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日経平均株価は、決して弱い値動きというわけではないのですが、残念ながら「上昇ピッチが加速し、あっという間に2万4000円を目指せる状況」にはなっていません。
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私は、海外勢が日本株を現物でも先物でも買い越しに転じれば、その後の日経平均株価は力強い上昇トレンドを描くと見ていました。しかしながら、8月第2週(11日~14日)に海外投資家が日本株を現物・先物ともに買い越したにもかかわらず、続く8月第3週(17日~21日)に入ると2万3000円オーバーでは売り圧力が強い印象でした。
8月第3週の週足のローソク足の4本値は、始値2万3189.48円、高値は2万3248.75円(8月17日)、安値は2万2851.83円(20日)、終値は2万2920.30円と、「ほぼ寄り付き天井」となり、2万3000円台を割り込んで取引を終えたのです。
「8月第3週」も「第2週」と同じように「海外勢買い・個人売り」なら、
日経平均株価は上昇こそすれ、下落する可能性は低い
8月第2週、海外投資家は日本株の現物を3663億円買い越しました。これは、昨年11月第4週の4041億円以来の高水準でした。また、先物(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)を6235億円買い越しました。つまり、現物株との合算では9899億円も買い越したのです。
この海外勢の現物買いに売り向かったのは、個人投資家です。この週、個人投資家は日本株の現物を5185億円も売り越しました。これは昨年4月第1週の5576億円以来の高水準でした。
8月第2週の売買から推測すると、第3週に関しても、個人が第2週同様に海外勢の現物買いを上回る現物売りを出したことで、日経平均株価の上値が重くなったのかもしれません。また逆に、海外勢が一転して利食い売りを出した可能性もあるでしょう。まあ、それに関しては、8月27日に公表される投資部門別売買状況を確認するしかありません。
しかし、8月第3週も第2週と同じ需給の構図(海外勢買い・個人売り)なら、日経平均株価は上がりこそすれ、下がることはないでしょう。というのは、足元の相場水準を考慮すると、個人の売りの多くは「投げ売り」ではなく「利食い売り」や「通常の換金売り」の可能性が高いと見られるからです。つまり、「丁寧な売りは出ても、下値を売り叩くような売りは出がたい」と考えられます。
一方、海外勢は順張りで買いを入れてくる傾向があるため、日経平均株価が強含む局面では、買い越し姿勢を強めてくると見ています。
日経平均株価が25日移動平均線を上回っている限りは「強気」で!
ただし、75日移動平均線を割り込んだら「即撤退」を
以上のことから、7月15日の2万2965.56円から7月31日の2万1710.00円までの下落幅1255.56円(=2万2965.56円-2万1710.00円)の倍返しの2万4221.12円(=2万2965.56円+1255.56円)を目指すというシナリオを堅持します。
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なお、このシナリオが破綻するサインは、前回のコラムで書いた「終値ベースでの25日移動平均線割れ」よりも基準を下げて、「終値ベースでの75日移動平均線(8月24日現在2万2136.01円)割れ」とします。基準を下げた理由は、「先行き強気」は継続しているものの、8月第3週の上値が意外に重かったので、状況次第では、25日移動平均線割れという「チャート上の“ダマシ”があり得る」というリスクを加味したからです。
具体的な考え方としては、
1)日経平均株価が25日移動平均線を上回っている限り強気を継続する。
2)仮に、25日移動平均線付近まで押したとしても、それは想定の範囲内。
3)25日移動平均線を割れたとしても、75日移動平均線を割れない限り、そこは絶好の押し目買い好機と認識する。
4)万が一、75日移動平均線割れたら、「ごめんなさい!」して、すべて損切り。
という感じです。
東証マザーズ指数などの新興市場は絶好調!
テクニカル的に見ても文句なしに「強い値動き」に!
それにしても、ここ最近の新興市場、特に東証マザーズ指数は非常に強い動きとなっています。8月24日の東証マザーズ指数は、前週末比16.68ポイント(1.47%)高の1151.14ポイントと、2018年6月以来およそ2年2カ月ぶりの高値水準でした。
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東証マザーズ指数の月足ベースの一目均衡表では、遅行スパンがすでに好転しています。また、基準線(8月24日現在839.51ポイント)と転換線(同839.51ポイント)は同値です。さらに、雲上限は24日現在1131.52ポイントであり、雲は上抜けました。
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現時点では、「雲上抜け」と「遅行スパンの好転」の「2役好転」の状態ですが、今後、基準線が横ばい、または、上向きの状態で転換線が基準線の下から上へ抜ける「均衡表の好転」が実現すれば、「3役好転」となります。
また、日足チャートでも、5日移動平均線(24日現在1119.91ポイント)、25日移動平均線(同1029.34ポイント)、75日移動平均線(同990.42ポイント)を上回り、パーフェクトオーダー(短期・中期・長期の3本の移動平均線が順番にキレイに同じ方向に並んでトレンドが発生している状態)になっています。文句なしに「強い値動き」と言えます。
新興市場では「直近IPO祭り」が開催中!
また「ウィズ&アフター・コロナ」に強い「DX」関連銘柄も人気に
なお、新興市場では、とりわけ、直近にIPO(新規株式公開)した銘柄群が賑わっています。
例えば、日本経済新聞は8月24日午後、「『QUICK IPOインデックス(加重平均)』は、この日も過去最高値を更新した。IPOインデックスは過去1年のIPO銘柄の値動きを指数にしたもので、前週末まで7日続伸していた。この日も午前の上昇率は2%を超え、2000年末に算出が始まって以来、初めて23万ポイント台に乗せた」と報じています。はっきり言って「直近IPO祭り、絶賛開催中」です。
また、新興市場では、「ウィズ&アフター・コロナ」が業績の追い風になる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」関連銘柄には買いが入り続けています。
「DX」とは、企業が将来の成長や競争力強化のために、デジタル技術を活用してビジネス・モデルを新たに創出・柔軟に改変することです。ちなみに、経済産業省が2018年9月7日に発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』では、「2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするもの等を仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現することにより、2030年実質GDP130兆円超の押上げを実現」とレポートされています。
つまり「DX」は国富を増大化させる「国策」なのです。だからこそ、現在、市場で最も人気化しているテーマのひとつなのでしょう。よって、「DX」は息の長い、大きな物色テーマに育つ見通しです。
【※関連記事はこちら!】
⇒コロナ禍で生き残るため、企業が注力する「IT投資」の関連銘柄を紹介! 特定分野に強みを持ち、株価が中長期的に昇トレンドを描いている中小型株が狙い目!
先週に引き続き、安倍首相の健康問題が唯一の懸念材料。
緊縮財政派がポスト安倍で確定しそうなら、いったんは撤収を
最後に、前回も触れましたが、現時点での唯一の懸念材料は安倍晋三首相の健康問題と、その去就です。
8月24日で第2次安倍政権発足後からの連続在任日数が2799日に達し、歴代最長となったものの、首相は17日に続き、24日にも慶応大病院を訪れました。安倍首相は24日午後に「体調管理に万全を期して、これからまた仕事に頑張りたい」と話した一方で、検査結果については詳しく説明はしませんでした。このため、永田町では「健康不安説」が拡大しているもようです。なお、「首相は月内にも記者会見に臨み、状況を説明する方向だ」とも伝わっています。
前回も指摘しましたが、兜町(相場)同様に永田町(政治)も「一寸先は闇」のため、今後の政局を正確に予想するのは不可能です。このため、個人投資家は「アベノミクス」開始以来、最高に緊張した状態で国内政治絡みの報道をチェックするようにしましょう。
そして、安倍首相続投か、「アベノミクス」を踏襲するポスト安倍で決まるようならば、株式投資に関しては何の問題ないので日本株は強気継続です。しかしながら、万が一、緊縮財政派がポスト安倍で確定するようなら、まずはいったん株式市場から撤収するべきだと考えましょう。
【※今週のピックアップ記事はこちら!】
⇒今期の業績予想が「増収増益」で、進捗率が高くて「上方修正」も期待できる7銘柄を紹介! 中でもアナリストの注目は「関西スーパーマーケット」と「ブルボン」の2銘柄
⇒米国株の「デジタル・トランスフォーメーション」関連銘柄を紹介! 「テレワーク」など“デジタルによる変革”はアフターコロナで需要増が間違いない注目のテーマ!
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