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7月13日の米国株式場では、NYダウが伸び悩み、ナスダック総合指数が急反落しました。
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この日は、カリフォルニア州のニューサム知事が米東部時間の午後3時から会見し、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けてレストランの店内飲食や劇場などの閉鎖を命じたことをきっかけに、売りが加速しました。
しかしながら、新型コロナウイルスのワクチン開発や治療薬開発への期待の高まりを背景に、ここ最近の米国の株式市場は非常に強い動きであると評価しています。
新型コロナ向けのワクチンや治療薬の開発は順調!
「米国経済の正常化」への期待から株価は堅調に推移
米国株が強い値動きとなっている主因は、もし効果的なワクチンや治療薬が早期に実用化されれば、米国を中心に感染拡大が抑えられることになり、その結果、米国経済の正常化が加速することが見込めるからです。
具体的なワクチン開発や治療薬開発としては、ギリアド・サイエンシズ(GILD)が7月10日、コロナ治療薬「レムデシビル」を重症患者に投与した臨床試験で、死亡率が62%低下して症状も改善したと発表しました。
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⇒新型コロナ治療薬が話題の「ギリアド・サイエンシズ」を解説! その他「モデルナ」「リジェネロン」など、経済復活のカギとなるバイオ関連のリーダー企業を狙え!
また、7月10日、ファイザー(PFE)とワクチン開発で提携するドイツのバイオ企業のバイオンテック(バイオファーマシューティカル・ニュー・テクノロジーズ:BNTX)の共同創業者でCEOのウグル・サヒン氏が、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、ワクチンを年内に承認申請する見通しを示しました。そして13日、両社は、共同で開発中の新型コロナウイルスワクチンが、FDA(米食品医薬品局)により優先承認審査対象に指定されたことを明らかにしました。
バイオンテックとファイザーのワクチンに関しては、今月に入って初期段階の臨床試験で有効性や十分な忍容性(副作用への耐用性)を示したことが分かっており、治験の初期データは月内に公表される予定だそうです。
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このような状況を反映して、7月10日のNYダウは反発し、前日比369.21ドル高の26075.30ドルとなりました。また、ナスダック総合指数は3日続伸し、同69.69ポイント高の10617.44ポイントと3日続けて過去最高値を更新したのです。
中国の株式市場も力強い値動きが続いており、
7月9日には2年5カ月ぶりとなる高値を更新!
一方、ここ最近の上海株式市場も堅調です。
中国では、7月16日に発表予定の2020年4~6月期の中国の実質GDPが前年同期比1.1%増と、2四半期ぶりのプラス転換が見込まれています。このような景気回復期待を背景に、9日の上海総合指数は8日続伸し、前日比47.1534ポイント高の3450.5935ポイントと、およそ2年5カ月ぶりの高値を付けました。
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7月10日の上海総合指数はさすがに短期的な過熱感から9日ぶりに反落したものの、週明け13日にはさっそく反発し、前週末比59.9641ポイント(1.77%)高の3443.2863ポイントと、前週末に割り込んだ心理的な節目の3400ポイント台を再び回復しました。
米国や中国の株高が日本市場にも強烈な追い風に!
MACDとシグナルのゴールデンクロス達成も目前か
米国株高に加え、中国株高という追い風も吹いているため、日本株も当然強い動きになりつつあります。
確かに、7月10日の日経平均株価は、前日比238.48円安の2万2290.81円と弱い値動きでした。しかしこれは、ETFの分配金捻出に伴う売り需要が4000億円と試算されており、これが大引け前に出たことが最大の要因だと見ています。そして、そのような特殊な需給要因がなくなった週明け13日の日経平均株価は大幅に反発し、前週末比493.93円(2.22%)高の22784.74円と、6月10日の2万3124.95円以来およそ1カ月ぶりとなる終値ベースでの高値になりました。
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7月13日の大幅反発で、日経平均株価は再び25日移動平均線(13日現在2万2436.80円)を上回りました。また、MACD(12日-26日)は193.06、シグナル(9日)は203.62となり、ゴールデンクロスが実現しつつあります。
私はかねてより、日経平均株価が、6月15日の2万1529.83円と6月9日の2万3185.85円との間の「ボックス相場」を上放れて、上昇トレンド入りできるか否かのサインとして、MACDとシグナルの「ゴールデンクロスの有無」に注目していました。なぜなら、両線がゴールデンクロスするタイミングが、日経平均株価の上昇が加速するタイミングとなるはずと考えているからです。
同時に、ここまでの「ボックス相場」の継続により、東京株式市場では「時間調整」が順調に行われ、「過熱感がほぼ皆無」になっています。
私が「調整の進行度合い」を確認する際に最も重視している指標が、東証1部の騰落レシオ(25日平均)です。東証1部の騰落レシオは、6月2日には150.78%と「過熱(買われ過ぎ)」とされる120%を大幅に超えた後、6月10日まで概ね140%台の「過熱ゾーン」で推移していました。しかし、その後、日本株が「時間調整」に入って騰勢が一服した結果、7月8日から13日までの4日連続で70%台の「やや売られ過ぎ」ゾーンでの推移となっています。
この騰落レシオの推移から判断すれば、「相場の過熱を冷ますための時間的な調整局面」は“ほぼ終了した感“が強いと言えるでしょう。よって、東京株市場が再度上値を試すための態勢は、すでに整っていると考えています。
ただし、「米国株高」「上海株高」「日経平均株価の25日移動平均線上抜け」「MACDとシグナルのゴールデンクロスの実現確度の高まり」、そして「騰落レシオの調整一巡感」は、すべて所謂「状況証拠」です。やはり、確実な「物的証拠」がないと、日本株の確実な上昇トレンド入りは難しいでしょう。その「物証」となるのが、海外投資家による実需の日本株買いです。
海外投資家は、現物と先物の合算(ネット)で見ると日本株を売り越し続けています。7月第1週(6月29日~7月3日)に、“7週連続”で海外投資家は先物を買い越しました。日経平均先物とTOPIX先物を合算した買い越し額は401億円となったものの、現物株との合算では685億円の売り越しでした。この海外投資家による日本株の「売り越し」が、「買い越し」に転換したときこそ“実需”が発生して日本株が上昇トレンドに回帰するのではないかと考えています。
なお、米国株高が継続するなら、海外投資家のリスク許容度は増し、世界の景気敏感株である日本株の買い戻しに動く可能性は非常に高いでしょう。したがって、早晩、海外投資家は現物株と先物の合算で日本株を買い越してくるはずと見ています。
先行きが心配されていた新興市場の状況も改善へ!
25日移動平均線を安定的に上回れるかが今後のカギ
一方、前回の当コラムで先行きを心配していた東証マザーズ市場に代表される新興市場ですが、こちらも徐々に状況が改善しつつあるようです。
7月13日の東証マザーズ指数は、前週末比9.75ポイント(0.97%)高の1013.35ポイントと、依然として25日移動平均線(13日現在1014.78ポイント)を下回ったままですが、5日移動平均線(同1006.34ポイント)は上回って推移しています。また、2日の長大陰線(始値999.33ポイント、高値1000.78ポイント、安値941.85ポイント、終値948.39ポイント)の1000.78ポイントも上回ってきています。そして、MACD(12日―26日)は9.65、シグナル(9日)は14.54とデッド・クロス状態ながら、両線の乖離(スプレッド)は縮小しつつあります。
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このため、個人投資家の関与率の相対的に高い新興市場からの「資金抜けリスク」は低下しつつあると考えられます。
ただし、「強気」に転じるためには、少なくとも東証マザーズ指数が安定して25日移動平均線を上回って推移することが確認できてからということになります。つまり、現在は、急落リスクが低下したに過ぎない状態と考えています。それでも、1週間前からすれば、状況は良い方向に向かいつつあると言えるでしょう。
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