来週の日経平均株価の予想レンジを発表!

来週(12/2~12/6)の日経平均株価の予想レンジは3万7500~3万9000円! トランプリスクや地政学リスクが警戒される中、内需系銘柄が物色される流れに

2024年11月29日公開(2024年11月29日更新)
ラカンリチェルカ(村瀬 智一)
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今週の日経平均株価はトランプリスクへの警戒から下落するも、
3万8000円を割り込む局面では押し目買いの動きも

 今週(11月25〜29日)の日経平均株価は下落し、最終的に先週末と比べて75.82円(0.20%)安い3万8208.03円で終えました。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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 週明け11月25日は、前週末22日の米国市場の強い値動きが支援材料となり、一時3万9000円を回復する場面が見られました。

 しかし、翌26日はトランプ次期大統領が自身のSNSで「中国からの全輸入品に10%の追加関税を課す」「カナダとメキシコからのすべての輸入品に25%の関税を課す」と投稿したことで、リスク回避の売りが拡大。米国市場が感謝祭で28日は休場、翌29日は短縮取引となるため海外勢の売買が減少傾向にあるなか、日経平均株価は一時3万8000円割れ寸前まで下落しました。

 11月27日も不安定な相場展開が継続。28日には、米国の休場を前に持ち高調整に伴う買い戻しの動きから反発しました。

 週末29日には、為替市場で円高が進んでドル/円相場が一時1ドル=149円台に乗せるなか、方向感に欠ける相場展開になりました。ただし、3万8000円を割り込む局面では、押し目を拾う動きが目立ちました。

来週の日経平均株価は、積極的な売買が手控えられるなか
投資資金は外部環境の影響を受けにくい「内需系」に向かう見通し

【来週の日経平均株価の想定レンジ】
 3万7500 ~ 3万9000円

 
 来週(12月2〜6日)の日経平均株価3万8000円水準での底堅さは意識されるものの、積極的な売買は手控えられるでしょう。

 まずは、米国のブラックフライデーによる小売企業の売上動向が注目されます。インフレの影響から一部では昨年を下回るとの予想も聞かれるため、好調な売上が確認できればポジティブ視されそうです。

 一方、引き続きトランプ氏の発言が警戒されます。海外投資家の多くは、トランプ氏の時間を問わないSNSへの投稿に注意を払っていると思われます。そのため、トランプ氏の投稿に対して、市場は今まで以上に敏感に反応を見せてくることが見込まれます。

 また、11月28日、ロシアのプーチン大統領はウクライナの政府中枢を標的とする可能性があると報じられました。今後の報復攻撃には極超音速の新型中距離弾道ミサイル「オレシュニク」を再び使うこともありえるとしており、地政学リスクへの警戒も買い手控えにつながりそうです。

 こうした状況から、株式市場での物色は外部環境の影響を受けにくい内需系に向かいやすく、AI関連などでも「半導体」から「ソフト」などに物色がシフトする可能性が考えられます。

【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
日本パワーファスニングが+79.62%で値上がり率トップ!

 ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。

 今週の値上がり率ランキングのトップは日本パワーファスニング(5950)でした。2024年12月期は減収・営業赤字の見通しですが、11月8日に自己株式を除く発行済み株式総数の25.1%に相当する自社株買いの実施を発表して以降、買いが続いており、連日で年初来高値を更新しました。

 値上がり率2位の雨風太陽(5616)は11月22日、代表取締役である高橋博之氏が、内閣官房が開催する「新しい地方経済・生活環境創生会議」の有識者構成員に就任したと発表したことが材料視されました。

 値上がり率3位の岡本硝子(7746)は、11月28日に放熱素材に特化したスタートアップ企業U-MAP(愛知県名古屋市)と資本業務提携したと発表したことが好材料視されました。この提携により、セラミックス基板の量産体制を確立するとのことです。

 一方、今週の値下がり率ランキング1位の日本電解(5759)は11月27日、民事再生手続き開始の申し立てを行うと発表したことで急落しました。負債総額は約147億6106万円。東京証券取引所は27日、日本電解の上場廃止を決定し、整理銘柄に指定すると発表しました。

 値下がり率2位はビート・ホールディングス・リミテッド(9399)でした。11月29日付でイップ シウクエン(Ip Shiu Kuen)氏が財務局に変更報告書(5%ルール報告書)を提出しましたが、保有比率が2.35%と前回の10.28%から減少したことが嫌気されました。

■今週の値上がり率 トップ5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 +79.62 日本パワーファスニング(東S・5950)
2 +46.41 雨風太陽(東G・5616)
3 +44.92 岡本硝子(東S・7746)
4 +32.67 BTM(東G・5247)
5 +32.62 ウェルスナビ(東G・7342)
■今週の値下がり率 ワースト5
順位 先週末比(%) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 −87.22 日本電解(東G・5759)
2 −46.90 ビート・ホールディングス・リミテッド(東S・9399)
3 −23.57 トゥエンティーフォーセブン(東G・7074)
4 −21.54 property technologies(東G・5527)
5 −19.17 ユニチカ(東P・3103)
■今週の出来高 トップ5
順位 出来高(株) 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ
1 733,329,500 NTT(東P・9432)
2 713,533,200 ジャパンディスプレイ(東P・6740)
3 430,339,200 ランド(東S・8918)
4 355,004,500 大黒屋ホールディングス(東S・6993)
5 319,028,200 日産自動車(東P・7201)

【来週の主要イベント】
米国の雇用統計やベージュブック、ISM製造・非製造業景況指数、
サイバーマンデー、国内のTMHのIPO(新規上場)などに注目!

 来週は以下のようなイベントが予定されています。

<12月2日(月)>
◆決算:伊藤園(2593)ピープル(7865)
◆7-9月期四半期法人企業統計調査
◆中11月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI) 
◆独11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆英11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧10月失業率
◆米11月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値
米11月ISM製造業景況指数
◆米10月建設支出
米サイバーマンデー
◆決算:クレド・テクノロジー・グループ・ホールディング(CRDO)

<12月3日(火)>
◆10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
◆決算:セールスフォース(CRM)

<12月4日(水)>
TMH(280A)東証グロース上場
◆中11月Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)
◆独11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆英11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆欧10月卸売物価指数(PPI)
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米11月ADP雇用統計
◆米11月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
◆米11月総合購買担当者景気指数(PMI)改定値
米11月ISM非製造業景況指数
◆米10月製造業新規受注
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
◆決算:ゲームストップ(GME)

<12月5日(木)>
◆決算:積水ハウス(1928)
◆独10月製造業新規受注
◆欧10月小売売上高
◆米11月チャレンジャー人員削減数
◆米10月貿易収支

<12月6日(金)>
◆決算:日本駐車場開発(2353)
◆10月毎月勤労統計調査
◆10月景気先行指数/一致指数 速報値
◆独10月鉱工業生産
◆独10月貿易収支
◆欧7-9月期四半期域内総生産(GDP)確定値
米11月雇用統計
◆米12月ミシガン大学消費者態度指数 速報値
◆米10月消費者信用残高

【来週の注目銘柄】
「ARアドバンストテクノロジ」「BTM」「グローバルインフォメーション」
の3銘柄をピックアップ!

 来週、注目したい銘柄は、この3つです。

ARアドバンストテクノロジ(2024年11月29日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
情報・通信 東G・5578 1360円 13.7倍 2.27倍
AI市場の活況に対応するため戦略的な投資を実施
クラウド技術とデータ・AI活用によるDXソリューション事業を手掛けています。生成AIをはじめとするAI市場の活況に対応するため、新規事業開発やAIを主軸とした自社開発プロダクトに関する研究開発投資など、積極的かつ戦略的な支出・投資を実施しています。また、クラウドサービス市場での収益拡大とデジタル人材獲得・育成による事業ポートフォリオの拡大に取り組んでおり、最近ではWeb技術をベースとしたシステムインテグレーション事業などを展開するピー・アール・オーを子会社化しました。株価は、2023年6月のIPO直後からの下落トレンドが続いていましたが、10月29日につけた安値1096円をボトムにリバウンドを見せています。直近では過熱感への警戒から調整していますが、目先的には7月の戻り高値2084円が射程に入っており、これを捉えてくるようだと、次は3月の年初来高値2999円を意識した展開が期待されます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
BTM(2024年11月29日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
情報・通信 東G・5247 2254円 66.1倍 4.98倍
AI技術領域に特化した子会社「BTMAIZ」を設立
「日本の全世代を活性化する」をミッションに掲げ、全国各地に拠点を展開してDX推進事業を展開。DXに関する人的リソースの提供を主眼とした「ITエンジニアリングサービス」と、DX推進に向けたコンサルティングや開発成果そのものに重きを置いた「DXソリューションサービス」を手掛けています。また、AIがDXを推進していくために欠かせない要素となっていることから、2025年1月にAI技術領域に特化した子会社「BTMAIZ」を設立予定です。株価は、中長期で下落トレンドが続くなか、8月6日には1001円まで下落。しかし、その後は1200円辺りでの底固めを見せたあと、直近の強いリバウンドで13週・26週・52週移動平均線を一気に上放れてきました。2月26日につけた年初来高値2667円が射程に入っており、2023年7月以降続いていた下落トレンドからの反転が期待されます。
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)
グローバルインフォメーション(2024年11月29日時点)
業種 市場・コード 株価 予想PER 実績PBR
情報・通信 東S・4171 1432円 13.0倍 1.77倍
「200株以上でQUOカード2000円分」の株主優待制度を新設
世界の市場調査会社200社以上と代理店契約し、さまざまな市場調査レポートや委託調査などを提供しています。11月8日に、2024年12月期の連結営業利益が従来予想の5億7400万円の黒字から4億8200万円の黒字になる見込みだと下方修正しました。一方、併せて株主優待制度の新設を発表。12月末時点の株主名簿に記載または記録された株主のうち、200株以上保有する株主を対象にQUOカード2000円分を贈呈します。予想配当利回りも4%を超える水準で、12月末に向けて配当・優待狙いの物色が一段と強まりそうです。株価は優待制度の新設発表を受けて急伸し、その後も上昇基調が続いています。足元で7月の戻り高値の水準を回復しており、3月につけた高値1654円が射程に入ってきました。
【※関連記事はこちら!】
グローバルインフォメーション、株主優待の新設+増配で、配当+優待利回り5.7%に! 業績予想の下方修正を同時に発表も、夜間取引では株価が14%超も急騰
最新の株価チャートはこちら(SBI証券公式サイトへ)

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