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日経平均株価が好調で、6月9日の直近高値をラクラクと突破!
米国市場も主要3指数がそろって力強い動きを見せる
東京株式市場では、順調に「サマーラリー」が続いています。
8月16日の日経平均株価は前日比2.87円(0.01%)安の2万8868.91円とわずかに下がりましたが、テクニカル的には5日移動平均線(16日現在2万8421.39円)、25日移動平均線(同2万7676.03円)、75日移動平均線(同2万7052.93円)、100日移動平均線(同2万7134.71円)、200日移動平均線(同2万7544.40円)のすべてを上回っています。
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特筆すべきは、8月12日に前日比727.65円高の2万8546.98円で取引を終え、6月9日の直近高値2万8389.75円をあっさり上抜いたことです。これは本当に強い動きでした。
日経平均株価がここまで強い主因は、やはり、米国株が非常に強い動きを続けていることです。例えば、8月12日のNYダウは3日続伸し、前日比424.38ドル高の3万3761.05ドルでした。
8月12日のS&P500種株価指数は、前日比72.88ポイント高の4280.15ポイント。週間では4週続伸となり、2021年10~11月以来の連続上昇記録となりました。テクニカル的にも、2022年1月につけた過去最高値の4818.62ポイントから6月につけた2021年の安値3636.87ポイントまでの下落幅の「半値戻し」となる4227.75ポイントを超えました。
また、ナスダック総合株価指数も8月12日、前日比267.273ポイント高の1万3047.186ポイントで取引を終え、S&P500種株価指数と同じく、2021年10~11月以来の4週続伸となりました。
そして、週明け8月15日の米国株式市場も堅調でした。NYダウは4日続伸し、前週末比151.39ドル高の3万3912.44ドル、S&P500種株価指数は続伸し、同16.99ポイント高の4297.14ポイント、そしてナスダック総合株価指数も続伸し、同80.867ポイント高の1万3128.053ポイントでした。米国株は非常に強い動きを続けていると評価していいでしょう。
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米国で7月のCPIとPPIが市場予想を下回ったことで、
「インフレピークアウト」への期待が一段と盛り上がる
米国株が強い動きを続けている理由は「インフレがピークアウトする兆しが出ているなか米国の消費マインドは改善しつつあるため、今後もFRBの金融引き締めが続いたとしても米国の景気は後退しない」との見方が強まっていることです。この楽観的な見方から、投資家はリスクアセットである株式の購入を加速させているのです。
まず、インフレピークアウトの兆しに関してですが、8月10日発表の7月の米・消費者物価指数(CPI)の上昇率を見ると、総合が前年同月比8.5%と6月の9.1%から減速し、市場予想の8.7%も下回りました。また、エネルギー・食品を除くコア指数も5.9%上昇と、市場予想の6.1%上昇を下回りました。
さらに、8月11日発表の7月の米・卸売物価指数(PPI)が前月比0.5%低下と、6月の1.0%上昇から下落に転じ、市場予想の0.2%上昇も下回りました。
このように、7月のCPIとPPIが市場予想から下振れたことで、インフレピークアウトへの期待が一段と盛り上がっているのです。
その一方で、シカゴ連銀のエバンズ総裁は8月10日、7月のCPIを「最初の前向きな統計」と評価しながらも、「インフレ率は、なお受け入れがたいほど高い」と述べました。また、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は11日、「インフレとの戦いで勝利を収めたと宣言するには早すぎる」と述べ、次回9月のFOMCでは0.5%の利上げが「ベースライン」としつつも、0.75%の利上げを否定しませんでした。このため現時点で、市場は、次回のFOMCで0.5%もしくは0.75%の利上げを織り込んでいると見てよいでしょう。
よって、仮にFOMCで0.75%の利上げが実施されたとしても、米国の株式市場が動揺することはなさそうです。もちろん、9月のFOMCまでに8月の雇用統計とCPIを消化する必要があるため、事態は流動的ではあります。それでも、0.75%でなく1.0%の大幅利上げが懸念されるような状況にならない限り、FRBの金融政策に市場が恐れることはないと見ています。
日経平均株価は、現在、上昇トレンドが発生中なので、
「逆張りの売り」は避け、トレンドに沿った「順張りの買い」がおすすめ
このような状況下、8月12日に発表されたミシガン大学の8月の米・消費者態度指数が、前月比3.6ポイント上昇の55.1と市場予想の52.5を超えて改善しました。過去最低を更新した6月から2カ月連続の上昇となります。日常生活に身近なガソリン価格の下落などで、消費者心理が改善したからです。
なお、全米自動車協会(AAA)によれば、ガソリン価格は8月11日に全米平均で1ガロン(3.8リットル)あたり3.99ドルとなり、約5カ月ぶりに4ドルを割り込んだそうです。このため、今後再び、「原油先物価格急騰⇒ガソリン価格上昇」ということにならない限り、当面は米国の個人消費の減速を懸念する必要はないでしょう。
このような良好な投資環境下、NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)の信用買い残が積み上がり続けています。具体的には、7月15日の買い残は6947万口だったのが、7月22日に1.32億口、7月29日は1.35億口、そして8月5日には1.60億口となっています。
一方、NF・日経ダブルインバETFの価格は7月15日が399円、7月22日が366円、7月29日が369円、8月5日は358円、そして8月15日には340円まで下落しています。日経平均株価が下がることを見込み、信用取引を活用してNF・日経ダブルインバETFを買い建てている個人が急増したものの、彼らが価格下落に苦しんでいる状況が続いているようです。
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前回の当コラムでも指摘しましたが、レバレッジ型やインバース型のETFは、時間経過とともに減価が生じるため、長期保有には向いていません。日経平均株価が下がることに賭けるのであれば、私は、単純に日経平均先物を売り建てることをおすすめします。
ただし、今は「逆張り」で売るべき局面ではないと見ています。なぜなら、ボックス相場では「逆張り」が有効ですが、トレンド相場ではトレンドを友達にした「順張り」を採用するべきと考えているからです。
では、トレンドが発生しているか否かの判断はどうするかと言えば、「5・25・75日移動平均線」の「パーフェクトオーダー」が形成されているか否かで、私は判断しています。
つまり、「5日移動平均線>25日移動平均線>75日移動平均線、かつ、すべての線が上向き」という「強気のパーフェクトオーダー」なら「上昇トレンド発生」、逆に「5日移動平均線<25日移動平均線<75日移動平均線、かつ、すべての線が下向き」という「弱気のパーフェクトオーダー」なら「下落トレンド発生」、それ以外は「ボックス相場」と判断しています。
8月16日時点の日経平均株価は、「5日移動平均線>25日移動平均線>75日移動平均線、かつ、すべての線が上向き」と「強気のパーフェクトオーダー」です。よって、今後「5日移動平均線が下向きに転じ、さらに5日移動平均線<25日移動平均線」という展開になるまでは「強気」維持が妥当と見ています。
そのようなトレンド転換のサインが出るまでは、現在の上昇トレンドを友人にして、「順張りの買い」で投資収益を積み上げる戦略をおすすめします。読者の皆様にとって、最高の夏相場になることを切に祈っています。
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