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ナスダック100指数が2000年4月以来の下げを記録するなど、
株価指数からビットコインまで、すべての投機対象が急落!
先週の米国市場は、1月17日の月曜日がキング牧師記念日で休場だった関係で立会日が4日しかありませんでしたが、ナスダック100指数は毎日-1%を超える下落を記録。週間ベースでは、ドットコムバブルが崩壊した2000年4月以来の最悪の下げとなりました。
年初来の下げ幅は、ナスダック総合指数が-11.99%、S&P500指数が-7.73%、最近IPOした企業の株価指数であるルネッサンスIPO指数が-23%、SPAC(特別買収目的会社)指数が-14%、ビットコインが-24%となっています。つまり、ありとあらゆる投機対象が、片っ端から下落しているのです。
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しかも悪いことに、その下げ方は、まるで列車の脱線転覆事故をスローモーションで見ているような淡々としたところがあり、いわゆるセリング・クライマックス(下落相場の最終局面に起こる暴落)はありませんでした。その証拠にVIX(恐怖)指数はいまだに28.85と低い位置にあり、投資家がパニックした形跡はありません。こういう状態だと、相場はアク抜け(悪材料が出尽くして下落が止まること)しにくいです。
株価の下落が続く最大の要因はインフレ!
「FRBは0.5%刻みで利上げすべき」という意見も
「今、相場が下げている最大の理由は何か?」と言えば、それは1970年代を彷彿とさせるほどしつこく高止まりしている消費者物価指数です。米国の12月の消費者物価指数の上昇率は、前年同月比+7.0%と過去39年で最も高い水準でした。
これは、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が大急ぎで金融引き締めを行わなければいけないことを意味します。ところが、政策金利はいまだに0〜0.25%に据え置かれており、政策金利の水準がインフレにサヤ寄せするには長い時間が必要になります。
このことから、一部の市場参加者からは「0.25%刻みではなく、0.50%刻みでアグレッシブに利上げをすべき」という意見が出ています。
この主張には「早く適正な政策金利の水準まで到達できる」という観点からは一理ありますが、その反面、市場参加者はFRBが“慌てているオーラ”を出してしまうことを何よりも恐れます。つまり、中央銀行には泰然としていてほしいのです。
1月26日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、そういう矛盾する市場からの要求に対して、ジェローム・パウエル議長が苦しい対応を強いられます。
ネットフリックスが暴落したことで、
今回の決算発表シーズンは波乱含みに!
折から、米国は2021年第4四半期の決算発表シーズンに突入しています。1月20日に決算を発表したネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)は、来期のガイダンス(会社側見通し)が悪かったことで、翌21日に-22%近く暴落しました。
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ネットフリックスは、新型コロナウイルスにより市民が外出を控えたことで恩恵を受けた銘柄のひとつです。そのように新型コロナウイルスで得をした企業は、とりわけハイテク企業に多いです。今、新型コロナウイルスが鎮静化の兆しを見せるなか、投資家は「他のハイテク企業もネットフリックス同様、今後の見通しに対して用心深いコメントをするところが増えるのでは?」ということを恐れています。
ロシアによるウクライナ侵攻懸念により、
天然ガスや原油の価格上昇リスクが高まる!
一方、地政学リスクに目を転じると、ロシアがウクライナ国境近くに10万を超える兵隊を派遣し、いつ衝突が起こってもおかしくない状況となっています。
ウクライナは最近、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の陣営に傾斜しており、ロシアはそれが気に食わないのだと思います。
もしロシアがウクライナに侵攻した場合、西側諸国はロシアの天然ガスや石油をボイコット(不買運動)すると思われます。その場合、西側諸国はロシアに代わる資源の供給元を探さなければならず、国際市況が急変するリスクが出てきます。
今のところ、ロシアはウクライナを牽制するだけで、実際には侵攻しないだろうといのがメインシナリオです。しかし、こればっかりはどう転ぶかわかりません。
今おすすめの投資戦略は「無理をしない」こと!
ポジションを整理して、次のチャンスを待とう
「休むも相場」という言葉がありますが、今はすべての投機対象が売られているだけでなく、その下げ方もじわじわとした嫌な形となっています。上に書いたように、幾多の複雑な要因が重なって相場が下げている関係で、それらの材料をうまく整理し、トレード戦略を決めていくことは難しいです。
こういうときは、無理に「相場の転換点を狙い澄まして一発逆転してやろう!」などと力むのではなく、まずは、なるべくキャッシュ・ポジションを多目にして心の安定を確保したうえで、少し頭を冷やし、次の相場に向けて英気を養うくらいの気持ちで臨んだほうが、怪我がなくていいと思います。
それから、今回のように相場が「複雑骨折」したケースでは、マーケットが回復する際に物色の対象が変わることがほとんどです。つまり、ハイテク株やネット株、半導体株のようなこれまでの人気株は、ズブズブと劣後するリスクが高いはずです。
出動するのは、そういうことをじっくり見極めてからでも遅くはありません。兎に角、今は売買を一旦休むことをおすすめします。
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