韓国で50万部の超ロングセラー、韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、中高生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。いま、再燃している『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、本書と、最新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』の共通点を紐解きながら、勉強で人生の活路を見出した2人の成功者からの学びを抽出します。今話題の本の魅力に迫る!(構成/ダイヤモンド社武井康一郎)

【限られた時間の価値を上げる】よい習慣を身につける「21日の法則」Photo: Adobe Stock

「脳」と「心」をコントロールしてよい習慣身につける

 前回の記事「続けることの難しさ」に触れた。今回は「続ける」をテーマに、韓国の二大ベストセラーから学びを深めよう。

 よい習慣を身につけたければ、まず脳の作用について理解する必要がある。

人間の行動を脳が受け入れ、その行動を習慣として保存するのに「21日」かかります。だから、ある行動を習慣にしたければ、とりあえず21日間、根気強く同じ行動を繰り返す必要があります。すると脳の方から「この人はこの行動を習慣にしたいんだな」と、その行動を受け入れるようになります。やっと脳が素直になり主人の望む通りに動き始めるわけです。(『勉強が面白くなる瞬間』P166)

 21日間、走りきることができれば、きっとよい習慣を身につけられる。ですが、「三日坊主」という言葉があるように、3週間続けていくのは至難の業である。どのようにするのがいいのだろうか。著者は、7つの項目を挙げている。

1.背筋を伸ばして座る
2.ながら勉強をやめる
3.ノートは「見た目」よりも「中身」
4.「VIP席」をキープする
5.風邪をひかない体を作る
6.休み時間を使ってエネルギーを蓄える
7.机やカバンの状態に気をつける

 見出しのみピックアップしたが、「簡単にできそうなものばかり!」と思ったら、それは危険。単純な作業ほど、おろそかにしがち。21日間続けられれば、脳が作用し、体に染みついた習慣が自動的に作動する。だまされたと思ってやってみてはどうか。

 脳の問題は、これで解決できるが、心の問題は異なる。『勉強が面白くなる瞬間』では、将来を悲観し、「このままではだめだ!」と一念発起するところから始まる。当時、中学生だった著者には時間があった。多くの社会人はこれとは違う。その部分を補う要素は『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』にある。

スティーブ・ジョブズはこんな言葉を残した。

「今日が人生の最後の日だとしても、いまやろうとしていることをやるだろうか。ノーという答えが何日も続くようなら、他のことをやるべきだということに気付きました。つまり、自分はすぐにでも死ぬかもしれないと認識することが、重要な決断を後押ししてくれる一番のカギなのです」

 明日が当たり前のように来ると思っていた、毎日の繰り返しは子どもの時の感じ方である。何かをなすには、こう考えよう。

短い人生、自分にとって重要なことと重要でないことを区別する必要があります。優先順位を定め、限られた時間をより価値あるものにすべきです。死を想い、いまの瞬間を逃さないようにしましょう。あなたが無駄に過ごした今日は、昨日死んだ人があれほど待ち望んでいた明日なのですから。(『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』P173)

 不安と渇望、これがスタートへのきっかけとなり、21日間、続けることで脳にインプットし、自動化につなげる。シンプルだけど難しい。ただ、これが最短の近道でもある。心と脳をコントロールし、習慣を身につけていきましょう。続ければ結果が出るのか、結果が出るから続けられるのか、どちらが正解かはわかりません。ただし、勉強から学ぶ「続けることへの挑戦」はあなたの人生を価値あるものにしていくことでしょう。

参考資料
【成功の本質】「挑戦することに失敗する人」と「失敗するために挑戦する人」、あなたはどっち?