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謹んで新春をお祝い申し上げます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。そして、本年も変わらぬご愛顧のほど心よりお願い申し上げます。
年明け早々、新型コロナウイルスへの政府の対応が急激に変化しました。政府が、東京など1都3県を対象とした緊急事態宣言について、最短で1月7日に発令する日程を検討していると伝わっています。
しかし今回は、緊急事態宣言を発出しても、小中高校を対象にした一斉休校の要請は行わず、1月16日からの大学入学共通テストは予定通り実施し、コンサートなどのイベントも全面的な制限は行わない方向で調整しているそうです。つまり、今回は飲食店の営業時間短縮などに絞った対策となる見通しです。
なお、東京都の小池百合子知事は、1月4日の記者会見で「国の緊急事態宣言が発出された際には改めて制度を確定するが、例えば1月8日から、(営業時間を)午後8時までに短縮してもらうようにさきほど1都3県で合意した。そして、1月12日以降については飲食店全般に午後8時までの営業時間の短縮をお願いすることになる」と語っています。
ちなみに、緊急事態宣言は新型コロナ対策の特別措置法に基づくものです。政府・与党は、その実効性を高めるための特措法改正案を1月18日召集の通常国会に提出し、店舗が要請に応じた場合の給付金と応じない場合の罰則をセットにするということです。この法案について、政府・与党は2月初めの成立を目指しているもようです。
いずれにせよ、今回の緊急事態宣言の対象が飲食業に限定されていることから、この宣言による日本経済への影響は限定的と見てよいでしょう。
私は、もし緊急事態宣言を嫌気して、日本株が短期的に売られるようならば、そこは中期的には絶好の買い好機になると考えています。なぜならば、万が一、緊急事態宣言が日本経済を悪化させるような場合、政府・日銀は、さらに積極的な財政支出を決めると同時に、超絶金融緩和の強化策を打ち出してくる可能性が高く、結果として「カネ余り」が一段と加速するはずだからです。当然それは「中期的な株高要因」です。
実際、菅義偉首相は1月4日夜のTV番組で、自治体からの営業時間の短縮要請に応じた飲食店への協力金について「増額を考えている。こういうときにご協力いただくわけだから、そこは見直しをしてきたい」と表明しています。
新型コロナの感染再拡大の影響で、「巣ごもり消費関連」や
「テレワーク関連」「遠隔診療」などに物色の矛先が
菅義偉首相は1月4日の記者会見で、1月11日まで全国で一時停止中の観光支援事業「Go To トラベル」について「緊急事態宣言となれば、再開はなかなか難しいのではないか」と述べました。このため、物色面では、当面の間「飲食関係」や「旅行・観光関係」の銘柄は見送られると思います。
一方、新型コロナ感染拡大による業績への影響が限定的、または、むしろプラスに作用する「巣ごもり消費関連」や「テレワーク関連」「遠隔診療」などに物色の矛先が向かいそうです。
また、時価総額別では、大型株よりも中小型株が選好されそうです。昨年12月までは、「好調な大型株+冴えない中小型株」という展開が続いていました。しかしながら、昨年12月下旬までで「個人の節税売り」が一巡した結果、東証マザーズ銘柄など個人の関与率の高い中小型株の需給は大幅に改善したはずです。この需給改善効果で、1月相場では、新興市場を中心に、中小型株が人気化する可能性が高いと考えています。実際、2021年1月4日の大発会では、東証マザーズ指数は昨年末の大納会比25.52ポイント(2.13%)高の1222.01ポイントと、大幅に3日続伸しています。
これにより東証マザーズ指数は、5日移動平均線(1月4日現在1186.91ポイント)と25日移動平均線(同1189.83ポイント)はもちろん、75日移動平均線(同1220.90ポイント)も上回ってきました。75日移動平均線を終値で上回るのは、昨年12月4日以来のことです。昨年10月14日の1368.19ポイントからの調整は、昨年12月22日の1125.60ポイントで底打ちした可能性が高そうです。
今後、東証マザーズ指数が終値で25日移動平均線を割り込まない限り、個人投資家好みの中小型株については、私は「強気一択」です。ただし、割れたらいったん「中立」に引き下げます。
昨年11月〜12月は「大型株が勝ち組・中小型株が負け組」で、
優良大型株を長期で保有し続けている投資家の利益が増大
ところで、昨年11月の米大統領選挙をきっかけに、日経平均株価の急騰劇が始まったことは記憶に新しいことでしょう。具体的には、昨年10月30日の日経平均株価の終値は2万2977.13円でしたが、これが昨年12月29日には2万7568.15円まで上昇したのです。約2カ月で4591.02円(19.98%)もの上昇となりました。
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しかし、同期間の東証マザーズ指数は1171.25ポイントが1196.49ポイントと、わずか25.24ポイント(2.15%)しか上がっていません。つまり、この2カ月間については「大型株が勝ち組・中小型株が負け組」でした。
米国のフィデリティが2003〜2013年までの顧客パフォーマンスを調査したところ、投資成績の良かった人の属性は、1位は「亡くなっている人」、2位は「口座を保有していることを忘れている人」だったという話は有名です。また、市場関係者へのヒアリングベースでは、昨年11月から12月までの2カ月間については、ネット証券ではなく、大手の対面の証券会社で運用し、優良大型株を長期で保有し続けている投資家の含み益が凄まじく増加したそうです。
昨年12月某日、ある友人の証券マンは、「私のアドバイスに素直に従って売り買いをしてくれ、売買手数料を沢山落としてくれる客のパフォーマンスはさっぱりです。でも、私がそろそろ利食いましょうと助言してもまったく聞く耳を持たず、ガチホ(ガチでホールド)している客(まったく手数料を落としてくれない客)はメチャクチャ儲かっています。証券マンとして自信失いますよ」と言っていました。
「大型株に比べて出遅れていた中小型株が上昇」が
2021年の1月相場のメインシナリオ!
ですが、今年の1月相場に関しては、出遅れた中小型株が巻き戻し、先駆した優良大型株との水準訂正が加速するというのが私のメインシナリオです。
上昇相場では、物色は健全に循環します。例えば、成長株(グロース株)が買われ過ぎれば出遅れた割安株(バリュー株)が買われ始め、その間は成長株の上昇は一服します。また、大型株が買われ過ぎれば中小型株が買われ始め、その間は大型株の上昇は一服するものです。このような循環が繰り返されながら、成長株も割安株も、大型株も中小型株も、すべてが時間の経過と共に水準を切り上げていくのが上昇相場なのです。
2021年も投資で儲けたいのならば、この資金循環の流れを全力で読む努力をし続けましょう。そして、その読みが当たれば、効率的にあなたの資産は増えていくはずです。頑張って研究し続けてください。
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