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トランプ氏の当選以降、「トランプ・ラリー」が継続し、
米国株式市場と仮想通貨市場では連日で過去最高値を更新
米国の大統領選挙で共和党のトランプ氏が勝利を確実にして以降、米国の株式市場は非常に強い動きを続けています。トランプ氏の大統領就任は年明けですが、米国株式市場および仮想通貨市場では、「トランプ・ラリー(トランプ氏の大統領就任を原動力とした株高)」が継続中です。
具体的に見ていくと、11月11日のNYダウは続伸し、前週末比304.14ドル(0.69%)高の4万4293.13ドルと、連日で最高値を更新しました。また、ナスダック総合株価指数は5日続伸し、同11.99ポイント(0.06%)高の1万9298.76ポイントと連日で最高値を更新。そして、S&P500種株価指数も5日続伸し、同5.81ポイント(0.09%)高の6001.35ポイントとこちらも連日で最高値を更新して、終値で初めて6000ポイント台に乗せました。
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さらに、仮想通貨に好意的なトランプ氏が次期大統領に就任することを受け、日本時間11月12日の午前8時ごろに1ビットコイン=8万9530.53ドルをつけ、過去最高値を更新しました。
米大統領選に続いて上・下院選でも共和党が過半数を占めれば、
「トリプルレッド」が実現して「財政拡張的な政策」の実現へ
米大統領選は開票が100%済んだわけではありませんが、トランプ氏は激戦7州で全勝し、選挙人538人のうち312人を獲得して圧勝したことが判明。さらに、米大統領選と同時に実施された米国の連邦議会選挙では、上院において共和党が多数派となりました。さらに下院でも共和党が過半数を獲得できれば、「トリプルレッド(大統領選と上・下院選のすべてで赤をイメージカラーとする共和党が勝利すること)」となります。
「トリプルレッド」ともなれば、新政権が経済政策を進めやすくなる見通しで、トランプ氏が選挙公約としていた「財政拡張的な政策」の実現確度が高まります。現在の米国市場はそれを見越して、株価に織り込んでいるのでしょう。
「トランプ・ラリー」の象徴的な個別銘柄はテスラ(TSLA)です。11月11日のテスラは、前週末比28.78ドル(8.96%)高の350.00ドルと大幅に続伸し、一時は同11.65%高の358.64ドルをつけました。
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テスラのイーロン・マスクCEOはトランプ氏の選挙活動を支援しており、トランプ氏はマスク氏を政権の閣僚などに起用する意向を示しています。このため、テスラが自動運転技術の開発などを進めやすくなるとの見方が強まっていることが、テスラの株価上昇の主因となっています。
ちなみに、ブルームバーグが11月11日に「ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダニエル・アイブズ氏は、テスラの目標株価を400ドルと、従来の300ドルから引き上げた」「『AIと自動運転車の市場機会はテスラだけでも1兆ドルに相当すると推定される」と述べた」と報じています。
「米国株高」と「円安」の追い風があるにもかかわらず
日経平均株価が冴えない理由は「企業業績の悪化」
一方、11月11日は米国がベテランズデー(退役軍人の日)のため債券・外為市場が休場でしたが、足元の外国為替市場では「財政拡張的な政策」を主張しているトランプ氏の勝利を受け、米国の金利の先高観が根強いため、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢です。
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日銀の公表値によると、11月11日の17時時点では1ドル=153円63〜65銭と、前週末の同時点に比べ1円ちょうどの円安・ドル高でした。円安は、通常なら日本株への強烈な追い風になるはずですが、残念ながら足元の日経平均株価の上値は重く、絶好調の米国株とは対照的に冴えない動きが続いています。
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日経平均株価の動きが冴えない主な要因は「企業業績の悪化」です。
11月8日付の日経速報ニュースによれば「上場企業の2024年4〜9月期の決算発表が8日、ピークを迎えた」「同日までに発表を終えた3月期決算の東証プライム上場企業(親子上場の子会社などを除く)の756社を集計すると24年7〜9月期の純利益は社数ベースで53%が減益または赤字だった」「業種別では製造業の落ち込みが目立つ。北米市場の競争激化や中国市場の低迷が響き、自動車・部品の7〜9月の純利益は58%減と苦戦した」とのことです。
この「企業業績の悪化」が、「米国株高」と「円安」という好条件が揃っていても日経平均株価の上値が重い理由なのです。
今はグロース市場への資金流入は確認できないため、
「プライム市場に上場する好業績の大型株」に銘柄を絞り込もう
需給面では、海外投資家の売りが続いていることも日本株の上値圧迫要因となっています。
10月第5週(10月28日〜11月1日)に海外投資家は日本株を3週連続で売り越し、売り越し額は1885億円でした。先物に関しても、海外投資家は2週ぶりに売り越し、売り越し額は1459億円でした。現物株と先物を合算すると3344億円の売り越しです。
10月第5週に関しては、10月27日投開票の衆院選を前に買いポジションを減らす動きが優勢だったようです。しかしながら、それよりも、海外投資家の目に日本株が魅力的な投資対象になっていないことが、現物でも先物でも売り越した主な理由だと見ています。
このため、日本株投資に関しては、3月決算企業なら中間決算を発表済みで好業績が確認できた銘柄の選別投資をするべきだと考えます。
また、プライム市場に比べて、グロース市場は極めて弱い動きを続けています。グロース市場への資金流入は、残念ながら確認できていません。このため、投資対象は「プライム市場に上場する好業績の大型株」に絞るべきと考えます。
来たるべき米国株の調整局面では、日本株のほうが
大きく下落する可能性が高いので個人投資家は要注意!
なお、トランプ氏の勝利以降、絶好調な米国株ですが、上がり続ける相場はありません。今後、なんらかのきっかけで調整局面が訪れるはずです。当然のことながら、日本株もその影響を受けると考えられますが、そのケースでは米国株の調整よりも日本株の調整のほうが深刻化する可能性が高そうです。なぜならば、強いリーダーが誕生した米国と、そうではない日本とでは、政策への期待値がまったく異なる(米国は高く、日本は低い)からです。
このため、米国株が調整入りした場合に致命的なダメージを被らないよう、ポートフォリオを下値不安の少ない、バリュー系(低PBR・低PER・高配当利回りなど)の大型株にシフトしておくことをおすすめします。
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