韓国で45万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。

【孔子】最高の師がいながら「学べる人」と「学べない人」との天と地の差Photo: Adobe Stock

学ぶ意欲がなければ、
いくら教え上手な先生でも役立たずだ

 孔子が東洋の学問の第一人者として名をはせると、弟子になりたいという若者が3000人以上も押し寄せきました。一度でも孔子から学びを授かることができるなら死んでもいいという人までいました。孔子は当時の「最高の先生」だったのです。

 初めは弟子の多くが熱心に勉強に打ち込みました。燃えるような目で、耳を澄ませて、先生の言葉を一つも聞き逃すまいと集中していました。ところが、日がたつにつれ一人二人と脱落していきました。学びへの情熱を失い、貴重な教えを聞き流すようになったのです。3000人の弟子のうち、学問をしっかり修めた者は10分の1にも満たなかったのです。

 宰予(さいよ)という弟子も、孔子が教えていると適当に聞くふりをしたり、居眠りしたりの日々でした。見かねて起こそうとすると、宰予は顔をしかめて仮病を使い、寝そべってしまいます。たまに授業を聞いていると思えば、揚げ足を取ってぶつぶつと愚痴をこぼしているのでした。

 学ぶ気のない弟子に、一体何を教えられるでしょう。こうして無為な時間を過ごしていた宰予は、とうとう勉強をやめてしまいました。教えるのがうまいという噂を聞いて孔子を訪ねたけれど、特に学ぶことはないと思ったのです。むしろ、あれこれ小言を言われてうんざりするだけでした。

 宰予はみんなが寝静まった夜、師のもとから逃げ出し、後ろを振り返ることもなく遠くへ去って行きました。

 それからどれほどのときがたったでしょうか。国中がひっくり返るような大事件が起きました。宰予が恐ろしい犯罪をしでかし、捕らえられたのです。宰予とともに孔子の教えを受けた他の弟子たちの活躍をよそに、罪人になった宰予はまだ若いうちに死刑になりました。

 彼は最高の師のもとにいながら、何も学んでいなかったのです。

 このように、同じ先生から学んだとしても、学ぶ意欲があるかないかで、天と地ほどの違いとなって表れるのです。

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』の一部抜粋したものです)