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東証マザーズ指数が波乱の展開となっています。
東証マザーズ指数は10月14日に1365.49ポイントで取引を終え、2006年8月24日以来、約14年2カ月ぶりの高値をつけました。しかし、その後に急落し、10月26日の終値は前日比48.16ポイント(3.86%)安の1199.55ポイントまで下落しました。
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10月27日には前日までの下落の反動で多少戻しましたが、日足チャートを見ると、5日移動平均線(26日時点で1270.18ポイント)および25日移動平均線(同1269.24ポイント)を割り込んで、5日・25日・75日移動平均線が上から順番に並ぶ「パーフェクトオーダー」が完全に崩れてしまっています。足元では下げ幅が拡大し、かつ、下落ピッチが加速しています。これは、25日移動平均線を下に抜けたことで短期的な株式需給が悪化し、追証発生・回避目的の信用買い方からの売りが加速したことが主因と観測されます。
今後の東証マザーズ指数に関しては、少なくとも5日移動平均線を上回るまでは「調整」が継続する見通しです。なお、当面の下値メドは、75日移動平均線(10月26日時点で1134.07ポイント)です。
東証マザーズ指数が現状のように5日移動平均線、25日移動平均線ともに下回って推移している間は、投資家は相場の下落に備えるべきです。腕に覚えがある投資家なら、東証マザーズ指数先物を売り建てたり、東証マザーズに上場している時価総額上位の貸借銘柄の中からテクニカル的に悪化しているものを空売りするなどで、ヘッジすることもアリでしょう。また、現金比率をいつも以上に高めに維持することも妥当な対応だと思います。
しかし投資初心者は、東証マザーズ指数が「パーフェクトオーダー」でない場合は、「マザーズ銘柄を買わない、持たない」を徹底するべきです。
トランプ大統領が「民主党よりの州を救済するための合意はしたくない」
とコメントするなど、追加経済対策の実現が急速に遠のく!
また、ここにきて米国の追加経済対策が大統領選挙前に合意実現する可能性が大幅に低下しています。
というのも、米国時間の10月23日、「ムニューシン米財務長官が『追加経済対策に対する与野党の主張には大きな隔たりがある』と述べた」「トランプ米大統領は『民主党が優勢な州の救済のための合意はしたくない』と述べた」などと伝わっているからです。さらに、「与野党協議を巡り、民主党のペロシ下院議長とメドウズ米大統領首席補佐官が、お互いの交渉姿勢を非難する事態となっている」とも伝わっています。
こうなると、「追加経済対策の合意は選挙後になる」と腹を括るしかないですね。
米国の大統領選挙が終わればイベントリスクが大幅に低下し、
日本株は「下がり難い状況」から「上がりやすい状況」に転換する
ところで、10月第2週(12~16日)、海外投資家の日経平均先物とTOPIX先物を合算した売り越し額は3614億円でした。前週は1696億円の買い越しだったので、大幅な売り越しに転じたわけです。一方、現物株は696億円の買い越しでした。ですが、前週は5866億円と大幅な買い越しだったので、買い越し額は急減しています。そして、先物・現物合算では2918億円の売り越しでした。
このまま海外投資家が、10月第3週以降も日本株を売り越し続けてくるようだと、当面の日経平均株価の上値は重そうです。
その一方、もし海外勢が売り越し続けたとしても、日銀はそれに見合う金額分の株価指数連動型上場投資信託(ETF)を買ってくると見られます。前回も述べましたが、日銀は今年3月にETF購入額を年6兆円から年12兆円に増やす追加金融緩和策を導入したので、購入枠に十分な余裕があります。海外投資家が乱暴な売り注文を出すケースでは、日銀は1日の購入額を機動的に増加させ、「リスクプレミアム」をつぶしに来るはずです。
また、菅義偉首相は追加経済対策と今年度の第3次補正予算案を編成するよう、11月上旬にも政府内に指示する見通しです。内容的には、新型コロナウイルス用ワクチンの接種を希望者全員が無料で受けられるようにするための医療機関への報酬費、現在12月末までとなっている雇用調整助成金の特例期限延長、「Go Toトラベル」の延長、大学受験生らに2万円を支給などの案が検討されるようです。一部国内大手証券は、「第3次補正予算の規模は25兆円規模になるのではないかと思われる」としています。
ちなみに「3次補正案は12月中旬、当初予算案は12月下旬までに閣議決定し、2021年1月に召集予定の通常国会に提案する」と伝わっています。米国とは異なり、日本では、衆議院も参議院も与党が完全に支配しているため、第3次補正予算案はすんなり可決されるでしょう。
このように日本では、日銀が超絶金融緩和を継続し、政府・与党が積極財政で景気を支え続ける方向に明確に動いています。このため、日本株は下がり難い状況が続くことでしょう。
もちろん、米国の大統領選挙後の政治リスクの高まりと、それに伴う、金融市場における短期的なボラティリティーの上昇の発生確率は決して低くはありません。ですが、米国の大統領選の投開票を通過すれば、イベントリスクが大幅に低下し、日本株は「下がり難い状況」から「上がりやすい状況」に転換する可能性が高いと見ています。
以上のことから、日経平均株価のメインシナリオは「米国の大統領選挙前は、2万3500円±500円のボックス相場。選挙後は、2万4000円のボックス上限を上放れて上昇トレンドが発生する」となります。
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菅首相の所信表明演説で取り上げられた、
「蓄電池」「行政のデジタル化」などが要注目の“国策テーマ”に
最後に、個別株の物色についてですが、菅義偉首相が10月26日の所信表明演説で触れたテーマが“国策銘柄”として注目を集めるでしょう。具体的には「行政のデジタル化」「温暖化対策」「不妊治療対応」「GIGAスクール構想」などです。
「行政のデジタル化」に関しては、今後5年で自治体のシステムの統一・標準化を実施。さらに、来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化をスタートし、併せて運転免許証のデジタル化も進め、今後2年半のうちにほぼ全国民に行き渡ることを目指します。
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「温暖化対策」に関しては、温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を表明。鍵となるのは、「次世代型太陽電池」や「カーボンリサイクル」をはじめとした革新的なイノベーションだと指摘しました。
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「不妊治療」に関しては、所得制限を撤廃し、不妊治療への保険適用を早急に実現しますが、それまでの間は現在の助成措置を大幅に拡大します。
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さらに、「GIGAスクール構想」に関しては、すべての小中学生に対して、1人1台のIT端末の導入を進め、あらゆる子どもたちにオンライン教育を拡大します。
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したがって当面の東京株式市場では、「再生可能エネルギー」「蓄電池」「行政のデジタル化」「不妊治療」、そして「GIGAスクール構想」などが「ど真ん中のテーマ」になると見ていますので、注目しておくといいでしょう。
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