染が急拡大している東京や神奈川など7都府県が対象で、実施期間は5月6日までです。さらに、同じ4月7日には、事業総額108.2兆円という過去最大の経済対策が閣議決定されました。
これらを受けた4月8日の日経平均株価は、前日比403.06円高の1万9353.24円まで上昇しました。政府の緊急事態宣言を受けて当面の悪材料が出尽くしたとの見方を強めた投資家や、大型経済対策を評価した投資家が、買い戻しを入れたと思われます。
ニューヨーク州知事は「最悪期は脱した」とコメント!
トランプ大統領は、最短で5月1日から経済・社会活動の正常化を示唆
ところで、現在、市場の最大の関心事は、「米国経済の再開の有無・時期」および「企業業績」です。
ニューヨーク州のクオモ知事は4月13日、「われわれが今後も賢くあり続けるなら、最悪期は脱したと確信している」と表明しました。この日は、カリフォルニア州やワシントン州なども経済再開で協議を始めると公表しました。
また、トランプ米政権は4月14日にも、医療専門家と経済界の代表で構成する「米国再開委員会」を開く予定です。政権はこの委員会に、4月30日が期限となっている政府の行動自粛要請の終了・延期について検討を依頼します。なお、トランプ米大統領は10日、最短で5月1日から経済・社会活動の正常化を目指す可能性を示唆しました。
ソフトバンクグループと安川電機は、
決算こそ大幅に悪化したものの株価は底堅く推移
企業業績に関しては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大幅な前期の業績悪化や、今期見通しを「未定」と発表する企業が続出することが見込まれます。
例えば、ソフトバンクグループ(9984)は4月13日、2020年3月期の営業損益が1.35兆円の赤字になったと発表しました。主に、市場環境の悪化を受けたソフトバンク・ビジョン・ファンドにおける投資の公正価値の減少にともない 当期において約1.8兆円の投資損失を計上する見込みであることによるものです。
また、安川電機(6506)が4月10日に発表した2020年2月期の連結決算は、売上高が4109.57億円(前期比13.4%減)、営業利益が223.39億円(同55.1%減)、経常利益が233.61億円(同54.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が144.49億円(同64.9%減)でした。
米中貿易摩擦の長期化による影響拡大などにより、グローバルで設備投資に慎重な姿勢が強まったそうです。年後半にかけては、南北アメリカ大陸や韓国などアジアの一部で半導体関連需要の回復が見え始めたものの、期末に発生した新型コロナウイルスの影響もあり、総じて厳しい状況となったということです。
2021年2月期通期連結業績予想については、新型コロナウイルスの感染拡大による顧客の設備投資の動向が不透明であり、通期業績を見通すことが困難な状況にあるため、公表を見送りました。代わりに出した2020年3~5月期(第1四半期)の業績予想は、売上収益925億円、営業利益40億円、親会社の所有者に帰属する当期純利益で30億円を見込んでいます。
ちなみに両社の株価ですが、ソフトバンクグループの4月14日の前場終値は前日比139円(3.31%)高の4339円でした。また、安川電機については、10日終値3050円に対して、14日前場終値は前日比160円(5.24%)高の3215円でした。
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このように、足元業績の悪化が明らかになり、先行きも新型コロナウイルスで見通せないということを正直に公表しても、株価は底堅く、堅調です。ということは、「業績悪化・先行き不透明」は相場には織り込み済みなのだと思います。
3月決算企業の決算発表が一巡すれば、
「悪材料の出尽くし」から相場環境は改善!
そうこう考えると、主力の3月決算企業の決算発表が一巡する5月中旬には、日本の株式市場は悪材料が出尽くして下げ止まる、いわゆる「アク抜け」する可能性が高そうです。
逆に、決算が一巡するまでは、「不透明感」が残るため、相場がスッキリと上がることも難しそうです。
ですがテクニカル的には、日経平均株価が25日移動平均線を上回って推移する限り、「上値は重くても、底堅い推移を続け、戻りを試し続ける」と見ています。
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最後に、物色テーマですが、新型コロナ感染拡大でメリットを享受する「テレワーク」「巣ごもり消費」「動画配信」「ネット通販」「飲食宅配サービス」「米アマゾン関連の宅配やAWS」などが面白いと考えます。
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