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米CNBCは新型コロナウイルスに関し、2月11日、米ジョンズ・ホプキンズ大の調査として「新規の感染者数は減少している」と伝えました。
ちなみに、市場では、「新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響で一時的に経済に混乱が起きても、それは短期的な影響であり、中長期的にみると米国経済は堅調な状況が維持される。なぜならば、中国政府が金融・財政政策の両面で自国経済を下支えすることが十分見込めるため、米国の景気・経済は良好さが維持される可能性が高い。その結果、米国の主力企業の業績の改善基調は崩れることはない」という感じの見方が継続しています。
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中国共産党は、金融・財政の両面から
景気を維持するための政策に注力!!
中国の状況ですが、金融面では、春節(旧正月)連休明けの2月3日から取引再開する株式や人民元相場を側面支援すること目的に、中国人民銀行(中央銀行)が2月2日、3日に公開市場操作(オペ)で金融市場に1兆2千億元を供給すると発表しました。また、中国人民銀行は、2月20日に公表する政策金利を引き下げる検討に入ったと伝わっています。事前報道の通りに金利が引き下げられれば、昨年11月以来、3カ月ぶりのこととなります。
一方、財政面では、2月6日までに667億元の財政資金を用意し、患者の医療費を無料にしたり、新型コロナ治療の前線で働く医師の手当やボーナスを支出したりしているそうです。また、マスクなど医療用品を生産する企業への利子補給や、交通・運輸、飲食、ホテル、旅行など、新型コロナから直接的な悪影響を受ける業界については、損失を翌期以降に繰り越して課税所得を圧縮できる減税措置の期間を今の5年から8年に延ばすということです。
実際のところ、中国共産党の政治局常務委員会では2月3日、今年の経済・社会発展の目標達成に向けて全力で取り組むと確認しています。このため、現在伝わっている政策でも景気を支え切れないと中国の政策当局が判断すれば、躊躇なく「二の矢三の矢を放つ」ことでしょう。この期待が中国株の上昇のみならず、日米株式市場の押し上げ要因となっています。
NY連銀の調査によると、米国では
「低インフレの長期化」と「良好な労働市場」が両立する見通し
一方、米国ですが、NY連銀が2月10日に発表した1月調査は、消消費者のインフレ期待が1年先と3年先はともに横ばいの2.5%でした。労働市場については、向こう1年間の賃金伸びの予想中央値が2.6%と、前月の2.2%から上昇しています。また、向こう1年間に失業する確率は14.7%と、15.4%から低下しました。
このように、米国では「低インフレの長期化」と「良好な労働市場」が両立する見通しです。結果、金融緩和継続と、安定的な株高が見込めます。
なお、1月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比22.5万人増え、市場予想の16万人増や前月の14.7万人増を上回りました。また、失業率は、3.6%と前月から0.1ポイント悪化したものの、約50年ぶりという歴史的な低水準にあります。そして、全体の平均時給も前年同月比で3.1%増え、18カ月連続で3%台を保ちました。このように足元の米労働市場は極めて良好です。
また、2月3日に発表された1月の米ISM製造業景況感指数が、前月比3.1ポイント上昇の50.9と、景気の拡大・縮小の境目である50を6カ月ぶりに上回りました。また、5日に発表された1月のISM非製造業景況感指数が55.5と、市場予想の55.0を上回りました。このように、景況感指数をみる限り、米国の製造業、非製造業ともに米景気の拡大基調が続いていることを示しているのです。
「大幸薬品」や「タカラバイオ」など、
新型コロナウイルスの影響で業績が大幅アップする企業も!
日本では、中国・武漢にて発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の影響で、関連商材が入手困難な状況になっています。
具体的には、マスク、ゴーグル、防護着などの感染防護商材、エタノール、ジェル、次亜塩素水などの消毒剤、非接触式体温計、そして、ウイルス花粉ガードなど花粉対策グッズなどに関して、ほぼ全メーカーで、出荷制限、受注停止という状況が相次いでいます。当然、このような状況は関連企業の業績に強烈にプラスに作用しています。
例えば、2月10日、大幸薬品(4574)は、2020年3月期通期の連結業績の上方修正と増配を発表しました。通期連結業績予想については、主に感染管理事業において、国内一般用製品、国内業務用製品、海外市場向けが好調に推移したことから、前回発表予想に比べ売上高が大幅に増加しました。また、これらの要因などにより、営業損益以下の各利益が前回発表予想を上回る見通しとなったということです。
また、コロナウイルスの検査に用いる遺伝子関連試薬では、アジア最大手で世界でもシェア10位以内に入るタカラバイオ(4974)が、主力工場がある中国の大連市から安定供給の緊急要請を受け、新型コロナウイルスの検査試薬の生産量を従来比50倍の週25万検体分に増やしたと伝わっています。
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新型コロナウイルスの感染拡大を口実に売られた局面は、
むしろ「絶好の買い場」と考えよう!
安倍晋三首相は2月12日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、「予備費も活用し、今週中に当面緊急に措置すべき対応策をとりまとめる」、「蔓延防止対策の徹底など、国民の命と健康を守ることを最優先に、必要な対策を躊躇なく実行していく」と話したそうです。安倍政権の新型コロナに対する積極的な関与姿勢から分かるように、新型コロナ関連銘柄は「国策銘柄」と言っても過言ではないでしょう。
それはともかく、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大による経済の停滞を危惧して、先行きの日本株に対して弱気の投資家も多いようです。しかしながら、人類はこのウイルスに必ず打ち勝つでしょうし、世界の政策当局はこの影響を最小限に食い止めるべく全力で対応するはずです。
よって、感染拡大による景気悪化や企業業績悪化を口実に売られた局面は“絶好の買い場”と考えて行動するべきだと考えます。
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