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2023年は日経平均株価が約7500円の「大陽線」をつけた一方、
東証グロース市場250指数は3年連続で「陰線」をつける!
2023年の日本株を振り返ると、大型株は堅調でしたが小型株は軟調でした。
大型株の値動きを示す日経平均株価の2023年の大発会の始値は2万5834.93円でした。現在の水準(12月26日終値で3万3305.85円)で大納会を迎えれば、ローソク足の実体(ヒゲを除いた長方形部分)が約7500円の「年足・大陽線」となります。
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一方、小型株の値動きを示す東証グロース市場250指数(旧:東証マザーズ指数)の2023年の大発会の始値は726.52ポイントでした。12月26日の終値は674.65ポイントだったので、このままだと年足は3本連続(3年連続)で陰線となります。
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信用取引を積極的に活用して短期売買を繰り返す多くの個人投資家(アクティブ個人)は、値動きの激しい(ボラティリティの高い)新興市場(グロース市場)を主戦場にしています。その主戦場の新興市場が3年連続で冴えないため、アクティブ個人にとっては儲け難い1年だったと思います。
私の周りでは、とりわけ10月が大変な月になっていました。東証グロース市場250指数の10月の月足4本値は、始値732.19ポイント、高値735.95ポイント、安値618.70ポイント、終値648.36ポイントでした。安値の「618.70ポイント」は年初来安値です。この下落過程で多くのアクティブ個人が資産(タネ銭)を溶かしてしまったと聞いています。
もちろん、10月の日経平均株価も下落しました。10月の月足4本値は、始値3万2101.97円、高値3万2533.08円、安値3万0487.67円、終値3万0858.85円でした。ですが、年初来安値は2万5661.89円なので、10月に下がったと言ってもその安値は年初来安値よりも4825.78円も上の水準です。
振り返ってみれば、年初来安値を更新した東証グロース市場250指数とは異なり、日経平均株価については、10月の下落は健全な調整だったと言えます。
足元の日経平均株価は堅調に推移するものの
「3万3800円」辺りが非常に強いレジスタンスラインに!
10月に日本株が調整した主因は「米国の長期金利の上昇と米国株の下落」でした。しかしながら、長期金利の指標である米国10年債利回りは、10月19日の4.996%でピークアウトし、その後は順調に低下してきました。
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この金利低下を好感する格好で、米国の株式市場も底打ちし、ここまで順調に上昇してきています。12月25日はクリスマス休暇で米国の全市場が休場でしたが、前週末22日までの米国株は非常に強い動きを続けています。確かに22日のNYダウは、前日比18.38ドル(0.04%)安の3万7385.97ドルと反落しました。しかしながら、NYダウは、週間で見ると8週連続の上昇です。なお、12月22日に関しては、2024年5月期・第2四半期決算と併せて通期の業績予想の下方修正を発表したナイキが11.83%下落し、1銘柄でダウを95.32ドル押し下げたことが大きく影響しました。
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一方、12月22日のナスダック総合株価指数は続伸し、同29.11ポイント(0.19%)高の1万4992.97ポイントでした。そして、S&P500種株価指数も続伸し、同7.88ポイント(0.16%)高の4754.63ポイントでした。
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もちろん、日経平均株価も米国株の底打ちを好感する格好で、10月4日の3万487.67円を直近安値にして、堅調に推移しています。ですが、11月20日の3万3853.46円、11月24日の3万3817.86円、11月27日の3万3811.41円、そして12月20日の3万3824.06円がここ最近の高値となっています。つまり、3万3800円レベルが非常に強いレジスタンスライン(上値抵抗線)となっているのです。
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日経平均株価が上値を抑えられている主因は、円高と考えています。米国では、今後、利下げが見込まれます。一方、日本に関しては、金融政策の正常化(マイナス金利解除⇒利上げ)が見込まれています。このため、日米金利差の縮小への思惑から、円買い・ドル売りの圧力が強まっているのです。円高は、我が国の輸出企業の収益悪化要因です。このため、主力の輸出関連銘柄の上値が圧迫され、その結果、現時点においては、日経平均株価の上値限界が3万3800円レベルになっている可能性が高いと見ています。
現時点で、すぐに日銀が金融政策の正常化に動く状況ではないが、
市場では「早期の政策正常化」の思惑が燻り続ける
FRBが12月12〜13日に開いたFOMCでは、参加者の政策金利見通しが、2024年末の中央値は4.6%と、前回9月時点の5.1%から引き下げられました。これは、現在の水準と比べ、0.25%の利下げ3回分に相当する水準です。また、2025年末の政策金利の中央値も3.6%と、9月時点の3.9%から下方修正されました。このため、来年以降に利下げが複数回、継続して行われる見通しです。
一方、日銀は、12月18〜19日に開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)のもとでの金融市場の調節方針およびその運用、さらには資産買い入れ方針について現状維持することに関し、全員一致で決定しました。そして、引き続き企業などの資金繰りと金融市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる方針です。
このように、現時点において、すぐに日銀が金融の正常化に動く状況ではありません。しかしながら、日銀が12月22日に公表した10月開催分の金融政策決定会合の議事要旨では、物価目標達成の確度が高まっているとして、1人の委員が「最大限の金融緩和から少しずつ調整していくことが必要」と主張していたことが明らかになりました。このため、日銀による早期の政策正常化の思惑が燻り続けて、円高圧力となっているのです。
「辰巳天井、午尻下がり」の相場格言通り、
来るべき2024年が上昇相場になることに期待!
2023年も残すところあとわずかです。2024年は辰年ですが、有名な相場格言に「辰巳天井、午尻下がり(辰年と巳年は高値を付けて、午年は下落するという格言)」というものがあります。格言通り、2024年は取り敢えず上昇を期待したいものです。
ちなみに来年は、新しい少額投資非課税制度(NISA)が開始となることもあり、家計における「貯蓄から投資」の流れが加速する可能性が高そうです。
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また、2023年3月、東証はプライム市場およびスタンダード市場の全上場会社を対象に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請を実施しました。この要請を受けて、来年2024年に企業側の取り組みが本格化することでしょう。これは株価指標の観点からの株高要因になり得ると考えます。
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とにかく、2024年が多くの個人投資家にとって儲けやすい年になることを切に祈っています。読者の皆様には1年間大変お世話になり、心より感謝しております。来年も本年同様のご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
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