韓国で50万部の超ロングセラー、韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、中高生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。いま、再燃している『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、本書と、最新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』の共通点を紐解きながら、ゲーム依存から脱し、勉強で人生の活路を見出した2人の成功者からの学びを抽出します。今話題の本の魅力に迫る!(構成/ダイヤモンド社武井康一郎)

【成功の本質】「挑戦することに失敗する人」と「失敗するために挑戦する人」、あなたはどっち?Photo: Adobe Stock

「失敗」と決めつけない。「失敗」ではなく「ミス」として受け止める

 これまで『勉強が面白くなる瞬間』『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』の二大ベストセラーの共通点を紹介しながら、自分の人生を生き抜くヒントをお伝えしました。

「山あり谷あり」という言葉を聞きますが、行動した結果が「山」につながったわけで、もしかしたら、ずっと右肩下がりの人生かもしれないし、谷だと思っていたところが実は頂点であったということもあるかもしれません。

 2冊に共通するキーワードに「失敗」があります。前々回の記事で、アインシュタインの言葉を紹介しました。「失敗をしない人は、新しいことに挑戦しない人だ」でしたね。挑戦をしないのですから、失敗することもないというわけです。一方、果敢に挑戦する人は失敗するかもしれません。その失敗をだれが決めるのかも大事な視点です。

 残念ながら他人に「失敗」を決めつけられることがあります。かくいう私もありました。「失敗した本」と言われて、胸糞悪い思いをしました。果たして、本当に失敗だったのでしょうか。私は「失敗」とは思っていません。「失敗」とは「終わり」を決めつけることだからです。

『勉強が面白くなる瞬間』では、「怠惰」という表現を使って、このように表しています。

怠惰から抜け出すには、たった一つのことを決心すればいいのです。それは、前のような怠け者に戻ってしまったとき、なまじ「失敗」と決めつけないことです。
(中略)
一方、怠惰から抜け出せる人の反応は違います。彼らは自分の行動を「失敗」ではなく「ミス」として受け止めるのです。ここでいう「ミス」とは、やり直しが可能な誤りのことです。「失敗」ではなく「ミス」と考えれば、自分がなぜミスをしたのかを振り返り、もう一度決心して再スタートできるというわけです。これは実に鋭い指摘です。どんな人でも、いっぺんに怠惰から抜け出すことはできません。怠惰から抜け出すにはたくさんの試行錯誤が必要なのです。毎回自分の行動に対して「失敗」のラベルを付けてしまうと、一生を怠け者として過ごすはめになります。だから、試行錯誤を「失敗」ではなく「ミス」として受け止めるべきなのです。

 一方、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』では、失敗のリスクを甘受する勇気が必要といいます。同書には、失敗を恐れずに立ち上がり、自分の人生を切り開いた人のエピソードがあります。

・プロテニス選手セリーナ・ウィリアムズ「成功に向かう道に置かれた壁を突き崩せ」
・プロボクサー選手ジョージ・フォアマン「倒れてもまた立ち上がる者だけがチャンピオンになれる」
・インドの事業家ロニー・スクリューワーラー「失敗を抱き締めろ」
・印象派の画家クロード・モネ「好きなことに専念すれば成功できる」

 あなたはこの4人から何を学べるでしょうか。大事なことは、「成功の反対語は失敗ではなく、あきらめること」、松下幸之助の言葉です。

 誰かが失敗と言ったところで気にする必要はありません。

小さな失敗をたくさんしてこそ、成功に近づくことができるのです。挑戦することに失敗してはなりません。むしろ、失敗するために挑戦しましょう。

 と、『勉強が面白くなる瞬間』では、説いています。

決心を守りぬく過程では、誰もがミスを犯します。しかし、そのたびに一つずつ学んでいけばいいのです。挑戦を続ける限り、その人はもはや怠惰な人間ではありません。私たちの挑戦は、怠惰を完全に克服するまで終わらないのです。真面目に挑戦すれば、必ず怠惰に勝利できるでしょう。

 続けることの難しさは誰もが経験していることでしょう。「続ける」となると億劫に感じますが、「挑戦する」と考えると、いくばくか、心持ちが変わります。上記の4人のエピソードには、「人種・性別」「年齢」「無一文」「嘲笑」の壁を乗り越えた先に、成功がありました。自分自身、孤独で頼りないと感じたら、本があなたと共にきっと伴走してくれるでしょう。

「試してみたら失敗したとして、それがなんだ。もう一度試してみて、もう一度失敗すれば、次はもっとうまく失敗できる」