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日米株式市場は、先週末の10月30日で米・大統領選挙前の買い方によるポジション調整の売りが一巡し、週明けとなる11月2日からは「大統領選挙の通過」による「最大の不透明要因の消滅」を織り込む格好で急上昇しています。
正直、今週に入って株式市場の景色は180度変わりました。多くの投資家にとって、10月30日までは評価損が膨らむ「地獄」でしたが、11月2日からは逆に「天国」になったことでしょう。
今週に入っての日米の株式市場は大幅に反発!
米・大統領選挙の開票状況に一喜一憂する展開には注意
日本に関して言えば、10月30日の日経平均株価は前日比354.81円安の2万2977.13円と大幅に下落し、5日続落となりました。8月28日の2万2882.65円以来、約2カ月ぶりに2万3000円大台を割り込んで取引を終えたのです。
米・大統領選挙を控えた週末・月末だったため、“買い手控え気分”が非常に強い中、さらなる相場下落に備えた買い方のポジション調整の売り圧力が非常に強い1日となりました。
しかしながら、週明けの11月2日の日経平均株価は、前週末比318.35円高の2万3295.48円と6日ぶりに大幅反発し、前週末10月30日の354.81円安をほぼ回復しました。この日は、日本時間2日の米国の株価指数先物が堅調に推移したことが買い材料になりました。
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米国も同様の値動きです。10月30日のNYダウは反落し、前日比157.51ドル安の2万6501.60ドル、ナスダック総合株価指数も反落し、同274.00ポイント安の1万911.59ポイントでした。決算を受けて主力ハイテク株が下落し、相場を押し下げた形です。
しかし、週明け11月2日のNYダウは反発し、前週末比423.45ドル高の2万6925.05ドルでした。一方、ナスダック総合株価指数は、主力のハイテク株の一角が売りに押されて下げる場面もありましたが、結局、同46.02ポイント高の1万0957.61ポイントでした。
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この日は、中国の10月のPMIが9年9カ月ぶりの高水準となり、ユーロ圏の10月の製造業PMIも上昇。さらに、11月2日に発表された10月のISM製造業景況感指数が2年1カ月ぶりの高さとなったことが買い材料になりました。
そして圧巻だったのは、日本が休場中の11月3日の急騰です。NYダウは大幅続伸し、前日比554.98ドル高の2万7480.03ドル、ナスダック総合株価指数も続伸し、同202.96ポイント高の11160.57ポイントでした。米・大統領選挙でバイデン氏が勝利し、かつ、上院選でも民主党が過半数を奪還すれば大規模な経済対策が実施されるとの期待が高まり、景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた結果です。この米国株の非常に強い値動きを受け、11月3日のシカゴ日経平均先物12月物は、2日終値比550円高の2万3830円でした。
これにより、11月4日の東京株式市場も大幅高でのスタートとなり、日経平均株価は前日比339.75円高の2万3695.23円と大幅に上昇して引けています。ただし、米国の株高を好感した買いが一巡した後は、米・大統領選挙の開票状況に一喜一憂しながら売買される見通しため、日本株はボラタイルな1日になるはずです。
「VIX3/ VIX3Mレシオ」が連日「1」を超えており、
米国株式市場は未だにボラタイルな局面が継続中!
ちなみに、米国株式相場が急騰した11月3日のVIX指数(S&P 500の今後30日間のインプライド・ボラティリティ)は、前日比1.58(4.26%)安の35.55でした。
VIX指数は、株式相場が不安定なときほど水準が高くなるため、別名「恐怖指数」とも呼ばれています。通常の安定した相場では10~20の間で推移しますが、20を超えてくると下値不安が強まりつつあると判断されます。現在は35ですから、非常に高い水準と言えるでしょう。
また、VIX3M(CBOE S&P 500 3 Month Volatility:VIXの先物)は前日比1.54(4.39%)安の33.52で、VIX3/ VIX3Mレシオは同0.00(0.14%)高の1.06と、連日で1を超えています。
VIX/VIX3Mレシオは、1を下回っていれば「米国株式相場は落ち着いていて良好」、1を超えると「先安観が強く波乱の展開になる可能性が高い」とされています。つまり、11月3日時点でVIX/VIX3Mレシオが1を超えているということは、「米国の株式市場は未だにボラタイルな局面が継続している」と認識しておくべきです。
よって当面は、VIX/VIX3Mレシオが1を下回るまでは、「リスクパリティ型ファンド」からの暴力的な売りが出るリスクを警戒しておきましょう。逆に、VIX/VIX3Mレシオが1を安定的に下回るようなら、米国市場で根強く囁かれる「11月~翌年1月は株価が上昇しやすい」というアノマリーが今回も実現すると見ています。
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⇒【米国株】GAFAは好決算も株価低迷の今が狙い目! 「大統領選挙後はおおむね株価は上昇」「11月~翌年1月は株価が上昇しやすい」というアノマリーにも注目!
結論として、米国株については、11月2日~3日の大幅高は確かに良好な値動きではあるものの、まだまだ急落リスクは高い状態なので用心して運用するべきです。
最も可能性の高い波乱要因は、トランプ氏、バイデン氏のどちらが勝ったとしても、選挙結果を巡るゴタゴタが続いて政策がストップすることです。元々、今回の大統領選挙では郵送など事前投票が多く、勝者の判明が遅れる可能性を市場は織り込み済みのはずなので、ゴタゴタによる遅れが選挙後2週間程度までならば想定の範囲内で問題ないでしょうが、それを超えても続くようだと嫌気売りが出るのではないかと危惧しています。
米国政治の混乱が長引き、米国株が急落するような事態になれば、
日経平均株価が再び75日移動平均線を割り込む危険性も!
なお、日経平均株価の10月30日終値は2万2977.13円と、75日移動平均線(10月30日時点で2万3120.75円)を割り込んでしまいました。しかし、翌営業日の11月2日終値は2万3295.48円と、75日移動平均線(11月2日時点で2万3127.56円)をあっさり回復しました。この下落が、所謂テクニカル的な「ダマシ」になることを期待しています。
しかしながら、前述のように米国の政治のゴタゴタが市場の想定以上に長引き、米国株が急落するような事態になれば、再び75日移動平均線を割り込む展開があり得ることを頭の片隅に置いておくべきでしょう。なぜなら、米国株式市場のボラティリティ-が高止まりしているからです。
とはいえ、当面の投資戦略としては、日経平均株価が25日移動平均線(11月2日時点で2万3438.05円)を上回って推移する限り「強気」を維持すればいいでしょう。逆に、25日移動平均線を再び割り込んだときは、急落を警戒して「弱気」に転じるべきだと考えています。
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