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7月13日の日経平均株価は2日連続で大きく上昇し、2万8718.24円でした。
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私は、前回7月6日の当コラムで以下のように書きました。
「結論として、来週以降は、日本株の上昇相場の到来を想定して相場に臨むことをおすすめします。そうなると、今週は絶好の仕込み場ということになります。2021年のサマーラリーの発生を期待して、収穫の秋をイメージしつつ、積極的に市場に参加して「買いの種」をまきましょう」
日経平均株価に関しては、7月9日の安値2万7419.40円で当面の底入れを果たしたと見ています。そして、この2万7419.40円が今回のサマーラリー(夏に株価が上昇しやすい現象)の起点になると考えています。
その理由は、ETFの分配金捻出に伴う現物・先物の売りが7月9日で終了したこと、米国株が相変わらず非常に強いことに加えて、五輪期間中にはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的資金による市場介入が期待できると見ているからです。
米国の長期金利が上昇したことで投資マインドが改善し、
NYダウやナスダック指数などがそろって史上最高値を更新
まず、日本株ETFの決算日は7月上旬に集中しています。大和証券は、ETFの分配金支払いに伴い、今年の7月8日、9日の2日間に現物・先物の合計で約8300億円の売り需要が発生すると試算していました。この季節的な特殊な売りが吸収されたことで、7月12日以降の東京株式市場の需給は、劇的に改善したと見てよいでしょう。
また、米国の株式市場も非常に強い動きを続けています。7月12日のNYダウは続伸し、前週末比126.02ドル高の3万4996.18ドルと連日で過去最高値を更新しました。また、ナスダック総合株価指数も続伸し、同31.321ポイント高の1万4733.240ポイントと過去最高値を更新。そしてS&P500種株価指数は、同15.08ポイント高の4384.63ポイントと、こちらも過去最高値を更新しました。米国では、このように主要3株価指数が、そろって史上最高値を更新中なのです。
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実は米国株、とりわけ景気敏感株が多く含まれるNYダウに関しては、7月8日まで弱い動きが続いていました。これは景気鈍化懸念が強まり、長期金利が低下したことが嫌気されたためでした。
しかしながら、7月9日の米国10年物国債利回りは、1.36%と前日に付けた5カ月ぶりの低水準である1.25%から上昇しました。この金利上昇で投資マインドが改善した結果、9日のNYダウは反発し、前日比448.23ドル高の3万4870.16ドルと1週間ぶりに過去最高値を更新したのです。
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政府が東京オリンピックの開催を強行突破したことで、
開催期間中の株式市場の急落はなんとしてでも回避されるはず
最後に、公的資金の件ですが、出所および真偽のほどは不明ながら、7月9日後場に、市場の一部で「GPIFの買い観測」が囁かれました。ちなみに、GPIFの売買動向を映すとされる信託銀行は、日本株を今年1月に4389.67億円、2月に6308.02億円、3月に1兆6125.37億円、そして、4月に1434.65億円売り越しました。4カ月で2兆8257.71億円も売り越したのです。
このことから推察すると、GPIFの買い余力は十分あると見てよいでしょう。市場観測どおりに、今週以降もGPIFが買いに動いてくるようならば、相場の底堅さを評価した投資家の買いで日経平均株価も上がっていくことでしょう。
私の妄想というか希望的観測では、五輪期間(7月23日〜8月8日)中の日本株は、GPIFなどの公的資金の積極的な関与により、非常に強い相場になると見ています。なぜなら、政府は反対意見を強行突破して今回の東京五輪を開催するからです。このため政府は、五輪期間中に東京の株式市場が急落するようなことは絶対に阻止したいと考えているはずです。
そして、政府の胸中を忖度する格好で、阿吽の呼吸により「クジラ」と呼ばれる公的資金が東京株式市場に介入して、PKO(プライス・キーピング・オペレーション)というよりも、PLO(プライス・リフティング・オペレーション)を展開してくるのではないかと、私は勝手に妄想しています。
「グロース系ハイテク株」「地球温暖化(脱炭素)」「土砂災害」
の3つの投資テーマに注目し、今年のサマーラリーで儲けよう!
物色面に関しては、米国で長期金利が低位安定しているため、グロース系ハイテク株に注目しています。7月12日の米国10年物国債利回りは、前週末と同じ1.36%で取引を終えています。この長期金利の低位安定は、株価指標で割高とされるグロース系ハイテク株には強烈な追い風と言えるでしょう。
なお、日本時間の7月13日夜に、6月の米国の消費者物価指数(CPI)の発表が予定されています。5月の消費者物価の上昇率は前年同月比5.0%に達し、4月から0.8ポイント拡大しました。変動の大きい食品とエネルギーを除く上昇率は、5月が前年同月比3.8%と1992年6月以来の伸びでした。
しかしながら、米国連邦準備理事会(FRB)は、「物価上昇は一時的な動き」との判断を崩していません。仮に、6月の数値が高水準だったとしても、FRBはそのスタンスを崩すことはないと思うので、米国の長期金利が上昇基調に転じることはないと見ています。万が一、米国の長期金利が上昇したとしても、7月14日にパウエルFRB議長の議会証言が予定されているため、そこで議長が債券市場の動揺を鎮静化させるはずと信じています。
また、ここ最近、日本各地で集中豪雨による土砂災害が多発しています。気象庁によれば、「特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。日本の気温上昇が世界の平均に比べて大きいのは、日本が、地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためと考えられます」「1日に降る雨の量が100mm以上というような大雨の日数は、長期的に増える傾向にあり、地球温暖化が影響している可能性があります」と指摘しています。このため、「地球温暖化(脱炭素)関連」と「土砂災害関連」にも注目しておくべきでしょう。
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とにかく私は、今年の夏相場は、例年のような「夏枯れ相場」ではなく「活況の夏相場」となり、「サマーラリー」が発生すると見ています。下値はGPIFなどの「市場のクジラ」がガンガン買ってくれることを期待して、積極的な市場参加をすることを強くおすすめします。
繰り返しとなりますが、狙いは「グロース系ハイテク株」「地球温暖化(脱炭素)関連」そして「土砂災害関連」に絞りましょう。
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