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日経平均株価は、緊迫化する中東情勢に振り回され、
大幅続落の翌日に大幅高になるなど不安定な相場環境に!
日経平均株価は10月4日の3万0487.67円で底打ちし、13日には一時3万2533.08円まで上昇する場面がありました。値幅で見ると2045.41円と、それなりの規模のリバウンドです。しかしながら、13日は大引けにかけて「戻り待ちの売り(=下落相場の途中で一時的に上昇したタイミングで売られること)」が優勢となり結局、終値は前日比178.67円安の3万2315.99円と、マイナス転換して取引を終えました。上値の重さを意識せざるを得ない値動きと言えます。
そして、10月13日の米国市場における、中東情勢の緊迫化を主因にした「原油先物高・ナスダック大幅安」を受け、週明け16日の日経平均株価は前日比656.96円安の3万1659.03円と、大幅続落となりました。
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ですが、10月16日のNYダウは前週末比314.25ドル高の3万3984.54ドルと続伸。ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発し、同160.75ポイント高の1万3567.98ポイントでした。
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この日は、イスラエルとハマスの戦闘が中東の周辺国を巻き込んだ形にならないようにするための、米国やロシアなどによる外交的な取り組みが加速したことが買い材料になりました。ただし、依然として中東情勢が不安定なため、上値は重かったです。
そうした米国市場の影響もあり、10月17日の日経平均株価は前日比381.26円高の3万2040.29円と大幅反発しました。
米国やロシアの外交努力などが中東リスクを低下させる一方、
シーア派武装勢力がイスラエルへの攻撃を激化させる可能性も浮上!
緊迫化する中東情勢に関してですが、イスラエル軍の広報官は10月14日の発表で、陸海空からのガザ攻撃が可能な準備が整ったとし、従来の空爆を中心にした攻撃から、ガザ北部を手始めに「かなりの規模」の地上作戦に局面が移ると述べました。このような状況に対してバイデン米大統領は、イスラエルがハマスに攻撃を続けていることに支持は表明しつつも、大規模な軍事作戦によって1967年の第3次中東戦争のときと同じように、ガザ地区を占領することについては反対する姿勢を示しています。
これに対して、イスラエルのヘルツォーク駐米大使は10月16日、「誰もが知っているように、われわれは地上作戦の準備もしている。地上作戦といっても、必ずしもガザを占領して何年もそこに留まるという意味ではない。その意図はない」と語っています。
そして、ブリンケン米国務長官は16日、バイデン大統領が18日にイスラエルを訪問すると発表しました。イスラエルとの連帯を示すとともに、紛争の地域的拡大を防ぐのが目的です。
一方、ロシア政府は10月16日、「プーチン大統領がパレスチナ自治政府のアッバス議長、エジプトのシシ大統領、イランのライシ大統領、シリアのアサド大統領と、イスラエルとハマスの戦争について電話で協議し、停戦の必要性で意見が一致した」と明らかにしました。
中東地域に大きな影響力を持つ米国やロシアなどの大国が紛争の地域的拡大を防ぐために外交努力していることに加え、イスラエルがガザの再占領を意図していないことが分かったことで、紛争の地域的拡大リスクが大幅に低下しました。これは世界の金融市場にとって、ポジティブなことです。
ただし、イランのアブドラヒアン外相は10月15日、イスラエルがガザへの攻撃をやめなければ「イランは単に傍観者でいることはできない」と警告しました。私は、現時点ではイランが表立って軍事介入する可能性は極めて低いと見ています。しかしながら、万が一、レバノン、シリア、イラク、バーレーン、イエメンなどで、イランの支援を受けるシーア派武装勢力がイスラエルへの攻撃を激化させ、それをきっかけに事態が一段と緊迫化するようだと、原油価格の急騰や世界同時株安が発生することでしょう。このため、緊張感を持って、事態の推移を見守る必要があります。
正直なところ、今回の武力衝突が一体いつ、どんな形で決着するのかは、まったく予測できません。このため、投資家サイドからすれば、最悪の事態が発生したとしても市場から一発退場にならないように、通常モードよりも資金・リスク管理を一段と厳しくしておく必要があります。特に、信用取引などを活用して身の丈以上の金額で相場を張っている投資家の方々は、くれぐれも一発退場の憂き目にあわないようにしておいて欲しいと思います。
米・長期金利が高止まりする今は「時価総額が小さいグロース株」への
投資は避けて「東証プライム市場に上場する大型株」を狙おう!
それにしても、東証マザーズ指数に代表されるグロース市場が酷いことになっています。前回の当コラムで「米国の長期金利のピークアウト」を期待し、「バリュー株」ではなく「グロース株」に注目しましたが、残念ながら大型グロース株はともかく、小型グロース株に関しては完全に期待外れでした。
グロース株が弱いのは、10月16日の米国10年債利回りが前週末比0.09%高い4.70%で取引を終えるなど、米国の長期金利がピークアウトする兆しが一向に見えてこないからです。長期金利高止まりの主因は、中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇で、インフレ再燃懸念が強まっていることです。
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日経平均株価は軟調とは言え、10月16日終値が3万1659.03円と、年初来安値である1月4日の大発会の2万5661.89円を大幅に上回っています。一方、16日の東証マザーズ指数の終値は前週末比22.97ポイント(3.36%)安の660.27ポイントと、2022年7月以来およそ1年3カ月ぶりの安値を付けました。また、同日の東証グロース市場指数は同27.65ポイント(3.16%)安の846.29ポイントと、10月4日の年初来安値872.19ポイントを下回り、終値ベースの年初来安値を更新しました。
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このように新興・グロース市場の株価指数が悲惨な状況ですから、グロース株を信用で買い建てている多くの個人投資家は、膨れ上がり続ける評価損と低下を続ける信用維持率に苦しんでいるであろうことは想像に難くありません。よって、チャートが悪化(株価が25日移動平均線を下回っている、など)して、かつ信用買い残が積み上がって信用需給の悪いグロース株は「アンタッチャブル」と考えます。
短期的には小型グロース株にも、リバウンドがあるかもしれません。しかしながら、投資環境全般が落ち着きを取り戻すまでは、国内外の機関投資家の押し目買いが見込める「東証プライム市場に上場する大型株」へ投資したほうが無難と考えます。仮に、中東で不測の事態が発生してショック安が起こっても、バリュエーション的に割安ゾーンに達すれば、機関投資家の買いが入ることが期待できるからです。
一方、個人投資家しか売り買いしないような「時価総額が小さいグロース銘柄」に関しては、機関投資家からの押し目買いは期待薄です。また、相場全体が冴えない状況になると、グロース市場に関しては、流動性が枯渇し、売りたくても売れない状況に陥るリスクも高まります。
だからこそ、投資環境が決してよろしくない現在のような投資環境下では、機関投資家の押し目買いが期待でき、かつ流動性リスクを心配する必要のない「東証プライム市場に上場する大型株」を選ぶべきなのです。
なお、大型株に関しては、9月中旬に株価がピークアウトしたバリュー系の銀行、鉄鋼などよりも、相対的に値動きの鈍かったハイテク株(半導体、電子部品等)を中心としたグロース系をおすすめします。なぜならば、バリュー系は少し“やり過ぎた(上げ過ぎた)”と見ているからです。当面は、バリュー系が調整する一方で、グロース系が日経平均株価な株価どの株価指数をサポート、または押し上げると見ています。
中東情勢が想定外に悪化しない限り、引き続き、市場には参加して戦い続けましょう。ただし、資金管理を常に厳格にすることは、決して忘れないでください。
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