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2月に入ってからの日経平均株価の強さには、正直驚かされ続けています。2月15日の日経平均株価は大幅反発し、前週末比564.08円(1.91%)高の3万84.15円と、1990年8月2日以来約30年半ぶりに3万円の大台を回復。そして、16日の日経平均株価は続伸し、前日比383.60円高(+1.28%)の3万467.75円となりました。
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日経平均株価の上昇は、米国株の堅調な値動きや
2020年のGDPが市場予想より上触れたことが要因
日経平均株価の上昇の主因は、やはり、米国株が非常に強い動きを続けていることです。前週末の2月12日のNYダウは反発し、前日比27.70ドル高の3万1458.40ドルと過去最高値を更新しました。また、ナスダック総合株価指数は続伸し、同69.700ポイント高の1万4095.474ポイントと連日で過去最高値を更新しました。
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この日は、バイデン米大統領が3月11日に、ファイザー(PFE)およびモデルナ(MRNA)とワクチンの追加供給の契約を結んだことや、ニューヨーク州で2月12日から人数を定員の25%までに絞った上で店内飲食が再開されたことから、ワクチンの普及や行動規制の緩和が景気回復を促すとの観測が強まり、株が買われました。
また、2月15日の寄り付き前に内閣府が発表した2020年10~12月期実質GDPが市場予想の前期比年率9.5%よりも上振れて、前期比年率12.7%増だったことも好感されました。
その一方で、同時に発表された2020年通年の実質GDPが前年比4.8%減と2009年以来11年ぶりのマイナスとなったことで、今後も財政・金融両面での政策的な下支えが継続されるとの期待が維持されたことも好材料となりました。
実際、この発表を受け、西村康稔経済財政・再生相は2月15日午前に、「リーマン・ショック以来の大幅な落ち込みとなっているとおり、昨年の我が国経済は大変厳しい状況だった」「依然としてコロナ前の水準を下回っており、回復は道半ばだ」と述べています。
おそらく、政府・与党及び日銀も同様の認識のはずなので、まだまだ積極的な財政政策と、ジャブジャブの超絶金融緩和政策は続くため、「カネ余り」を主因にした株高は継続することでしょう。
日本人の多くが株式投資を行っていないため、
今の株式相場の上昇の恩恵を享受できていない
ところで、2月16日付けの日本経済新聞で、「3万円回復、課題なお。日経平均、30年半ぶり大台、個人への恩恵薄く」と題された記事がありました。それによれば、「家計資産の内訳をみると、米国は株と投資信託が計45%を占める。一方、日本は過半を現預金が占め、株と投信は計13%だ。株を持っていない多くの国民にとって株高は人ごとに映る」「12年末からのアベノミクス相場が一巡すると、外国人は売り手に回った。受け皿となったのが、上場投資信託(ETF)の購入を拡大した日銀だ。日銀保有のETFは昨年末で46.6兆円。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の45.3兆円を超え、日本株の実質的な筆頭株主になった」とのことです。
これに対して、私自身の家計資産に占める株の割合は99%です。だから、株式相場の上下に一喜一憂します。当然、株高は人ごとではありません。また、今現在付き合いのある友人のほぼ100%が株式投資をやっています。そのうち、ほぼ100%が信用取引を活用しています。友人達の年齢は30代~50代が中心で、40代が一番多いと思います。恐らく、私の友人の多くは、今回の「コロナ禍」での政策対応(積極財政&超絶金融緩和)を追い風に、それなりに資産を増やすことに成功したし、これからも増やし続けることでしょう。しかしそれは、彼らが世の中の情勢や政策を読み、かつ、実際にリスクを取って投資を行った「ご褒美」です。
確かに、「株を持っていない多くの国民にとって株高は人ごとに映る」というのは、世間の一般的な認識なのでしょう。しかしながら、今日、明日の生活費すら厳しく、株式投資をやる余裕がないという方は仕方ないにしても、数十万から数百万円程度なら余裕がある方が株式投資を行わず、現在のような世界的な株高の恩恵を受けるチャンスを逃すのは本当にもったいないと思います。
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世界的な株高は、FRBが量的金融緩和を縮小するまで続くが、
現在の米国の情勢を見る限りは当面先になる見通し
現在の世界的な株高は、米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和の縮小(テーパリング)を示唆するまで続くと、私は見ています。そしてそれは、まだまだ先のことだと思っています。
ちなみに、パウエルFRB議長は2月10日の講演で、「新型コロナウイルス禍で労働市場の回復は遅れており、最大雇用に達するまでゼロ金利政策を維持する」「当面は2%を上回る物価上昇率を目指す」と述べています。つまり、長期間の金融緩和の継続に加え、緩やかなインフレを容認する姿勢を見せているのです。なお、FRBは、最大雇用の目安となる数値として、4.1%の失業率を挙げており、その達成は2023年までずれ込むと予測しているそうです。
このような状況下、米国では、景気回復や物価上昇を強く織り込むことで、株価と金利が「同時に」上昇する「リフレトレード」が活発化しています。だから、米国の長期金利が上昇しても、景気敏感株のみならず、高PERで金利上昇が株価にマイナスに作用するハイテク株も強い動きを続けているのです。
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新型コロナ向けワクチンの接種が国内でもいよいよスタート!
ワクチンの普及で国内景気が上向くとの期待も
一方、国内では、厚生労働省が2月14日、ファイザーのワクチンを承認したことで、2月17日から、新型コロナウイルス向けワクチンの国内における医療従事者向けの接種が始まります。ワクチン接種で先行する欧米では、新規感染が抑えられた結果、経済活動が順次再開されつつあります。このため、ワクチンの普及で国内景気も上向くとの期待が高まっています。これは日本株の押し上げ要因でしょう。
確かに、ワクチン普及後に経済が正常化したら、現在の超絶金融緩和の副作用のインフレを懸念する声もあります。しかしながら、現在はインターネットの普及やAIの進化・活用、ロボットの高度化など、さまざまな技術革新の成果として「モノ」の「供給能力」が数十年前に比べ、桁違いにアップしています。このため「モノ」の値段が上がりづらく、インフレは発生しづらくなっているはずです。
現代社会においては、万が一、急激なインフレが発生するとしたら、昨年の「マスク価格の高騰」のような状況しか思いつきません。あれは、「マスクの供給力」を一時的に「マスクの需要量」が超えたことが主因でした。正直、我が国のみならず、先進国ではそのような特殊な状況にならない限り、インフレは起こらないと考えています。
ここまで述べてきたように、世界的な株高はまだまだ続くはずです。読者の皆様、この絶好のチャンスを生かして、ぜひ資産を増やしてください。
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