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「脱炭素」や「自動車の電動化」といったテーマの人気化を追い風に、日本電産(6594)の業績が絶好調です。
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日本電産は、モータ・インバータ・減速機を三位一体に組み合わせることで、軽量・高出力・省スペースを実現させたEV用トラクションユニット「E-Axle(イーアクスル)」を製造しています。「E-Axle」は、2019年4月の生産開始以来、累計販売台数が10万台を突破し、今年1月からは出力を変えた新製品の量産も始まりました。
この「E-Axle」に関して、日本電産は2020年4~9月期決算で、2025年の出荷予定台数を150万台から200万台に上方修正。永守重信会長が決算説明会で「EV用駆動モーター市場で2030年にシェア40~45%目指す」と発言し、35%としていた従来目標を大幅に引き上げました。そして、1月25日に行われた2020年4~12月期の決算説明会で、EV向けの駆動モーター事業について「2023年度に黒字化する計画だ」と述べました。
ちなみに、日本電産は2021年1月25日、2021年3月期の通期連結業績予想を上方修正しました。売上高は前回予想の1兆5500億円を据え置きましたが、営業利益は1550億円(前回予想比10.7%増)、税引前利益は1500億円(同10.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1200億円(同14.3%増)に上方修正しました。当第3四半期の連結累計期間の業績が前回(2020年10月26日)に公表した業績予想の想定を上回る実績となったので、通期の業績予想も見直した形です。なお、想定平均為替レートについては、従来どおり、対米ドルでは105円、対ユーロでは117円として変更していません。
当第3四半期(累計)の連結売上⾼は、前年同期⽐2.2%増収の1兆1850億円となり、3Q累計で過去最⾼を更新。営業利益は同24.0%増益の1155億円で、前年同期⽐で増収増益を達成しました。また、第3四半期(3カ月)の連結売上⾼は、直前四半期⽐4.4%増収の4332億円となり、2四半期連続で過去最⾼を更新しました。営業利益は、増収及び徹底した原価改善および固定費適正化などを実⾏したことにより、同12.0%増益の464億円でした。
こうした日本電産の好調の背景にあるのは、世界的な環境政策の推進です。
米国では、民主党のバイデン氏が1月20日に大統領に就任し、環境政策に積極的に取り組む見通しです。一方、中国政府も2035年をめどに、新車販売をすべて環境対応車にする方向で検討しています。また、欧州では、将来的にガソリン車の販売を禁じる方針が相次いで表明されています。そして、日本でも1月18日、菅義偉首相が施政方針演説で、すべての新車販売をEVなどの電動車へと転換する時期を「2035年まで」と明言しました。
日本電産の業績を見ると、「国策」どころか、全世界で政治の重要課題となっている「脱炭素」という投資テーマを追い風にすると、民間企業の業績は驚くほど伸びることがわかると思います。
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「2035年までに新車販売をEVへと転換する」という「国策」により、
「蓄電池」や「半導体」などのテーマも人気化間違いなし
先日、ニチコン(6996)の武田一平会長兼最高経営責任者(CEO)は、メディアの取材に対して、自社のフィルムコンデンサーについて「日本電産のシステム製品『E-Axle』への搭載が決まった」と明らかにしました。
ニチコンは、フィルムコンデンサーを「E-Axle」に組み込むことで、中国などの新興自動車メーカー向けなどに販路を拡大する方針です。また、EV向けの需要拡大を受け、40億円を投じて2021年末までにフィルムコンデンサーの生産能力を倍増させる計画も公表しました。
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このように自動車の電動化は待ったなしで加速していく見通しのため、「自動車の電動化」関連企業の設備投資は、今後も加速していく可能性が高そうです。
日本に関して言えば、今から2035年までの15年間で電動車を100%にするためには、小型で高性能な蓄電池の量産や、半導体の確保などがカギを握ると指摘されています。このため、「蓄電池」や「半導体」という分野も、株式市場で今後の人気テーマとして意識され続けるでしょう。
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日経平均株価は、しばらく値動きの少ない状態が継続!
その間、中小型の材料株に資金が流入する見通し
ところで、国内では、今週から2020年4~12月期の決算発表が本格化しています。多くの投資家は、決算内容を見極めようとするため、目先の日経平均株価は膠着感を強めそうです。具体的には、25日移動平均ベースのボリンジャーバンドの+1σ(1月25日現在2万8439.83円)と+2σ(同2万9259.20円)との間を推移する「バンドウォーク」を続ける、というのがメインシナリオです。
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日経平均株価が膠着している間は、中小型の材料株が物色される見通しです。実際、1月25日の日経ジャスダック平均株価は6日続伸し、前週末比19.91円(0.52%)高の3839.88円と、2020年1月29日以来、約1年ぶりの高値を付けました。また、同じく25日の東証マザーズ指数は、前日比9.01(0.70%)高の1301.12ポイントと4日続伸しました。
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中小型株への資金流入が加速することで、
個人投資家にとって儲かりやすい相場環境に!
先日、大手運用会社の三井住友DSアセットマネジメントの「日経平均と値がさ株」と題したレポートが話題になりました。
それによれば、「日経平均株価について、昨年1年間における上昇幅は、3787円55銭でした」「(日経平均株価の構成銘柄について、この上昇幅への寄与額を計算し、大きい順に並べた)上位9銘柄の寄与額は合計で3801円98銭となり、この9銘柄で、昨年1年間の日経平均株価の上昇をほぼ説明できることになります」「騰落率に注目すると、日経平均株価を構成する225銘柄のうち、昨年1年間で上昇したのはわずか77銘柄で、148銘柄は下落となりました」とのことです。
短期売買を行う多くの個人投資家は、投資金額が小さいという制約があるため、時価総額の小さい小型株や、株価が安い低位株を好みます。一方、昨年に関しては、値がさ株と大型株の株価上昇だけで、日経平均株価は押し上げられただけなので、大して儲からなかった個人投資家が多かったと推察されます。
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しかしながら、大型株や値がさ株の値動きが鈍り、日経平均株価が方向感を失い、膠着してくると、中小型株や低位株に短期資金の流入が期待できます。つまり、現在のような状況です。
想定通り、中小型株への資金流入が加速するようなら、多くの個人投資家にとっての相場の体感温度は一段と上がり、その結果、売買の回転が効き、個人にとって儲かりやすい相場環境になっていく見通しです。したがって、当面は「脱炭素」などの「国策」に沿った中小型株で勝負しましょう。
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