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今週の日経平均株価は、好調な米国株の影響で週明けは上昇したものの
その後は政治リスクを織り込む動きとなり、一時3万8000円を割り込む
今週(10月21〜25日)の日経平均株価は下落し、先週末比で1067.92円(2.74%)安い3万7913.92円で終えました。
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今週は、日米ともに主要企業の決算発表が本格化するなか、個別企業の決算の影響を受けやすい地合いでした。前週末10月18日の米国市場では、前日17日にネットフリックス(NFLX)が好決算を発表したことを背景にハイテク株が買われました。これを受けた週明け21日の日経平均株価は、一時3万9119.67円まで上昇しました。
しかし、翌22日は500円を超える下落、23日は300円を超える下落となり、一時は節目の3万8000円を割り込みました。10月27日に投開票する衆議院議員総選挙について「与党が過半数割れする可能性」が相次いで報じられ、政治リスクを織り込む動きが一段と強まったことが一因です。
政治不安を警戒したヘッジファンドによる売り仕掛け的な動きのほか、急ピッチの下落によって買い方の持ち高調整の売りが入ったようで、買い方不在で売り方優位の需給状況のなか、週を通じて不安定な相場展開だったと言えるでしょう。
ちなみに、注目を集めていた東京地下鉄(東京メトロ・9023)は、10月23日にプライム市場に上場。初値が公開価格(1200円)を35.8%上回る1630円をつけるなど、好スタートを切りました。
来週の日経平均株価は、10月27日の衆院選の結果次第で
大きく株価が変動する可能性もあるので要注意!
【来週の日経平均株価の想定レンジ】
3万6500 ~ 3万9500円
来週(10月28日〜11月1日)の日経平均株価は、衆院選の結果によって大きく変動することになりそうです。
最近の報道で伝えられているように、与党の議席数が過半数を割り込むようだと、波乱の相場展開になりそうです。日経平均株価は、10月半ば以降の調整で9月下旬の自民党総裁選のときの水準まで下げており、あらためて仕切り直す形となっています。今後の政権運営への不透明感から、政治リスクを嫌う海外投資家の売り圧力が警戒されそうです。
一方で、衆院選で与党がギリギリで過半数を維持した場合には、アク抜け(悪材料の出尽くしによる下げ止まり)感から、上昇の勢いが強まる展開が期待できます。
ただし、決算発表が本格化していることに加え、米国では11月5日に大統領選が迫っており、積極的な買いは入りづらいところです。売り方の買い戻しから上昇が期待されるものの、上値追いの動きは慎重になるでしょう。
もっとも、先週10月18日のディスコ(6146)や今週23日のニデック(6594)の決算発表後の値動きから、ハイテク企業への決算期待が高まりやすいと見られ、足元で低迷しているハイテク企業などへは押し目狙いの動きもありそうです。
【今週の値上がり率・値下がり率・出来高ランキング】
アール・エス・シーが+75.60%で値上がり率トップ!
ここからは、今週、値動きが目立った個別銘柄を見ていきましょう。
今週の値上がり率ランキング1位のアール・エス・シー(4664)は、流動性の低い銘柄ですが、10月22日から出来高を伴って急伸。警備事業を手掛けていることもあり、関東地方で闇バイトによる強盗事件が頻発するなか、「防犯対策」関連として個人主体の値幅取り狙いの資金が集中したようです。
値上がり率2位の夢展望(3185)は10月21日、中国のPDDホールディングスが運営するオンラインモール「Temu」と新たに連携したことを発表。これが材料視され、急伸しました。
値上がり率3位はフルッタフルッタ(2586)。10月24日に、すかいらーくホールディングス(3197)系が運営するファミリーレストラン「ジョナサン」において、同社のアサイーを使用した「アサイーバナナ」が販売されることを発表し、材料視されました。
一方、今週の値下がり率ランキングのトップはセーラー広告(2156)でした。石破政権の発足後、「地方創生」関連の一角として買われていましたが、衆院選で与党の議席数が過半数を割り込むとの見方が高まったことで、持ち高調整の売りが入ったようです。
値下がり率2位はグリッド(5582)。札幌市が政府の「金融・資産運用特区」に指定されたことで、データセンターなどの進出によって電力の需要増が見込まれるとして株価が上昇していました。しかし今週に入り、これまでの上昇に対する反動安となりました。
■今週の値上がり率 トップ5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | +75.60 | アール・エス・シー(東S・4664) |
2 | +58.54 | 夢展望(東G・3185) |
3 | +40.54 | フルッタフルッタ(東G・2586) |
4 | +32.27 | REVOLUTION (東S・8894) |
5 | +31.86 | ベースフード(東G・2936) |
■今週の値下がり率 ワースト5 | ||
順位 | 先週末比(%) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | −28.92 | セーラー広告(東S・2156) |
2 | −28.65 | グリッド(東G・5582) |
3 | −23.41 | ラストワンマイル(東G・9252) |
4 | −22.10 | トラース・オン・プロダクト(東G・6696) |
5 | −21.79 | IDOM(東P・7599) |
■今週の出来高 トップ5 | ||
順位 | 出来高(株) | 銘柄名(市場・コード)※クリックで最新株価・チャートへ |
1 | 1,007,747,400 | ジャパンディスプレイ(東P・6740) |
2 | 741,269,300 | NTT(東P・9432) |
3 | 545,313,800 | ランド(東S・8918) |
4 | 367,833,000 | 三菱重工業(東P・7011) |
5 | 362,518,400 | 大黒屋ホールディングス(東S・6993) |
【来週の主要イベント】
米国の雇用統計、日銀会合、米国のマイクロソフトやアップルの決算、
国内のアドバンテストやオリエンタルランドの決算、2社のIPOに注目!
来週は以下のようなイベントが予定されています。
<10月28日(月)>
◆Hmcomm(265A)東証グロース上場
◆決算:さくらインターネット(3778)、日東電工(6988)
◆決算:ウルフスピード(WOLF)、アムコー・テクノロジー(AMKR)
<10月29日(火)>
◆Sapeet(269A)東証グロース上場
◆決算:山崎製パン(2212)、小松製作所(6301)、カプコン(9697)
◆9月失業率
◆独11月GFK消費者信頼感調査
◆英9月消費者信用残高
◆米8月住宅価格指数
◆米8月ケース・シラー米住宅価格指数
◆米9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
◆米10月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
◆決算:アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)
<10月30日(水)>
◆決算:オリエンタルランド(4661)、日立製作所(6501)、アドバンテスト(6857)
◆日銀金融政策決定会合
◆独10月失業率
◆独7-9月期国内総生産(GDP)速報値
◆独10月消費者物価指数(CPI)速報値
◆欧7-9月期四半期域内総生産(GDP)速報値
◆米MBA住宅ローン申請指数
◆米10月ADP雇用統計
◆米7-9月期四半期実質国内総生産(GDP)速報値
◆決算:マイクロソフト(MSFT)、クアルコム(QCOM)
<10月31日(木)>
◆決算:第一三共(4568)、富士通(6702)、コナミグループ(9766)
◆日銀金融政策決定会合、政策金利発表
◆日銀展望レポート
◆植田和男日銀総裁、定例記者会見
◆9月百貨店・スーパー販売額
◆9月鉱工業生産速報値
◆中10月製造業購買担当者景気指数(PMI)
◆欧10月消費者物価指数(HICP)速報値
◆米10月チャレンジャー人員削減数
◆米7-9月期四半期単位労働コスト速報値
◆米9月個人消費支出(PCE)
◆米10月シカゴ購買部協会景気指数
◆決算:アップル(AAPL)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)
<11月1日(金)>
◆決算:村田製作所(6981)、サンリオ(8136)
◆中10月Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
◆米10月雇用統計
◆米10月ISM製造業景況指数
【来週の注目銘柄】
「東宝」「ブックオフグループホールディングス」「メイコー」
の3銘柄をピックアップ!
来週、注目したい銘柄は、この3つです。
東宝(2024年10月25日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
情報・通信 | 東P・9602 | 5783円 | 24.5倍 | 2.14倍 |
話題の新作アニメ「ダンダダン」の制作会社を子会社化 映画配給大手です。5月23日にアニメーション制作スタジオのサイエンスSARUの全株式を取得し、子会社化することを発表。この買収によりアニメ事業の成長スピードを加速させる狙いです。なお、サイエンスSARUは「少年ジャンプ+」で連載中の漫画を原作に10月から放送されているTVアニメ「ダンダダン」を制作。この作品への評価は高く、ネットフリックスの日本トップ10(テレビ部門、10月7~13日)では初登場1位を獲得しました。株価は9月17日につけた5966円をピークに調整を見せていますが、上向きで推移する13週移動平均線が下値支持線として機能しており、ここからのリバウンドが期待できます。 |
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ブックオフグループホールディングス(2024年10月25日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
小売業 | 東P・9278 | 1476円 | 13.8倍 | 1.42倍 |
通期計画の営業利益に対する1Qの進捗率が31.7%と好調 中古書籍・ソフトなどを扱う小売店舗「BOOKOFF(ブックオフ)」の運営やフランチャイズ事業を展開。10月22日に発表した2025年5月期・第1四半期業績は、売上高が前年同期比8.1%増の282億9200万円、営業利益が同171.9%増の11億1200万円でした。国内ブックオフ事業においては、BOOKOFFを新たに3店舗出店したほか、直営既存店においてアパレル、トレーディングカード・ホビー、家電・携帯電話などの売上高が前年同期を上回りました。通期計画に対する営業利益の進捗率も31.7%と好調でした。株価は5月7日につけた高値1793円をピークに下落が続いていましたが、8月半ば以降は52週移動平均線を挟んでの推移を継続。その後、決算を受けての上昇で26週移動平均線を一気に突破してきたので、さらなる上昇を期待するスタンスで。 |
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メイコー(2024年10月25日時点) | ||||
業種 | 市場・コード | 株価 | 予想PER | 実績PBR |
電気機器 | 東P・6787 | 6020円 | 12.6倍 | 1.69倍 |
スマートフォン向け基板などが好調で、営業利益が260%増に プリント基板を主力に電子回路基板などの設計・製造・販売を手掛けています。携帯電話など小型・薄型化に対応するエニーレイヤービルドアップ(全層自由接続)基板、自動車のエンジンルームや太陽光発電装置など苛酷な環境に耐えうる高放熱・大電流基板など、各種の最先端製品を提供しています。8月6日に発表した2025年3月期・第1四半期業績は、スマートフォン向け基板やSSD・IoTモジュール向け基板が好調だったため、売上高が前年同期比13%増の470億1300万円、営業利益が同260%増の32億6500万円でした。第2四半期の決算発表は11月14日を予定しています。株価は、13週移動平均線を突破した後、調整が続いていますが、13週移動平均線が下値支持線として意識されており、ここからのリバウンドが期待されます。 |
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【※今週のピックアップ記事!】
⇒「SMR(小型モジュール原子炉)」関連銘柄を紹介! AIの普及を背景に、グーグルやアマゾンなど大手テック企業がこぞって原子力発電所に投資する理由とは!?
⇒【auカブコム証券の特徴とおすすめポイントを解説】NISA口座なら日本株と米国株の売買手数料が無料で、クレカ積立の還元率は「1%」とネット証券トップクラス
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