最下層からの成り上がり投資術!
2021年5月11日 藤井 英敏

日経平均株価が調整局面に入って、25日移動平均線が
上値抵抗線に! 個人投資家に人気の小型材料株を避け
て「機関投資家の買いが期待できる大型株」を狙おう!

 5月10日はNYダウが6日ぶりに反落し、前週末比34.94ドル安の3万4742.82ドルでした。この日、NYダウは午前中に一時313.80ドル高の3万5091.56ドルを付けて過去最高値を上回りましたが、米国の長期金利の上昇を受けてハイテク株への売りが止まらず、午後になって急速に伸び悩みました。

■NYダウチャート/日足・3カ月
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 また、ハイテク株下落の影響をもろに受けたナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、同350.379ポイント安の1万3401.858ポイントでした。

■ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月
ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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ワクチン接種の進捗や好調なマクロ指標などから、
米国株式市場では景気敏感株が非常に強い動きに!

 しかし、5月10日に反落したとは言え、米国株式相場はあいかわらず景気敏感株が非常に強い動きを続けています

 景気敏感株が強い動きを続けている背景は、新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う経済正常化への期待が高いことに加え、足元で発表されたマクロ指標が総じて良好なことです。さらに、4月の米国の雇用統計が市場予想から大幅に下振れたことで、FRBによる超絶金融緩和が長期化するとの見方が強まっていることもプラス要因です。

 なお、景気回復に伴い、物価上昇圧力が高まることは自然なことです。実際、足元では原油や銅などの資源価格が上昇しています。つまり、将来のインフレ懸念も確実に存在しており、そのために米国の長期金利の動向に対して多くの投資家が敏感になっています

 今後、長期金利の指標である米国10年物国債利回りが上昇していくようだと、金利上昇が逆風になりやすいGAFAM(グーグルアップルフェイスブックアマゾンマイクロソフト)に代表されるハイテク株には、相当な売り圧力が掛かるはずです。
【※関連記事はこちら!】
【米国株】「GAFAM」は割安な今が買いのチャンス! 2021年第1四半期のグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトの決算を詳しく解説

今のような商品価格の上昇が続くと、長期金利の上昇が加速し、
日経平均株価の急落につながる可能性も!

 ここで、米国の良好なマクロ指標を確認しておきたいと思います。

 まず、5月3日に発表された4月のISM製造業景況指数は60.7と、過去最高を記録した3月の64.7から上昇予想に反して低下したものの、好不況の境目である50を大きく上回りました。また、5日発表の4月のISM非製造業景況感指数は62.7と、過去最高だった前月から1.0ポイント低下したものの、こちらも50を大きく上回っています。つまり、米国の製造業、非製造業ともに景況感は良好であることが確認できています。

 一方、5月7日に発表された4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比26.6万人増にとどまり、市場予想の100万人増を大きく下回りました。また、失業率も0.2ポイント低下を見込んだ市場予想に反して、0.1ポイント上昇の6.1%でした。この数字を受けて、市場ではFRBによる金融緩和の長期化観測が強まっているのです。

 このような状況下、5月10日のロンドン金属取引所(LME)で、銅の3カ月先物が連日で過去最高値を更新しました。また、アルミニウム3カ月先物も約3年ぶりの高値水準が続いています。さらに、5月10日のニューヨーク金先物相場は4日続伸し、6月物が一時1トロイオンス1846.3ドルと約3カ月ぶりの高値を付ける場面がありました。そして、米国のエネルギー情報局(EIA)によれば、5月3日時点のレギュラーガソリンの全米小売価格は、1ガロン2.89ドルと2年ぶりの高値だったそうです。

 今後も、これら商品価格が上昇していくようだと、米国の長期金利の上昇ピッチが加速しかねないと危惧しています。

 つまり、現時点では、

・商品市況の高騰
   ↓
・インフレ懸念の強まり
   ↓
・米国長期金利の上昇
   ↓
・米国のハイテク株の急落
   ↓
ナスダック総合株価指数の急落
   ↓
・日本のハイテク株の連れ安
   ↓
日経平均株価の急落

といった悪循環の発生を心配しています。

 ちなみに、5月10日、米国10年物国債利回りは前週末比0.02%高の1.60%でした。

■米国10年債利回りチャート/日足・6カ月
米国10年債利回りチャート/日足・6カ月米国10年債利回りチャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 今週は5月12日に4月の消費者物価指数(CPI)、13日に卸売物価指数(PPI)、14日に輸出入物価指数などの発表が予定されています。これらの物価指数が市場予想から大幅に上振れするようだと、前述の悪循環に陥る可能性が高いと見ています

25日移動平均線を割り込んだ4月20日以降、
日経平均株価は明確な調整局面に!

 一方、国内では、政府が5月7日、緊急事態宣言の期限を当初予定していた5月11日から5月31日に延ばすことを決めました。対象地域も、すでに緊急事態宣言が発令中の東京、大阪、京都、兵庫に加え、5月12日からは愛知、福岡が加わり、6都府県に広がります。

 このように、新型コロナウイルスのワクチン接種開始が欧米に比べて大幅に遅れた結果、早期の経済正常化への期待が抱きにくい状況が続いています。そのため、当面の日経平均株価の上値は相当重いと見ています

 日経平均株価は、5月10日こそ終値で25日移動平均線を超えましたが、翌11日は前日比909.75円安の2万8608.59円と25日移動平均線を大幅に下回りました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 ちなみに、直近で日経平均株価が終値で25日移動平均線を割り込んだのは4月20日で、その後、終値で上回ったのは5月10日の1日だけです。つまり、テクニカル的には、25日移動平均線が強力な上値抵抗線として機能していると見ていいでしょう。そしてそれは、4月20日以降、日経平均株価が明確に調整局面入りしたことを意味しています

信用受給が悪化している今の株式市場において、
個人の関与率の高い小型材料株を買ってはいけない!

 このような投資環境下で、私が心配しているのは信用取引を行っている個人投資家です。ちなみに、4月23日時点の信用買い残は3兆3005億円と、2018年6月以来、2年10カ月ぶりの高水準でした。そして、翌週末(4月30日)時点の信用買い残は3兆2941億円と、4月23日時点から64億円減ったとは言え3兆円の大台を超えており、高水準に積み上がったままです。

 一方、信用評価損益率は4月30日時点でマイナス8.75%と、前週のマイナス8.71%から0.04ポイント悪化しました。悪化は2週連続のことです。4月20日に日経平均株価が調整局面入りした影響が早くも出ているのでしょう。

 つまり、東京株式市場の信用需給はよくありません。したがって、現時点で信用買い残が積み上がり、かつ信用倍率が高く、さらにチャートが悪化している銘柄はアンタッチャブルです

 また、足元で東証マザーズ指数も非常に弱い動きを続けています。このため、個人の関与率の高い小型材料株も触らないほうが無難でしょう

■東証マザーズ指数チャート/日足・3カ月
東証マザーズ指数チャート/日足・3カ月東証マザーズ指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 さらに、米国のハイテク株の下落リスクを考慮すると、高PER・高PBR銘柄にも近づくべきではないと思います

 では、どんな銘柄を狙うべきかと聞かれれば、「低PER・低PBRの割安バリュー株のうち、信用需給が良好で、チャートが崩れておらず、個人の関与率が低く、国内外の機関投資家の資金流入が期待できる大型株だけしか買えない」と答えておきたいと思います。
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