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日経平均株価は“二番底”をつけ、上昇トレンド発生の直前!「ハロウィーン効果」に期待して、米大統領選までは丁寧に押し目で買いポジションを積み上げよう!

2024年9月24日公開(2024年9月24日更新)
藤井 英敏
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FOMCと日銀金融政策決定会合の2つを通過したことで、
現在の日経平均株価は「上昇トレンドが発生する直前」の状態に!

 9月17~18日の米・FOMC、19~20日の日銀金融政策決定会合を通過し、9月24日の日経平均株価の終値は前週末より216.68円高い3万7940.59円となりました。

 2024年9月24日時点の日経平均株価は、8月5日の3万1156.12円が「一番底」、9月2日の3万9080.64円が「ネックライン」、そして9月9日の3万5247.87円が「二番底」となって「ネックライン」を上抜けたことで上昇トレンドが発生する直前(準備運動中)との認識です。25日移動平均線(9月24日時点で3万7442.23円)を割り込むまでは、これがメインシナリオと考えます。

■日経平均株価チャート/日足・3カ月
日経平均株価チャート/日足・3カ月日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 日経平均株価が堅調に推移している理由は、FOMCと日銀の金融政策決定会合を通過し、日米の金融政策に対する不透明感がなくなったことが大きいと見ています。

米国経済は「ソフトランディング」する可能性が高まり、
NYダウとS&P500指数はそろって続伸して過去最高値を更新!

 FRBは9月17〜18日に開催したFOMCで0.5%の大幅な利下げを決めました。この結果、政策金利であるフェデラルファンド金利の誘導目標は4.75~5.0%になりました。また、今回の会合でまとめた政策金利見通しでは、年内に0.5%、2025年に1.0%の利下げを予測しました。

 米国のインフレ収束が濃厚となり、FRBは米国の景気や雇用の下支えを重視する姿勢を強く打ち出しました。これにより米国経済は「ハードランディング」せず、「ソフトランディング」する可能性が高まりました。このため、米国の株式市場は堅調に推移しています。

 9月23日のNYダウは3日続伸して前週末比61.29ドル(0.14%)高の4万2124.65ドルと連日で最高値を更新。ナスダック総合株価指数は反発し、同25.95ポイント(0.14%)高の1万7974.27ポイント、そしてS&P500種株価指数も反発し、同16.02ポイント(0.28%)高の5718.57ポイントと最高値を更新しました。

■NYダウチャート/日足・3カ月
NYダウチャート/日足・3カ月NYダウチャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月
ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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■S&P500指数チャート/日足・3カ月
S&P500指数チャート/日足・3カ月S&P500指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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「当面、日銀の金融政策に変更はない」と確認できたことで
相場の不透明要因のひとつがなくなり、日本株には追い風に!

 一方、日銀は9月19〜20日に開催した金融政策決定会合で、大方の予想通り、政策金利を0.25%程度に据え置くことを決めました。

 植田和男総裁は、9月20日の記者会見で「足元の日本経済は日銀の見通しに沿って推移している。ただ、米国経済を中心とする世界経済の不透明感、それを映した金融資本市場の動きが今後の見通しに不透明感を与えている。総合すると『ただちに見通しの確度は高まった、すぐ利上げだ』ということにはならない」との述べ、拙速な利上げを否定しました。

 また、植田和男総裁は「最近の為替動向を踏まえると、円安に伴う輸入物価を受けた物価上振れリスクは相応に減少している。政策判断にあたっては、不安定な状況にある海外経済が日本経済に与える影響などを確認していく時間的余裕はあると考える」とも述べ、ここまでの円安一服を評価しているようです。

 このため、為替動向を意識した政策の変更もないでしょう。当面の間、日銀が動く意思がない(これまでの政策の効果を見極めることに集中する)ことが確認できたことは、日本株にとって不透明要因(相場の攪乱要因)がひとつなくなったという点でポジティブな材料と捉えています。

「ヘッジファンドによる円の買い越し枚数の大幅な減少」は、
円安を後押しして日経平均株価を押し上げる要因に!

 なお、9月17日時点での「IMM通貨先物」のポジション(建玉)情報のうち、「非商業部門(ヘッジファンドなど投機筋)」の通貨先物市場における円の対ドルでのネットポジションは、9月10日と比べて1070枚増の5万6840枚の買い越しでした。これで6週連続の買い越しとなりますが、前週の1万4654枚増に比べて、週間の買い越し枚数は大幅に減少しています。

 このため今後に関しては、投機筋の反対売買の売りで円安方向に振れやすくなったと見ています。想定通りなら、わが国の輸出関連企業の株が買われ、日経平均株価を押し上げる見通しです。

 ちなみに、9月末決算銘柄の権利付最終日は9月26日、権利落ち日は27日です。大和証券の試算によれば「パッシブ連動資産がすべて配当落ちに伴う先物買いに動いた場合、日経平均先物で2000億円弱、TOPIX先物で1兆1000億円程度の配当落ちによる買い需要が予想される」とのことです。これは、日本株のサポート要因となると考えています。

米大統領選は「どちらが次期大統領になるのか」ではなく、
「次期大統領が確定し、市場の不透明感がなくなること」が重要

 FOMCおよび日銀金融政策決定会合を通過したことで、短期的に言えば、日米ともに市場の関心は金融政策から政治動向に移ると見ています。

 日本に関しては、9月27日に自民党総裁選の投開票を控えています。積極財政派が総裁になれば「株高」、緊縮財政派がなれば「株安」という反応になることでしょう。

 一方、米国では、11月5日に米大統領選の投開票日を迎えます。共和党のドナルド・トランプ前大統領が勝つのか、民主党のカマラ・ハリス副大統領が勝つのか、まったく分かりません。ですが、両者の政策に多くの相違点があるとはいえ、どちらが大統領になっても米国経済の好調さを維持するために全力を尽くすはずです。また当然のことながら、FRBはデュアル・マンデート(二大責務)である「雇用の最大化」と「物価の安定」を実現するべく、政治とは無関係に注力するでしょう。

 このため、株式市場にとっては、どちらが大統領になるかは重要なことではなく、「次期大統領が確定し、市場の不透明要因がなくなること」が極めて重要だと考えています。

 なお、ウォール街の有名なアノマリーとして、10月末に株式を買って翌年4月末に売れば最も効率的にリターンを上げることができる「ハロウィーン効果」というものが知られています。現時点において、私はこのアノマリー通りの値動きをイメージし期待しています。

 よって、11月5日の米大統領選までは「仕込み場」と認識しながら、飛びつき買いはせず、丁寧に押し目を拾って買いポジションを積み上げていく戦略をおすすめします。
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