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日経平均株価は「3万5247円を割り込むか否か」が注目点だが、
もし割り込んだとしても8月5日のような急落は起こらない
日経平均株価は、一番底が8月5日の3万1156.12円、ネックラインが9月2日の3万9080.64円、そして現在、引き続き「二番底を模索するステージ」にいるとの認識です。
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今後のテクニカル上の注目点は「9月9日の3万5247.87円を割り込むことなく推移できるか否か」です。現時点において私は「五分五分」と見ており、正直、どうなるかわかりません。もし割り込んだ場合、その後は「底値の模索」となりますが、このまま割り込まないようなら、9日の3万5247.87円が「二番底」となる可能性が高まると考えています。
なお、信用買い残のピークは、7月26日時点の4兆9808億円でした。これに対して9月6日時点の信用買い残は4兆1046億円と、7月26日と比べて8762億円(17.59%)の大幅減となっています。つまり、信用需給はやや改善しています。
現在生き残っている信用買い方は、あの8月5日までの暴落を耐えられるだけの体力があり、かつ「グリップ力(株を保有し続ける力)」の強い投資家たちです。よって、想定外の悪材料が発生しない限り、仮に下落するにしてもそれは少しずつ下がっていく「じり安」であり、「8月5日のような急落」は起きにくいと考えています。
「FOMCでの大幅利下げ観測」と「投機筋の円の買い越し」
の2つの要因により、一時は139円台まで円高が進行!
また、現在、円高が進行していますが、その理由は二つあります。一つ目の理由は「9月17~18日のFOMCでの0.5%の大幅利下げが行われる確率が高まったこと」、二つ目の理由は「投機筋が円を対ドルで買い越し続けていること」です。
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まず「大幅利下げ」ですが、米国のウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオス記者が9月12日、「利下げ幅は0.25%か0.5%かの判断に直面している」と記事で伝えたことや、前NY連銀総裁のダドリー氏が13日、シンガポールでのイベントで「FRBが0.5%利下げをする強い根拠がある」と話したことで、9月のFOMCでの大幅利下げ観測が強まりました。これが金利面での円買い・ドル売り材料となりました。
次に「投機筋による円の買い越し」ですが、9月10日時点のIMM通貨先物のポジション(建玉)情報のうち、「非商業部門(ヘッジファンドなど投機筋)」の通貨先物市場における円の対ドルでのネットポジションは、9月3日比で1万4654枚増の5万5770枚の買い越しと、5週連続で買い越しでした。今後については、この投機筋の買い越し枚数が減少したり、ネットで売り越しに転じたりしてこない限り、円高方向に振れ続ける可能性が高いと見ています。
エヌビディアの急伸をきっかけに米国の半導体株が買われ、
ナスダック総合株価指数は9月13日まで5日続伸!
話を株式市場に戻すと、9月16日のNYダウは4日続伸し、前週末比228.30ドル(0.55%)高の4万1622.08ドルと、8月30日以来、約半月ぶりに終値の最高値を更新して取引を終えました。0.5%の大幅利下げ観測の強まりで、景気敏感株が買われた結果です。
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一方、ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、同91.85ポイント(0.52%)安の1万7592.13ポイントでした。しかしながら、前週末の9月13日までナスダック総合株価指数は5日続伸し、強い動きが続きました。ナスダック総合株価指数を押し上げたのは、半導体関連が買われたことです。ちなみに、9月13日のSOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)は、前日比82.05ポイント(1.68%)高の4980.49ポイントでした。
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半導体関連の株価出直りのきっかけは、エヌビディア(NVDA)です。9月11日、「エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは、需要の高まる同社製品の奪い合いで一部顧客が不満を募らせ、緊張が高まっているとの認識を示した」と報じられ、エヌビディアの株価は前日比8.81ドル(8.15%)の116.91ドルに急伸しました。
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この良好な値動きが他の半導体関連の株価に好影響を与えました。9月16日にはSOX指数が1.41%安と反落したとはいえ、米国株安の震源地だった半導体株が落ち着きを取り戻しつつあることは、米国のハイテク株への追い風です。
なお、9月17〜18日のFOMCで、0.25%なのか0.50%なのかは五分五分の状況ですが、利下げが決まることはほぼ間違いないと思われるので、利下げ効果により、今後の米国経済が「ハードランディング」する確率は非常に低いと考えています。
9月20日に植田総裁が「タカ派的コメント」をする可能性は高いが、
市場はすでに織り込み済みなので大きな混乱は発生しない
一方、日本では9月19~20日に日銀の金融政策決定会合が開催されますが、日銀は政策金利の短期金利の誘導目標「0.25%程度」を維持する見通しです。注目は、会合後の植田和男総裁の記者会見です。おそらく植田氏は、実質金利は極めて低い水準との認識を崩さず、7月31日と同様の「タカ派的なコメント」を繰り返す可能性が高そうです。ただし、その点に関して市場は相当程度織り込み済みのため、7月31日の会見直後のような市場の大混乱は起きないと見ています。
そもそも、前回の当コラムで指摘したように、日本に関しては「南海トラフ地震臨時情報による経済活動の自粛(8月8~15日)」と「台風10号による物流・交通の混乱(8月末から9月初旬)」が経済にマイナスの影響を及ぼしたことで、11月15日に公表される7-9月期の実質GDPの一次速報がマイナス成長に転じる可能性があります。このような経済情勢で、日銀は追加の利上げにすぐには動けないと思います。
すぐに利上げを開始できない「日本円」と今月から利下げ開始が見込まれる「米ドル」の関係性から、当面、ドル/円相場は膠着状態(ボックス相場)を続けるとの見方は不変です。しかしながら、9月16日の外国為替市場で円買いが一段と進み、一時139円台まで値上がりするなど、足元で円高が“勢いづいている感”があるので、ボックスのレンジはざっくりと1ドル=135~145円程度(前回は140~145円)に変更します。
【※前回の記事はこちら!】
⇒日経平均株価の「二番底」を模索する値動きは9/13~20で終了か!? 日本株の調整が続く中では「価格分散」と「時間分散」を心掛けて、慎重に買いを仕込む戦略で!
9月20日に米国の「クアドルプルウィッチングデー」を通過すれば、
デリバティブ絡みの需給が整理され、日経平均株価の調整は終了か!?
結論として、現時点においては9月9日の3万5247.87円を起点にした「テクニカルリバウンド」が継続中というのがメインシナリオです。ただし、9日の3万5247.87円を割り込んだらシナリオを練り直す必要があります。
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また、足元では円高が進行中であり、投資環境が劇的に改善したわけではありません。このため、日経平均株価の上値は重い状況が続く見通しです。
スケジュール面では、9月13日に日本のメジャーSQが無事に通過しました。あとは20日の米国の「クアドルプルウィッチングデー(Quadruple Witching Day)」を通過すれば、日米のデリバティブ絡みの需給の整理が一巡します。よって、現時点では、日経平均株価の調整は20日前後で終了する可能性が高いと見ています。
当面は、仕込みを狙っている銘柄があっても一発で買うことはせずに、買い下がりを前提に、価格分散と時間分散を心掛けて慎重に買っていく戦略を引き続きおすすめします。
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