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日経平均株価は今週に入っても上昇の勢いが止まらず、
1月21日には約33年11カ月ぶりの高値に!
日本株の上昇が続いています。1月22日の日経平均株価は大幅続伸し、前週末比583.68円(1.62%)高の3万6546.95円で取引を終えました。これは、1990年2月以来、約33年11カ月ぶりの高値です。また、TOPIXは同34.89ポイント(1.39%)高の2544.92ポイントと、昨年来高値を更新し、1990年2月以来、約33年11カ月ぶりの高値をつけました。翌23日は、日経平均株価が前日比29.38円(0.08%)安の3万6517.57円、TOPIXが同2.85ポイント(0.11%)安の2542.07ポイントと小幅反落しましたが、依然として高値圏を保っています。
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日本株が強い要因は「半導体関連を牽引役に、米国株が堅調なこと」「海外勢が日本株を大幅に買い越していること」「日本株が中国株からの資金逃避の受け皿になっていること」、そして「外国為替市場で円安が進んでいること」です。
米国ではTSMCとメタがきっかけとなってハイテク株が上昇し、
NYダウが終値として史上初となる3万8000ドルの大台に!
米国株を見ると、1月22日のNYダウは3日続伸し、前週末比138.01ドル高の3万8001.81ドルと連日で最高値を更新し、終値として初めて3万8000ドル台をつけました。また、S&P500種株価指数も3日続伸し、同10.62ポイント(0.21%)高の4850.43ポイントと、こちらも連日で最高値を更新。そして、ナスダック総合株価指数も3日続伸し、同49.32ポイント(0.32%)高の1万5360.29ポイントと、2022年1月以来、2年ぶりの高値で取引を終えました。
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米国市場が好調な要因は、半導体関連を中心にハイテク株が買われ、相場を押し上げたことです。半導体関連株の人気が加速したきっかけは「半導体受託生産のTSMC(台湾積体電路製造:TSM)の強気見通し」と「メタ・プラットフォームズ(META)がAI向け半導体を大量に調達すること」でした。
1月18日にTSMCが開催した決算会見で、経営陣は2024年12月期の売上高について、米ドルベースで「前期比2割台前半の増収」と過去最高になるとの見通しを示しました。
また、メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグCEOは1月18日、AIを活用した製品の開発を加速させる方針を示しました。これを実現するためのインフラ構築も進め、年末までにエヌビディア(NVDA)からGPU「H100」を約35万枚調達するとし、他のサプライヤーからの調達分も含めると、年末までに約60万枚のGPUを確保することになるとのことです。このため、AI関連のサーバー向けなど半導体の需要急増への期待が盛り上がったのです。
海外勢の「日本株の買い越し」は続いており、
1月第2週には現物+先物で1兆4439億円の買い越しに!
海外勢の日本株の大幅買い越しに関してですが、1月第2週(9〜12日)の先物の投資部門別株式売買動向で海外投資家の買い越し額は4881億円、現物株(東証と名証の合計)の買い越し額は9557億円で、先物と現物との合算では1兆4439億円の買い越しでした。
一般的に、先物は短期スタンスの海外勢の売買動向、現物は中長期スタンスの海外勢の売買動向を示唆すると見られています。よって、非常に高い確率で、海外の年金基金などの日本株買いが始まっていると見てよさそうです。私は、この現物への買い越しは、しばらく続くと考えています。
「中国景気の先行き懸念」「不動産不況」などから
中国株が低迷し、その資金が日本株に流入!
日本株が中国株からの資金逃避の受け皿になっていることに関しては、「中国景気の先行き懸念」や「不動産不況」に加え、「米中関係への不安」などから、中国株が低迷していることが主因です。
1月22日の上海総合指数の終値は、前週末比75.9394ポイント(2.68%)安の2756.3399ポイントと、2020年4月以来の安値をつけました。同日の香港ハンセン指数の終値は同347.51ポイント(2.27%)安の1万4961.18ポイントと、心理的節目の1万5000ポイントを割り込み、2022年10月末以来の安値となりました。
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それにもかかわず、1月22日の日本株は非常に強い動きとなり、弱い中国株とは対照的な動きとなりました。それ故に、中国市場から流出した投資マネーが、日本市場に流入しているとの観測が強まっているのです。
なお、1月23日には、中国当局が市場安定化政策の一部として約2780億米ドルのオフショア資金を動員し、香港取引所との相互取引を通じて中国本土株を購入しようとしていると伝わったことで、同日午前の香港ハンセン指数は一時、前日比511.37ポイント(3.42%)高の1万5472.55ポイントまで上昇する場面がありました。
投資マネーが中国から流出していることに関連する象徴的な事象として、人気過熱で取引価格が基準価額を大幅に上回り、投資家に損失リスクがあるとして、上海証券取引所では1月23日まで5営業日連続で日経平均株価に連動するETFの売買が一時停止されていました。また、同様の理由から、上海証券取引所は23日午前、上場する米国株価指数連動型のETFの売買を一時停止しました。
「米国の早期利下げ観測の後退」や「新NISAの円売り圧力」で
当面は円安基調が続き、日本株の押し上げ要因に!
外国為替市場で円安が進んでいることに関しては、米国の長期金利が上昇し、日米の金利差拡大への思惑から、ドル高・円安となっています。米国の長期金利が上昇した背景には、米国の労働市場が底堅く、個人消費も堅調なため、FRBによる早期利下げ観測が後退したことがあります。
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例えば、1月18日に発表された週間の新規失業保険申請件数は18万7000件と、市場予想の20万8000件を下回り、2022年9月下旬以来の低水準となりました。また、17日発表の2023年12月の小売売上高は前月比0.6%増と、市場予想の0.4%増以上に伸びました。この結果、「FRBが3月にも利下げに転換する」との期待は大幅に後退しました。
なお、FRBは1月30~31日のFOMCを控え、1月20日から2月1日まで、FOMC参加者が金融政策に対する発言を控える「ブラックアウト期間」入りしています。このため、当面の米国の長期債市場に関しては、材料不足で大きく変動することはないと見ています。
一方、日本に関しては、3月中旬の春季労使交渉の集中回答を踏まえて、日銀はマイナス金利の解除を判断するとの見方が多いため、金利面から見れば、当面は円安基調が続く見通しです。実際、日銀は1月23日まで開催していた金融政策決定会合で、マイナス金利を含む大規模緩和を維持し、政策のフォワードガイダンスも維持しました。
これに加え、新NISAの開始により、外国株式で運用する投資信託などへの資金流入が加速することで、年間数兆円規模の「円売り圧力」が発生し続ける見込みです。よって、円安も当分続くことでしょう。当然のことながら、円安は我が国の輸出関連銘柄の株高要因で、日本株の押し上げ要因です。
「高配当利回りの大型株」「低PBR・PBR1倍割れの大型株」
「半導体関連を中心としたハイテク系大型株」が狙い目
最後に、当面の物色対象としては、内外の機関投資家の投資マネーの流入が見込める「高配当利回りの大型株」「低PBR・PBR1倍割れの大型株」、そして「半導体関連を中心としたハイテク系大型株」に注目しています。
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